なんでも道しるべ

資産運用は、判断よりも耐える時間が長い。 数字と感情の間で揺れながら、日常の出来事と一緒に綴る記録。 案内役は、ちょっとツンな相棒「みっちゃん」。 — 資産運用・投資の記録ブログ

🐾 みっちゃんの日常|シーズン2 エピソード5 「月曜の夜と、カゴの中身」

月曜の仕事は、いつも通り忙しかった。

会議、メール、急な対応。

気づけば頭の中はずっとフル回転で、身体のほうが先に音を上げていた。


それでも今日は、奇跡的に残業なし。

エレベーターに乗った瞬間、肩が少しだけ軽くなる。


……でも。


正直、もう何も作りたくない。


家に帰る前に寄ったスーパー。

照明の下で目に入ったのは、割引シールが貼られたお弁当。


「これでいいかな……」


そう思った、そのとき。


「晩ご飯の買い出しですか?」


声をかけられて、心臓が一瞬跳ねた。


振り向くと、そこには――

お隣の大学生。


え、なんでここで?


「え、あ、うん……」


反射的に答えたあと、手元を見る。

割引シール。


……まずい。


「今日は、シチューを作ろうと思って」


自分でもわかるくらい、ちょっと見栄を張った声だった。


彼は笑って、自分のカゴを少し傾ける。

中には、同じようにお弁当。


「簡単でいいですよね」


そう言われて、胸の奥がちくっとする。


年上として、言うべきことはある。

でも、なぜかそれができなかった。


シチューの材料を一通りカゴに入れて、

気づけば一緒にレジを通っていた。


マンションまでの帰り道。


今までちゃんと並んで歩いたことがなかったから、

ここで初めて気づく。


……背、高い。


歩幅も、肩の位置も、全然違う。

隣に立つと、自然と見上げる形になる。


高身長。

たぶん、お金持ち。

しかも、礼儀正しい。


どうするの、これ。


彼が何か話していた気がする。

でも内容は、ほとんど頭に入ってこなかった。


考えていたのは、

シチューでも、弁当でもなくて。


ただ、

この距離感が、

少しずつ変わってきていること。


マンションの前で別れるとき、

軽く会釈して、彼は笑った。


その笑顔を見送ってから、

ようやく息を吐く。


……月曜なのに。


疲れてるはずなのに。


どうして、

こんなに胸が落ち着かないんだろう。

 


▶︎ sp6「シチューのお裾分け」へ続く

 


🧭 今日の道しるべ

疲れている夜ほど、

「誰と帰るか」で、

心の余白は変わるのかもしれません。

 

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