夜。
なんちゃんはノートを閉じた。
「ねえミチ、
今日の授業でね、r>g って話が出たの」
ミチはソファで伸びてる。
「にゃ?
その記号、おいしい?」
「違う!」
「じゃあ飲み物?」
「違うってば!」
なんちゃんは説明を始める。
「えっとね、
r はお金が増える力で、
g は経済の成長で……」
「うん」
「で、r の方が g より大きいって話」
ミチは一瞬考えて、言った。
「つまり……」
「つまり?」
「r が g に勝ってる」
「勝ち負けじゃないよ!」
「じゃあ、
r の方が偉い?」
「偉くもない!」
なんちゃんは言い直す。
「働いて増えるお金より、
投資で増えるお金の方が
増えやすいって話で……」
ミチは急に立ち上がった。
「あー、分かった!」
「ほんと?」
「お金、働かせたらサボる」
「違う!!」
「だってさ、
人が働くより楽そうじゃん」
「そういう意味じゃなくて……」
「じゃあミチの理解はこれで確定ね」
「確定しないで!」
ミチは満足そう。
「r>g =“人は休め”」
「そんな授業じゃなかったよ……」
「でもさ」
ミチはソファに戻る。
「それ知ってたら、
日曜にゴロゴロしてても
ちょっと許される気しない?」
なんちゃんは少し黙って、
「……まあ、
それはそうかも」
「でしょ?
知識って使い道が大事」
「使い道、雑すぎない?」
「雑じゃないよ。
生活向き」
今日の道しるべ
r>g を聞いて、
何を思いましたか?
真面目に考える話でしたか。
それとも、ちょっと休む言い訳になりましたか。
