「通勤時間が長いことは仕事と生活スタイルに大きな影響があり良くない」
これは、私がずっと思ってきたことで、妻とも話していました。
先日、Newsweekに「日本の通勤地獄が労働生産性を下げている?試算損失額は1日あがり1424億円」という題目で記事が出ていました。
まさしく共感できる内容ですが、数字からも推測できるということです。
■都市部は通勤時間が1日3時間以上も普通
記事によると、総務省が出している『社会生活基本調査』に、有業者の通勤時間(1日あたり)の度数分布表が出ているらしい。
それによると、40代前半男性(380万人)の平日のデータでは、最も多いのが「30分以上1時間未満」とのことだが、2時間を超える人も3割いるとのこと。
おそらく地域格差がかなり大きいと思うが、都市部に住んでいる人は、片道1時間以内なら短いくらいと言っているので、1日往復2時間以内なら近いほうだという認識の方も結構いらっしゃいます。
私が通勤している会社でも片道1時間の人はかなり居るし、片道1時間半の人も居ます。
1時間半ということは往復3時間ということで、1日24時間しかないのに、1/8は通勤時間だということです。
さらに片道2時間で往復4時間かかる人もいましたが、私の経験では、仕事を辞めていく人が多いような気がします。
まあ、4時間になると、1日の1/6が通勤時間なので、それは続かないだろうなと納得できます。
通勤時間中に、本を読んだり、自分の時間ができたり、という人も居ますが、それは本音なのかな?と正直思います。
やっぱり、家でくつろげる時間。家族と共に過ごす時間の方が大切だと思いますけどね。
■GDP額と通勤時間との関係
下記グラフは、就業者1人あたりのGDP額と1日あたりの男性の平均通勤・通学時間を散布図で示しています。
記事によると、うっすらとした傾向が見られ、相関係数は-0.403だということです。
確かに、先進国と発展途上国のGDPの基盤そのものは違うと思いますが、先進国で比較すると、その傾向はあるように私も見えます。
以前に別の記事で書いていたのを読んだことがありますが、北欧では、長時間通勤になるような異動は裁判沙汰になると書いていました。
このグラフは通勤時間のデータからプロットしていますが、単身赴任を考慮すると、もっと過酷な通勤環境になるのでは?と思います。
単身赴任は職場の近くなどに住居を確保するのが一般的なようです。おそらく、単身寮費と通勤費の両方払うのは経費の無駄だという理由もあるのではと感じています。
その場合、通勤時間は往復数十分のケースもあるので、通勤時間としては短い分類になるでしょう。
逆に、月曜日の朝や金曜日の夜には新幹線で何時間もかけて実家に帰るという人がいます。
この相関が正しいかどうかではなく、このような状況を受け入れざるを得ない職場事情に問題があるような気がします。
少子化問題や働き方改革とも直結する話だと思いますね。
■通勤時間をズラせる制度があっても・・・
記事にも書かれていましたが、在宅勤務や時差勤務の導入はもっと図るべきだと思いますが、それには周囲の環境が整わない限り難しいのでは?と個人的には思います。
例えば、時差勤務と認めても、日本人の忖度文化がそれを許さない雰囲気や、逆に時差を縛るような規定を作って家庭環境と合わない、ということが起きても不思議ではありません。
日本人は調和を基本とする風潮があるので、皆が同じ時間に出勤して、朝礼をして、皆が同じ時間に帰宅するという雰囲気が漂います。
そんなことをしているから、子育てもままならず、長時間通勤、通勤ラッシュ地獄となるのだと思います。
フレックス制度や在宅勤務制度を制定している会社があるので、もっと活用できるようになればいいと思うのですが、結局は本人の意識次第ということころもあるかもしれませんね。
■通勤時間のことをもっと真剣に考えよう
私自身、転職を経験していますが、職場選びの第一は「勤務地」でした。
子どもが保育園に通っていたという理由もありますが、通勤時間が短くて済む職場を第一に考えて選びました。
確かに、やりたい仕事などがあった場合には、遠くに通わざるを得ないこともあるでしょうが、職種が自分のやりたいものであっても、職務が自分のやりたいことであるとは限りません。
周りを見ていて、私が不思議に思うのが2つあります。直接、本人には言いませんよ。ブログ記事だから書けることです。
- 国内の単身赴任を受け入れて、平日は一人暮らしとしていること
- 賃貸なのに片道1時間(1日2時間)以上の通勤時間を要していること
様々な考えや家庭事情もあると思うので、通勤時間だけが問題ではないと思いますが、一つの会社や拠点にしがみ付くことに違和感があります。
私自身が時間に対する無駄という認識が強いだけなのかもしれませんが、やはり通勤時間と通勤ラッシュは「疲労」のだと思いますよ。
記事の最後に、『給料が安くてもいいから長時間通勤は御免こうむりたい』と考える若者が増えてくるかもしれないと書かれていました。
これは、私の考えでは、消極的な発想ではなく、むしろ積極的な発想だと思っています。
長期間通勤でないと、子育てをしながら夫婦共働きも続けやすく、世帯収入を上げれるというメリットがあるのですから。