昨日の記事で、世帯の平均所得の推移について書きました。
特に、「全世帯」と比較して「児童のいる世帯」が所得が高いこと、またリーマンショックの後は、世帯所得が上昇していることについて理由を考えてみました。
我が家の位置づけを知るということも一般的な欲求を満たす上では重要ですが、もっと重要だと思うのが、国内の今後の流れを予測して遅れを取らないように動くことではないかと思います。
そういう意味では、おそらく、「児童のいる世帯」では夫婦共働きがスタンダードになってくるのは間違いありませんし、さらに、正社員+非正規/パートという組み合わせではなく、正社員+正社員がスタンダードになるように思えます。
児童(18歳未満の未婚の子)がいる世帯は、世帯所得が落ち込まず、むしろ上昇してきている事実!? - なんでも道しるべ
本日は、「児童のいる世帯」にスポットを当て、子どもの数との関係や、子どもの年齢との関係をみていきたいと思います。
また、「世帯1人当たりの平均所得」と「有業人員1人当たりの平均稼働所得」では意味が違います。
その違いについては興味深いので、考えてみたいと思います。
■子どもの数と世帯所得の関係
まず、児童のいる世帯について、子どもの数と平均所得金額の関係を見てみます。
グラフは下記のとおりです。
前回の記事でも書きましたが、ここでいう「児童」とは18歳未満の未婚の子を指します。
児童のいる世帯の平均は707.8万円でしたが、1人や2人の世帯は平均を下回っていますが、3人以上の世帯は平均を上回っています。(赤の棒グラフ)
子どもの人数が増えるとお金がかかりますから、仕方のないことでしょうね。
新たな数字としては、児童のいない世帯が496.7万円であることが分かります。
ちなみに、前回の記事で示しましたが、全世帯では545.8万円でした。
ただ、興味深いデータは、「世帯人員1人当たり平均所得金額」の値です。(青の棒グラフ)
- 児童のいる世帯 173.3万円
- 1人 199.7万円
- 2人 164.6万円
- 3人 138.4万円
- 児童のいない世帯 235.3万円
児童のいない世帯が最も平均所得が多い結果となっていますが、これは、おそらく結婚後に子どもがいない夫婦の共働きによる平均値だと推測できます。
子どもが産まれると、極端に平均所得が下がります。
それは、主には妻が仕事を続けられないということから、平均所得が下がってくるのだと考えられます。
「世帯の平均所得」と「1人当たりの平均所得」の最もさが広いのが、子どもが3人の世帯です。
世帯の平均所得が最も多く、1人当たり平均所得金額が最も低いのが、子ども3人以上です。
3人の子どもがいる世帯は、家計を支えている世帯主の年齢が高くなって所得が高いとも考えられますし、もっと曲がった考え方をすると、所得が高いから子どもも多く産めるとも言えますよね。
世帯労働者の年齢のソートがかかっていないので、何とも想像になってしまいますが、少子化の問題は、世帯所得が上がらないor維持できないから、安心して子どもが産めないというのも一因であるような気がします。
■有業人員1人当たり平均稼働所得から見える夫婦共働きの所得
今回は、もう一つのグラフを付けます。
次のグラフは「子どもの年齢別にみた平均所得金額」のグラフです。
子どもの年齢が上がるに従って、世帯当たりの平均所得金額が上がっているのは、当然の結果でしょうね。(赤の棒グラフ)
面白いデータなのが、「有業人員1人当たり平均稼働所得金額」です。(緑の棒グラフ)
子どもの年齢にはあまり影響を受けなく、一定的な関係を示しています。
私が面白いと感じたのは、一つ前のグラフで示した「世帯人員1人当たり平均所得金額」との関係です。
児童のいる世帯の「世帯1人当たりの平均所得金額」は173.3万円が平均値です。
対して、「有業人員1人当たり」となると358.1万円が平均値となり、約2倍の差がついています。
簡単に解釈すると、専業主婦の方が多く、1人当たりに換算すると平均値を下げているということです。
有業人員1人当たりとなると、正社員・非正規社員・パートの種別に問わない平均なので、分布が分からないところはありますが、働いている人だけを平均すると、358.1万円ということです。
私の感想としては、結構高いなと思いました。
やはり、夫婦共働きで働いている世帯は、きっちり稼いで、世帯平均所得の平均値を引き上げているということが分かります。
前回の記事でも書きましたが、当ブログの記事を見て下さっている方は、所得が多い世帯を目標に、モデルに、ターゲットにしてほしいと思います。
私自身も、この有業人員1人当たり平均稼働所得金額:358.1万円が一つのラインだと認識しました。
子育てをしながらの夫婦共働き世帯というのは何かと大変ではありますが、夫婦が力を合わせて稼いでいる人は世の中にはきっちりいて、仕事や子育てをどちらか一方に任せきりではなく、生活においてもリスク分散ができているのだと思います。
今回のグラフもかなり良い勉強になりました。