なんでも道しるべ

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米国利上げに伴い公益株式が上昇する理由が2つある

f:id:anyguidepost:20171126084145j:plain先日、ピクテ投信投資顧問のセミナーに行ってきました。

ピクテって何なんだ?と正直思いながら参加しましたが、老舗の金融会社なのですね。失礼しました。

日本で認知度が低いのを分かっておられるのか、きちんとピクテ(PICTET)の会社説明も最初にされていました。

■老舗のピクテはセミナーをする理由

ピクテはプライベートバンクを母体とするスイス(ジュネーブ)の資産運用会社だそうです。

1805年に設立されて、210年経つとのことです。凄い。

海外の富裕層が顧客とのことで、資産管理から運用までを手掛けているとのことで、私なんかの弱小個人投資家を相手にしてくれるのかな?

それだけの会社がわざわざ日本中でセミナーを行っているということは、日本が投資に対して初心者が多く、開拓価値があると判断しているのかな?と思いました。

そんな老舗のピクテが何の紹介をしてくれるのか?ということですが、「世界公益株式投資」についてでした。

世界と書かれていますが、話を聞いていると、基本的には米国が中心です。ここでも米国が中心となるわけです。

今回セミナーをやることになったのは、世界公益株式が2017年5月18日に高値更新をしたことがきっかけです。

公益株式が高値更新をするのは珍しいとのことで、これから米国が金融引き締め(利上げ局面)に入ることが先に読まれて高値更新したとのこと。

高値更新したから利益確定ではなく、これからさらに高値更新が続くということで、新規顧客獲得も含めて、セミナーを開催したということです。

■世界公益株式がこれから良いとする理由

なぜ金融引き締め時期に世界公益株式の株価が上昇するかというと、下記の2点です。

  1. 物価が上昇して、増配が期待できるから
  2. 長期金利が低下することで、配当利回りが低下して、株価が上昇するから

まず、1.に関しては、米国の政策金利(短期金利)を上げるというこは、景気が良いということで、物価が上昇していくということです。

物価が上昇して、企業の製品の価格を上げることができなかったら、相対的に利益が下がりますが、公益株式の商品は電気・ガス・水道などであり、生活するのに欠かせないものであるが故に、価格上昇を受け入れてくれます。

したがって、他の業界よりも物価上昇に連動することが比較的しやすいために、増配が期待できるとのことです。

続いて、2.については、政策金利が引き上げられて、短期金利が上昇すると、金利負担の増加で数十年先の景気が悪化するのでは?との見方から、超長期(ここでいうと30年国債利回り)が低下していくことがあるそうです。

それに伴い、安定して配当が見込める公益株式の配当利回りも低下することが起き、配当が一定であった場合に、株価が上昇するということです。

■イールド・カーブと株式市場

世界公益株式の株価上昇の要因を文章で書いたら非常に分かり難いのですが、これをpptスライドで説明してくれたので、非常に分かりやすかったです。

イールド・カーブ(利回り曲線)に関しては非常に勉強になりました。

以前に、ひふみ投信のひふみアカデミー(運用報告会)で、長短金利の逆転現象が来るかもしれないとの話があって、何を示唆しているのか分かりませんでした。

長期金利は短期金利よりも高いというのが通常の感覚です。(長期金利の住宅ローンは金利が低いなと思ったのは私だけでしょうか?)

それが逆転するということは、短期的には景気は良いけれど、長期的には景気は悪くなっていくのでは?と投資家が考えているというわけです。

政策金利は短期金利にしか影響せず、長期金利は市場が決めるというのが、市場の常だそうです。

米国がリーマンショックの前の2004年~2006年に政策金利を5%程度まで上げましたが、現状は2015年12月に金利を上げて、2年経った2017年11月でも1.25%です。

政策金利を急激に上げることによる副作用をFOMCは気にしているかもしれません。

米国株式市場が、政策金利が上がっているのにも関わらず、ここまで良好な状況を継続できているのは、投資家からしたら政策金利の上げ方が緩やかなので、当面は好景気の恩恵を受けれると判断しているのではないでしょうか?

■ピクテの投信

今回のピクテのセミナーを聞いて、世界公益株式の投信は良いかもしれないと感じたのは事実です。

ピクテでは、世界公益株式のファンドとして下記が用意されています。

  • ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)<為替ヘッジなし>
  • ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)<為替ヘッジなし>
  • ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)円コース<為替ヘッジあり>
  • ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)円コース<為替ヘッジあり>

正直、まだ毎月分配型の需要がやっぱりあるのか…と思いました。基準価額は下がり続けています。

ピクテは分配金再投資後も一緒にグラフで示していましたが、再投資するのなら1年決算がらで十分でしょう。無駄に税金かかりますし。

1年決算型は分配実績がないとのことです。

為替ヘッジあり/なしを比較できる良い機会だったので、見比べてみましたが、本当に為替ヘッジは必要なのかな?と思いました。

為替ヘッジありにすると、基準価額はほとんど動かなく、逆に若干マイナス気味です。

為替差が怖いので為替ヘッジを選ぶのも分かる気がしますが、タダではないです。ヘッジするのにも費用がかかります。

この中なら、私は、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)<為替ヘッジなし>」と選びますね。

■所感

ここまでセミナーの紹介をしてきましたが、私は世界公益株式の投信は買わないかなと思います。なぜなら解約時期を判断してくれないからです。

良い傾向があるというのは、逆を返せば悪い時期もあるということです。

投信は基本的には解約時期を案内してくれません。信託報酬が欲しいので当たり前ですよね。

セクター型投信は、その点が非常に曖昧だと思っています。

セクター型の投資をやりたいのならETFを買付して、このようなセミナーを聞いて、自分の判断で売り時を決めた方が良いと思います。