「従来NISA」と「つみたてNISA」のどちらにしようかと迷っている人も多い思います。
その中で、「従来NISA」をすでに利用している人は、もう一つ大きな悩みがあるはずです。
それが、『ロールオーバー』制度です。
ロールオーバーとは、NISAの非課税期間が5年と決まっているけれど、6年目以降もそのまま移行できるという制度です。
ただし、6年目の非課税枠はロールオーバー分は削られるということです。
そもそもNISAが2種類もあることでも困るのに、従来NISAにはロールオーバーの制度があり、さらに、NISA制度の開始と現在とでは非課税枠(100万円→120万にアップ)が異なっている。
そんな面倒な状況にあるNISA口座のロールオーバーについて、本日は書きたいと思います。
■2014年のNISA枠が2019年にロールオーバー判断
2014年からNISA制度が始まりましたので、最初にロールオーバーが来る年が2019年となります。
先に断わっておくと、私はロールオーバーが2019年にやってきません。
というのは、NISA制度が始まった2014年にNISA口座を作っていなかったからです。
株取引はやっていましたが、NISAというものが良く分からず、様子見していました。
NISAが、非課税枠により投資家にとって非常に優れている制度だということが分かって、2015年の取引からNISA口座を使用しました。
2014年からNISA口座で買付をして、5年間保有している人は、2018年中に5年目に突入します。
ということは、2019年中のどこかで5年間満了(買付日によってバラバラ)して、特定口座に移すか、ロールオーバーして再度5年間の保持権利を選択できるわけですね。
実際には、2019年中での出来事なので、まだ各証券会社では、ロールオーバーの使い方を決めていないようです。
SBI証券のホームページを見る限り、2018年の年末頃にロールオーバーするかどうかを決めれると書かれています。
一括判断なのか、各銘柄等によって選択できるのか、さらに、数量・口数なども細かく設定できるのか、など不明なところは多いですが、2018年秋頃には分かってくるでしょう。
■含み益が出ていたら120万円以上のロールオーバー可能
しかし、この2018年の1年間である程度考えておかなくてはいけないのが、2019年にNISA口座で新規買付したい商品があるのかどうかです。
さらに、2014年の段階では、NISAの非課税枠が100万円でしたが、2019年はこのままいくと120万円となります。
『含み益が出ている場合は、120万円を超えていてもロールオーバーが可能』という話になっています。
逆に、一部利益確定してしまうと、120万円までしか追加投資できないということです。
残念ながら、『含み損がある場合は、追加投資で120万円まで引き上げることができる』ということです。
これらの細かな運用規定も、これから徐々に決まっていくと思います。
というのも、1年間という時間枠があるわけですが、含み益や含み損というのは、時価なので変動します。
5年という期間も決まっているし、ロールオーバーするか否かの判断時期もどこかで線引きをしないといけません。
どのかの時点で判断しないといけないので、判断が非常に難しいと思います。
■2019年に新たにNISA口座で買付したいものがあるか?
とりあえず簡単に考えてみると、「長期投資が基本で利益確定など考えてない人は、ロールオーバーが基本」となるのかな?と思います。
特に大きく利益が出て、非課税枠が大幅に超過した状態でロールオーバーすると、この制度を上手に使っている人で、銘柄選択が上手な人ですね。
逆に、買いたい銘柄・投信・ETFの候補があって、2019年にNISA口座で買いたいと思っている人は、2014年分の利益確定や損失確定をしなければなりませんね。
損失確定はなかなか難しい判断だと思いますが、ダメな銘柄をいつまでも大切にしていても仕方ないので、ここはキッパリ切ってしまって、心機一転というのも良いかもしれません。
含み損がある人よりも、2014年に100万円をNISA口座で投資して、120万円までの含み益の人が一番悩むような気がします。
最大で20万円の新たなNISA枠となりますが、利益分だけ新規NISA枠が減ってきます。場合によっては数万円レベルかもしれませんね。
私は当ブログで、投信や米国ETFなどをお勧めしています。
必ずしも投信やETFでなくても良いと思いますが、長期・分散は投資の基本だと思いますので、NISA口座をうまく活用していければ良いかと思います。
数万円の新規枠しかなくても、投信であれば金額指定ができるので、上手に買付も可能です。
■NISA口座では米国ETFがお勧めかな!?
個人的には、NISA口座の活用で一番のお勧めなのは、米国ETFを買付することです。
なぜ米国ETFがお勧めかというと、①買付手数料が無料であること、②売却手数料はかかってくることです。
①に関しては、特定口座で米国ETFを買付しようとすると、ある程度のまとまった金額で買付しなければ最低手数料が高く、手数料負けしてしまいます。
その点、NISA口座の場合は、少額の買付でも無料なので、少額買付で少しずつ買い増ししていくことが可能となります。
②に関しては、売却手数料がかかるということから、売却の抑止力があります。
利益がでていると、売りたくなるのが人間ですが、海外市場の売買手数料は国内に比べて高いです。
それが、売却時にかかってくるので、売却したい気持ちを抑えてくれているような気がします。
手数料負けしない程に大きく利益が出ていたら抑止力は効かないかもしれませんが、現状の私のレベルでは若干抑止力はありそうな気がします。
■120万円以上のロールオーバーができる投資家は優秀
ロールオーバーのこの記事を書いていて思ったのが、NISA口座を2014年に開設して買付をし、現時点まで全く売却せずに持っている人ってどのくらいいるのかな?と。
まだ1月なので、早い人でも丸4年で、そろそろ5年目に突入といった感じでしょうか。
4年間保有し続けたら、結構な非課税効果を得ているような気がします。羨ましいです。
含み益により120万円以上のロールオーバーが可能で、さらに、2019年からの新規資金はやむ負えず特定口座で運用する人は、本当に素晴らしい投資家だと思います。