なんでも道しるべ

資産運用は、判断よりも耐える時間が長い。 数字と感情の間で揺れながら、日常の出来事と一緒に綴る記録。 案内役は、ちょっとツンな相棒「みっちゃん」。 — 資産運用・投資の記録ブログ

🐾 みっちゃんの日常|シーズン2 スペシャル3 「夜に漏れる声と、壁一枚ぶんの距離」

夜。

部屋の電気を落としたはずなのに、なぜか落ち着かなかった。


静かなはずのマンション。

テレビも消して、スマホも伏せているのに、胸の奥がざわつく。


……なんでだろ。


考えなくてもわかってる。

気になっているのは、隣。


でも、耳に届いてくるのは気配だけじゃなかった。


——声?


壁の向こうから、はっきりとした音がする。

話し声じゃない。

歌。


それに、ギター。


思わず、壁に少し近づいた。

このマンション、別に壁が薄いわけじゃない。

それなのに聴こえるってことは……どれだけ声を出してるの。


「……大丈夫?」


小さく呟きながら、耳を澄ます。


意外だった。

思っていたより、ずっと上手。


低すぎず、高すぎず。

まっすぐで、少しだけ掠れた声。

ギターの音も、丁寧で、優しい。


顔は悪くない。

お金持ち。

怖がりで。

……歌が、こんなに綺麗。


「……やば」


そう思った瞬間、胸の奥がきゅっとする。


引っ張られるみたいに、音に集中してしまう。

歌詞はよく聞き取れないのに、感情だけが伝わってくる。


気づいたら、呼吸が浅くなっていた。


——だめだ。


頭ではわかってるのに、

身体は正直だった。


じんわりと、熱が集まる。

理由をつける前に、感覚が先に来る。


土曜の夜。

壁一枚向こうの歌声に、

みっちゃんは静かに心を揺らされていた。


「……ほんと、困る」


そう思いながら、目を閉じる。


歌が終わるまで、

それからしばらくの余韻まで、

みっちゃんは眠れなかった。


そして、そのまま——

ドキドキを抱えたまま、いつの間にか眠りに落ちる。

 


週明けの朝。

ゴミ捨て場で——

▶︎ sp4 へ続く

 


🧭 今日の道しるべ

声だけで心が動く夜は、

「想像」が始まった合図かもしれません。

 

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