インデックスファンドを推す人が、楽しいからという根拠で個別株を推す理由について考えます。
私も株式投資をやって長いですが、最初は個別株で失敗した経験もありますし、ETFなどでセクター別で投資したこともあり、上昇するセクターと下落するセクターを眺めて、結局、何が良いのか分からなくなったこともあります。
最終的には、妙な采配や、狼狽をしなく、心落ち着いて長期投資をするには、分散型のインデックスファンドを購入することが最も良いという結論に達しています。
そんな中、インデックスファンドを推奨する人が、なぜ今、この時に個別株を推すのか?という話です。
■投資はインデックスファンドが一番良い
分散型のインデックスファンドを購入すると確かに退屈です。
広範囲に分散投資していますし、世界分散でセクターも特化していないと、結局は世界情勢などで動くことになりますから、構成されている各企業はかなり希釈化されていきます。
退屈なことから、妙な狼狽も受けないメリットもあり、平均株価が下がっても、それはそれで理由がある訳なので、納得できます。
上昇するときも、金余りの経済対策を取っていることが多いですから、理由が分かっているので明確です。
そのようなインデックスファンドへの投資が最も効果的だと感じたのは、株式投資を始めて10年以上経過した後でした。
インデックスファンドを推奨する人は、理由が明確なので分かり易く、狼狽しないというメリットがありますから明確です。
それが、最近になって、個別株への投資を推すのですから驚きでした。
■コロナ禍の経済政策は株価上昇につながっている
個別株への投資を推すのがこのコロナ禍で、株式市場が上昇している時なので、何か理由があるのではないか?と思ってしまいます。
結局、私がたどり着いた結論は、この株価上昇がやはり異常に映っているから、個別株への投資を推しているのだということです。
誰もが実体経済はボロボロで、各国が一斉に経済対策を打っているから、株価が上昇してきているというのは理解しています。
先ほど結論を書いたので、逆説的な言い方になりますが、この株価が実体経済を反映しているかというと、かなりの人は疑問に思うでしょう。
つまり、この株価は作られている可能性があるということです。
各国が株価を上昇させるために経済政策を取っている訳でなく、名目どおりコロナ禍対策であることは周知のとおりです。
ただ、このコロナ禍対策のバラマキが、株価上昇に買っているということです。
■このツケはいつか下落相場として回ってくる
世界中が一斉に経済政策を打っているのは珍しく、これまでも各国で打ってきましたが、やはり国によって時期や温度差があったのは事実です。
しかしながら、今回のコロナ対策での経済政策は、規模も大きい上に、各国が一斉に取っているので、非常に珍しい光景です。
それは株価にとっては良いことなので、金余りの状態になると予想されて、株価上昇につながっていると予想できます。
そうなると、インデックスファンドを買っている者にとっては、少し不利になります。
各企業の実態が株価に反映されているのではなく、経済政策によって吊り上げられているのですから、このツケはいつか回ってくるでしょう。
それが早いのか、遅いのか、そんなことは誰にも分かりませんが、そう遠くない日に収縮していき、株価も下落していくと予想できます。
そうなると、インデックスファンドをもっていると、下落相場となるので、不利な状況に陥ります。
それが理由で、インデックスファンドを推奨している人も、今のうちにバリュー的な個別株を探した方が良いと推してくるわけです。
■個別株に手を出さないことが大切
私の考えでは、過去の経験から、個別株への投資は、たとえ良さそうな企業を見つけたとしても、狼狽する気持ちは制御できないので、インデックスファンドに慣れている人にとっては結構苦痛だと思います。
その個別株を保有していることに、例えば優待などの、何らかの意味がある場合なら別ですが、株価だけで投資をする場合、私のようなド素人が選別するのには無理があると感じているからです。
アナリストという職業があるのですから、そのような企業分析はやはりプロに任せるべきでしょうし、よほど株式投資に時間を許せる人でないと厳しいと思います。
したがって、インデックスファンドを推奨している人が個別株を推している時点で、現在の株価が異常に高まっていると推測できるということです。
そして、そのような声で個別株を本当に買うと、それは大きなダメージを受けることになると思います。