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日本と米国の家計金融資産の比較!右肩上がりの資産運用を目指したい

先日、金融庁が資料を出している「つみたてNISA」関連のQ&Aについて記事を書きました。

【つみたてNISA】ちょっとした疑問を解消!積立設定なので分配金の取扱いが気になる… - なんでも道しるべ

この金融庁の資料は非常に興味深く、特に、家計金融資産に関するデータを見ると、とても考えさせられます。

以前の記事で、日本の家計金融資産とその中に含まれる現金・預金の比率が問題だと書きました。

この資料内では、過去の数値からもグラフ化していますので、成長が止まっていると言われている日本と、その中で勤労・生活している日本人の感覚が見えます。

■どんな時でも貯金できる日本人

金融庁が出しているこの資料(導入直前!「つみたてNISA」の制度説明)は、2017年9月現在なので、データは2016年までです。

まず見てもらいたいのが、日本の家計金融資産推移グラフです。

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(引用:導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、金融庁、平成29年9月21日の資料より抜粋)

家計金融資産は2016年で1,815兆円と過去最高まで膨れ上がっています。

私は全く実感がありませんが、日本人の家計資産を全部合わせたら、こんなにもあるのですね。

その中で、赤色の棒グラフで示されているのが、現金・預金の合計です。

2016年で938兆円ですので、先ほどの1,815兆円からすると、約51.7%が現金・預金ということになります。

全体の灰色グラフで目立つのが、やはりリーマンショックの時ではないでしょうか。

直前の年では1,600兆円を超えているのに対し、リーマンショックによる影響で1,500兆円を下回っています。

ただ、注目すべき点は、現金・預金は全く下がっていない点です。

とても不思議なのですが、リーマンショックで家計金融資産全体は下がっているのに、現金・預金は崩れてないのです。

では、現金・預金以外では何があるのか?

それは、保険、年金、株式、投信です。

リーマンショックの時期は、消去法的にこれらの4つが資産目減りしたことになります。

保険や年金も一部株式や投信運用していますから、突き詰めると、株式と投信が下がったのだと推測できます。

このような100年に1度と言われるような、金融危機があると、日本人は「ほら、やっぱり現金が一番安心だ!」となるわけですね。

日本人が気質として素晴らしいなと思えるのが、リーマンショックで仕事も減っているときでも現金・預金には手を付けないということですね。

『収入ー預金=生活費』の構図が成り立つ場合、

金融危機では、『収入(↓)ー預金(↓)=生活費(→)』ではなく、『収入(↓)ー預金(→)=生活費(↓)』と生活費を切り詰めて生活するわけです。

これができる日本人が、貯蓄から運用へというには一筋縄ではいかないような気がします。

■日本はデフレだから預金することで乗り越えられる

なぜ日本人が、上記で示した『収入(↓)ー預金(→)=生活費(↓)』で上手くいくのか?

これを考えるには、家計所得の構成比のデータから勝手に推測してみます。

下記のグラフは家計所得の構成比です。

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※赤線は、財産所得の勤労所得に対する比率を示しています(右軸)。

(引用:導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、金融庁、平成29年9月21日の資料より抜粋)

このグラフを見て、私は驚いたというか、やっぱり本当なのかと感じました。

家庭所得が、ここで示されている1995年~2015年の20年間は、ずっと右肩下がりなのです。

青グラフが勤労所得ですが、なだらかですが右肩下がりで、給与が頭打ち、さらに下降気味であることが分かります。

さらに、黄色グラフの金融資産所得が、2000年以前よりも近年は小さくなっています。

この金融資産所得の縮小が、右肩下がりをさらに助長しているように見えます。

卵が先か、鶏が先かの話になりますが、勤労所得が下がるのでデフレになる、デフレになるから勤労所得が下がるわけです。逆なのかもしれませんが。

日本人は、貯金は常に一定金額出来ており、資産を蓄えることをしていますが、デフレと金融所得低下によって、なんだか生活苦な感じが抜けないわけです。

さらに、金融所得を下げるということから、日本や世界に投資をする人が減っているわけで、明るい未来は無いという資産運用をしているように見えます。

■米国と日本の家計所得の推移を比べてみる

先ほどの家計所得の構成比に関する金融庁の資料には、きちんと比較例が載っています。

それが、米国の例です。下記に、米国と日本を並べてみます。(日本の例は先ほどと同じ)

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※赤線は、財産所得の勤労所得に対する比率を示しています(右軸)。

(引用:導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、金融庁、平成29年9月21日の資料より抜粋)

米国と日本がこれだけ違うのかというが、突き付けられるグラフといえます。

米国は、「勤労所得」「金融資産所得」「不動産所得」のどれを取ってもきれいに右肩上がりです。

特に勤労所得の伸びが目立ちます。

これは単に給与が上がっている訳ではなく、インフレが起こっているのだと思います。

インフレが起きるから、給与所得が上がってくるという、好循環が起きているのでしょう。

それにより、財産として、金融資産と不動産を増やし、インフレにより財産所得が増え、それがまた好循環により増幅しているわけです。

赤線の財産所得の比率からも、日本は0.1~0.2倍に対し、米国は0.3~0.4倍ということで、米国は昔から財産所得の比率を維持しているわけです。

まさしく米国経済恐るべしだと痛感しました。

「貯蓄から投資へ」と「デフレからインフレへ」の両輪が、「勤労所得の増加」さらには「財産所得の増加」、そして「家計所得の増加」に繋がるのかなと素人的に思いました。

就職をして年功序列的に給与が上がっていく日本風土は嬉しいですが、社会がデフレであったり、貯蓄体質が変わらなかったら、今後も日本は世界の成長曲線から置いて行かれそうだなと思います。

私自身は経済に精通しているわけでは無いですので、間違った解釈をしているかもしれませんが、ド素人的に感じた印象です。

米国に習って、私自身、今後も投資を進めていく『強い意志』を再認識しました。