前回、「つみたてNISA」で積立をしようと考えているインデックスファンドのメンチマークとのかい離と実質コストについて書きました。
今回は実質コストに関する続きです。
前回はeMAXIS Slimのみのデータを挙げましたが、今回は各社データの比較から、本当にeMAXIS Slimに積立をして良いのかの検証します。
インデックスファンドは、信託報酬は安いけれど、蓋をあけてみたら実質コストがかかりすぎていることがあるようで注意が必要のようです。
投資信託の手数料には下記の種類があります。
- 信託報酬
- 売買委託手数料
- 有価証券取引税
- 保管費用等
信託報酬は「できるだけ安いところを選ぼう!」と言われています。
アクティブファンドは調査に費用がかかるので、高くなるのは仕方がないと思っていますが、インデックスファンドはベンチマークがありますから、信託報酬は確実にリターンが目減りする手数料となります。
それ以外に、ファンド自体が銘柄の売買を行うため等の手数料が発生しますので、これもリターンの目減りになります。
しかしながら、この手数料はあらかじめ決まっているものではないので、「運用報告書」を見て、確認するしかないです。
『ダイヤモンドZAI ONLINE、2017/6/21公開、2017/9/29更新、【2017年最新版】「インデックスファンド」コスト比較ランキング!信託報酬・実質コストがもっとも安いファンドは?』で一覧表が乗っていました。
一つ一つ確認するのが面倒なので、この記事の一覧表を参考にさせてもらいました。
■先進国株式インデックスファンドの信託報酬と実質コスト比較
まずは先進国株式について確認しました。
信託報酬の安い順に上位10ファンドが載っていましたが、0.50%を切っている安いファンドのみ抜粋します。
ファンド名:信託報酬(%)⇒ 実質コスト(%)= 運用コスト(%)
・ニッセイ:0.20% ⇒ 0.292% = 0.092%
・iFree:0.21% ⇒ 0.275% = 0.064%
・たわらノーロード:0.225% ⇒ 0.259% = 0.034%
(参考:ダイヤモンドZAI ONLINE、2017/6/21公開、2017/9/29更新、【2017年最新版】「インデックスファンド」コスト比較ランキング!信託報酬・実質コストがもっとも安いファンドは?)
この結果は非常に驚きました。
ニッセイはコスト競争で信託報酬を安くしていますが、実質コストはかなり高くなっています。
信託報酬の安い順は、①ニッセイ⇒②iFree⇒③たわらノーロードですが、実質コストの安い順は、①たわらノーロード⇒②iFree⇒③ニッセイとなります。
これは要注意です。
信託報酬の安いものに安易に手を出したら無駄なリターン目減りに合うということです。
信託報酬以外のコストは毎年変動するため、上記の実質コストはあくまで参考程度ですが、今後も注意する必要があるような気がします。
ただ、運用コストは解約が発生すること等での売却手数料がありますので、純資産総額が順調に増えているファンドは安心できると考えています。
私は「つみたてNISA」でeMAXIS Slim先進国株式インデックスファンドを積立しようと考えていますが、これは信託報酬が0.20%で最安値だからです。
また、昔からeMAXISでの運用もされているので、マザーファンドの安心感もありました。
ただし、設定日から1年経過していないので、運用報告書が確認できず、実質コストが分からないといった不安があります。
そこで、eMAXISの信託報酬と実質コストから、eMAXIS Slimの実質コストを推測してみました。
ファンド名:信託報酬(%)⇒ 実質コスト(%)= 運用コスト(%)
・eMAXIS:0.60% ⇒ 0.687% = 0.087%
・(推測)eMAXIS Slim:0.20% ⇒ 0.288%(eMAXISの運用コストを足した)
(参考:ダイヤモンドZAI ONLINE、2017/6/21公開、2017/9/29更新、【2017年最新版】「インデックスファンド」コスト比較ランキング!信託報酬・実質コストがもっとも安いファンドは?)
この推測から、信託報酬の安い順は、①ニッセイ=①eMAXIS Slim⇒③iFree⇒④たわらノーロードですが、実質コストの安い順の推測は、①たわらノーロード⇒②iFree⇒③eMAXIS Slim⇒④ニッセイとなります。
あくまで推測なので、eMAXIS Slimの実質コストは蓋を開けてみないと分かりませんが、これはかなり悩ましい結果となりました。
結果から忠実に投資をするのなら、『たわらノーロード』に投資するのが好ましそうです。
■新たな謎
今回の検証から、2つの興味が出ました。
- eMAXISはファンド規模が349億円あるのに、運用コストになぜ0.087%もかかっているのか謎。
- たわらノーロードはなぜ0.034%で運用できているのかに興味。
まだ、2018年の「つみたてNISA」開始までには時間がありますので、もう少し吟味してみたいと思います。