NISAのロールオーバーが近づいてきました。
私の場合は、2014年からNISA口座(現状は一般NISA口座)を保有していなかったので、2018年末のロールオーバー判断は迫られていません。
2014年から一般NISA口座を利用している人は、悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
最も悩む人は、現状、一般NISA口座で利益が出ている人かもしれませんね。
■ロールオーバーで120万円の枠が事実上拡大
一般NISA口座は、現状は120万円枠ですが、2014年は100万円枠でした。
100万円から120万円に一般NISA枠が拡大しているので、その点が判断を迷わせる一つの要因かもしれません。
そして、もう一つの悩み点がロールオーバーを利用した場合のみ、一般NISA枠が事実上広がるという点です。
すでに一般NISA枠で保有している銘柄や商品に利益が乗って、時価が120万円を超えている場合、ロールオーバーすると120万円の枠を超えることができるのが大きなポイントです。
これは客観的に見ればメリットなのだと思いますが、一般NISAを10年間での運用を前提に考えているのであれば、特に何も気にする必要がありませんね。
まあ、私の感覚ですと、利益が乗って、時価が120万円を超えていて、銘柄や商品に不満が無いのであれば、ロールオーバーしておけば良いと思います。
というのは、例えば2018年12月末頃に売却して、利益確定したとしても、その投資マネーを何に使うのか?ということになるからです。(投資マネーを利用する用途があれば話は別ですけど)
例えば、時価が150万円で50万円の利益が乗っていた場合、非課税なので、150万円が現金化されます。
でもその後に、また一般NISA枠を使おうとしても、120万円分しか使えませんから、30万円分は課税口座となるからです。
■課税口座に移管する時点で、利益分は非課税確定
逆に、先ほども書きましたが、銘柄や商品を変えたいと考えている場合は、売却も検討する余地があるかもしれません。
例えば、最近流行りのインデックスファンドの手数料(信託報酬など)が下がってきているので、個別銘柄や過去の手数料の高いインデックスファンドから乗り換えたいと思う場合もあるでしょう。
今回のロールオーバー判断によって、銘柄や商品を棚卸できる機会となるような気がします。
ここで一番間違えやすい点を挙げておきます。
先ほどの例と同じく、100万円の一般NISA口座の時価が150万円となっているとします。
課税口座に移すと判断した場合、2018年12月末時点の時価で課税口座に移動するということです。
したがって、150万円ですでに50万円の利益が乗っていたら、利益の50万円分は非課税で課税口座に移り、一切課税されないということです。
この点は誤解が多いようで、課税口座に移るとこれまでの利益の50万円分まで課税されると思っている人が多いそうで、それは間違っています。
正しくは、課税口座に移ってからの利益分しか課税されないということです。
■含み損で課税口座に移管する場合の注意点
もう一つ、注意点を挙げておきます。
仮に、一般NISA口座からロールオーバーしないで、課税口座に移管することを考える場合、含み損をしているケースは要注意です。
なぜなら、例えば、100万円の一般NISA枠を使って投資した銘柄や商品が、80万円まで時価が減っていたとします。(20万円の含み損)
それを課税口座に移すと、移った時点の80万円分になるということです。
課税口座に移ってから、100万まで戻った場合、投資家からすると元金の100万円に戻っただけですが、この制度では課税口座に移ってからの20万円分の利益には課税されるということです。
このパターンに陥る可能性がある人が続出しそうな気がします。
なぜなら、含み損をしている場合はNISAの非課税の恩恵が受けられないから課税口座に移そうと考え、また、損をしているので売却も躊躇するからです。
そうしているうちに、株価が戻って、投資の元金額に戻ったとしても、課税される羽目になります。
そんなことにならないように、含み損をしている場合でも、ロールオーバーしている方が良さそうです。
まあ、この例の場合は、時価が80万円と100万円を20万円分下回っているので、2019年の非課税枠は40万円分利用できるようです。(120万円枠に広がっていることから、不足の20万円+新たな枠の20万円=40万円分)
■まとめ:基本はロールオーバーかな?
本日は、一般NISA枠のロールオーバーのことを書きましたが、これらをまとめての判断としては、銘柄や商品に不満がなければ、利益が乗っていても、含み損をしていても、基本的にはロールオーバーで良いと思います。
逆に、銘柄や商品を変えたいなと思っている人は、この機会に課税口座に移して利益確定をし、さらに120万円分の投資先に再投資するというのが賢いのかもしれません。
私個人としては、2014年はNISA制度そのものに勝手に疑惑を持っていて、NISA口座を開設していませんでした。
今となっては、NISA口座がとても便利なものだというのを痛感させられています。
2014年からNISA口座を使って投資していて、現在も売却しないで、元金100万円分の投資先をどうしようか?と迷っている方は、とても素晴らしい投資家だと思います。
なかなか、5年であっても、バイ&ホールドは難しいものですからね。