マネー投資に役立つ書籍の紹介です。
これまでは、超有名な3冊をご紹介しました。
インデックス投資や米国株投資に興味を持ったきっかけの本でした。
今回は「つみたてNISA」を少し意識した本になります。
『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』という書籍名で、著作が星野康平氏、講談社+α新書で出版されています。
単行本で840円+税です。本屋で見つけたのですが、高くなく簡単に読めそうなので買ってしまいました。
私なりの解釈でご紹介していきます。
■ドルコスト平均法を丁寧に検証・説明
内容は、相場の下落時にドルコスト平均法がどれだけ有意に働くかを検証している本です。
データは実際の国内のTOPIXを使っているのもありますが、自作データで説明しているところもあります。
「つみたて投資」が有効であることを「量」という観点で紹介していますので、定額積立の投資信託を始めようと考えている人は一度読まれると、資産の増え方に納得できるかもしれません。
ドルコスト平均法そのものに賛否両論があり、ドルコスト平均法がリターンを最大限とする投資法でないことは事実です。
しかし、いくらリスクを許容していたとしても、投資時価が下がっていくのは嬉しくありません。
下落局面で有効なのはドルコスト平均法であり、量を蓄えることができるのはリスクヘッジには良いと考えます。
ただ、リターンは機会損失が生まれることから、一括投資に比べると減ります。
一般的なサラリーマンが、毎月、給与から積み立てると長期的な目線ではドルコスト平均法になります。
下落した局面が回復したときに、積立初期の価格まで戻らなくてもプラスの利益になることを丁寧に説明してくれています。
私のように数学が苦手な人には分かりやすい本でした。賢い人には当たり前の話なので面白くないかもしれませんが。
■積立終盤の変動に耐えれる自分を作ること
この本の一番のポイントは、積立終盤での資産変動が大きくなる点を指摘しています。
本の中では、「投資の成績」という表現を使っています。
下落中に量を蓄えると、量が増えているが故に、投資信託でいう基準価額の変動による資産の変動が大きくなります。
最終的にはその変動に耐える必要があるということ。
もしも、積立の最後の方で(一般的には定年退職間際でしょうか?)世界的に調整時期になったとしても、戻ってくることを信じて、ビビッてすぐに解約しないで、必要な分だけを切り崩して換金することを勧めています。
本の後半は、世界的な株式の推移と、世界人口の推移と予測、世界のGDP推移から説明されており、たとえ、2009年に起きた100年に1度のリーマンショックによるGDPの下落でも、翌年には戻っていることを説明されています。
私自身も、この変動に耐えるということをゆっくりと習得していきたいと考えています。
標準偏差からの2σリスクは計算して分かってはいるのですが、やはり投資資金が本当に2σラインを切って3σまで落ちたら焦ると思います。
そこで逃げてはいけないのも分かります。でも本当に逃げずに変わらず積立を継続できるでしょうかね。
私自身が思っているのは、リスク許容だけでは、その時の心の動揺は防げないと思っています。
- 毎日の変動に一喜一憂せずに、数か月に1回、ちょっとだけ資産を確認したら良い。
- 1年に1回だけ確認して、リバランス作業をすれば良い。
というけれど、それは、毎日の変動に一喜一憂して、そして、こんなの無駄なんだなって実体験することが重要なのでは?と考えているわけです。
私自身も過去は一喜一憂していました。最近は、毎日の価格は見るけれど、一喜一憂という感情はどんどん薄れてきています。
今は1か月に1~2回くらい資産計算しています。
それは、リスク資産と非リスク資産に積立をしているので、全資産の把握すると、増えていることを実感できて楽しいからです。
投資のための資産計算というよりも、銀行に積立をして通帳見ながらニタニタしているのに似ていると思います。
銀行の積立は一定額しか増えないので面白くないですが、投資信託やETFの場合は、変化に変動があるのが面白いです。
今は、給与から一定金額ずつ投資信託に積立ができているので、ある程度増えながら変動していくので、面白いのだと思います。
リスク資産がある程度増えていくと、確認する毎の変動が大きくなってくると思うので、そのために心の修業が必要なのだと考えています。
したがって、一喜一憂すれば良いと思うのです。そのスパンがだんだんと大きくなって、最終的に冷静な見方ができるようになれば投資仙人です。
書籍の紹介から、またしても変な方向に話がいってしまいました。すみません。
■最後に
書籍内では税金についても解説されており、iDeCo(確定拠出年金)をうまく利用した方が良い点を解説されています。
iDeCoに関しては、私もメリットを理解しているのですが、やはりデメリットの60歳まで下ろせないというのが何とも引っかかるので...
もう少し子供が大きくなって、家庭内の使途に余裕ができたとき、初めてみようかと考えています。
2018年から「つみたてNISA」を始める人も多くなると思いますし(本当に多くなるかなぁ?)、投資信託を始めようかと思っている人は、積立やドルコスト平均法の理屈を知るために、一度読んでみると良いかもしません。