なんでも道しるべ

資産運用は、判断よりも耐える時間が長い。 数字と感情の間で揺れながら、日常の出来事と一緒に綴る記録。 案内役は、ちょっとツンな相棒「みっちゃん」。 — 資産運用・投資の記録ブログ

第1話:連休初日の朝、ミチがやけに元気な理由

連休初日の朝。

カーテンの隙間から光が入ってきたけれど、なんちゃんはまだ布団の中にいた。

目覚ましも鳴らないし、今日はゆっくりしていい日――のはずだった。


「おねえちゃーん!起きて起きて起きて!!」


布団の上でぴょんぴょん跳ねる影。

ミチだ。しっぽをぶんぶん振りながら、朝からやけにテンションが高い。


「まだ朝だよ……。連休なんだから寝かて……」


そう言って布団に顔をうずめるなんちゃんをよそに、ミチは満面のドヤ顔。


「違うよ?

“連休だから”起きるんだよ!」


「……それ、理由になってないよ」


ミチは聞いていない。

キッチンに走っていき、コーヒー豆を勝手に並べたり、窓を全開にしたり、完全に休日モード全開だ。


「ほらほら、空気がおいしい!

今日はね、掃除もしない!

出かける予定も決めない!

“だらだらするための一日”なの!」


「それを実現するために、

なんでそんなに動いてるの……」


呆れながらも起き上がるなんちゃんの横で、ミチは満足そうに丸くなる。


「だってさ、連休って“何もしない”って決めるのが一番むずかしいでしょ?」


なんちゃんは一瞬だけ考えて、ふっと笑った。


「……たしかに。

放っておくと、つい予定入れちゃうもんね」


コーヒーを飲みながら、なんちゃんはミチを見る。

朝から元気すぎる理由が、まだはっきりしていない。


「……で、さっきから気になってたんだけど」


「なに?」


「今日は“何もしない日”って言うけど……

本当は、何か理由あるんでしょ?」


ミチは一瞬だけ目をそらして、しっぽの先をくるっと丸めた。


「……あるけどさ」


少し間を置いて、ぽつりと言う。


「平日さ、なんちゃんずっと忙しそうだったでしょ。

朝は相場、夜も相場。

ミチが話しかけても、“あとでね”って言われること多かったし」


「……」


「だから今日はね、

“何もしない日”って決めないと、

どうせまた予定入れちゃうと思って」


ミチはなんちゃんの袖をちょん、と引っ張る。


「今日はさ、

ミチのわがままでいい日なの。

一日くらい、なんちゃん独り占めしてもいいでしょ?」


なんちゃんは少し驚いて、それから困ったように笑った。


「……それ、わがままって言うの?」


「言うよ。

でも今日は“連休初日”だから特別ね」


少し考えてから、なんちゃんはソファに座り直した。


「じゃあ今日は、

ミチのわがままを叶える日にしよっか」


ミチの耳が、ぴん、と立つ。


「ほんと!?

じゃあまずは……二度寝!」


「結局そこ!?」


そんなやりとりをしながら、

2人はまた並んでソファに沈み込む。


今日の予定は、何もない。

でもそれは――

ミチのわがままが、ちゃんと叶えられる日という意味だった。

 

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