なんでも道しるべ

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「投資していることを忘れるくらいが良い」は余りおすすめでない理由

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日本では投資運用を家計に取り入れている人が少ないというのは周知の事実です。

家計統計結果でも、株式や投資信託で資産を保有している割合は10~20%であり、まだまだ貯金が過半数を占めているようです。

子どものことから貯金を植え付けられてきて、今になって投資による運用をした方が良いと言われても、基礎地盤が無いので難しいのだと思います。

そのような人へのアドバイスに、「毎月、積立にように投資して、投資していることを忘れるくらいが良い」という言い回しが目立つようになってきました。

これって本当に良いアドバイスなのか?と私は思います。

本日は投資のするための心構え(?)について書きたいと思います。

■資産運用による貢献

貯金で資産を形成している日本人は多いです。

でも、貯金はお金が自分の資産だけに留まるので、社会のためにならないということで、投資を勧められています。

投資は社会の発展のために貢献するだけでなく、その企業活動によって得られた利益がリターンとして出資者に戻ってきます。

それにより、社会の発展と、個人の資産増大の両方が相乗されるので、両者に良いと言われています。

しかしながら、企業活動にもリスクが伴うので、同時に個人の資産運用にもリスクが発生してきます。

貯金の場合は、元本割れというリスクが無いので、その分、利子が非常に小さいということになります。

実際には貯金であっても、預け先が運用しているわけですから、社会の発展に寄与していると考えられますが、国民が株主であるのと、企業や機関投資家が株主であるのとは、投資先の企業のスタンスも変わってくるでしょう。

日本企業の内部留保が多いのは、そのためだと私は思っています。

まあ、これらの構造的な部分に関しては専門家の方々が書籍になどで書かれているので、お任せをして、私のような素人投資家サイドから見ると、個人の資産形成のアドバイスに違和感があります。

■リスク許容度

日本人は貯金が大好きな人が多く、貯金である程度大きな資産を蓄えた人の成功例を見ると、「毎月、定期的に給与振込の口座から自動振替で積立をしていたら、気が付いたら結構溜まっていました!」という経験論が多いです。

そうだと思います。一番の積立手法だと私も思います。

やはり積立を成功させるには、定期的に自動振替で積立することが最も良い方法だと思いますから。

でも、これを株式や投資信託等の資産運用に当てはめて、「毎月、積立にように投資して、投資していることを忘れるくらいが良い」というアドバイスは不適格だと思うのです。

なぜなら、投資総額を見なくて一生過ごせる人はいないと思いますし、大きな下落ショックがあると見てしまうからです。

積立投資を始めた頃は、総額も少ないので株価などが変動しても投資総額として大きな値動きとはなりませんが、投資総額が大きくなると、それなりに変動が起きます。

日々、1%程度の値動きなんて頻繁に起きますし、小さな○○ショックなどが起きると1日で5%程度下落することもあります。

その変動を許容しながら、年率として3%や5%や7%などのリターンを得るようにポートフォリを組むのが投資なのですから。

例えば、10万円程度の投資総額であれば、1%で1,000円ですし、5%下落でも5,000円程度の損で済みます。

その程度であれば、投資をしたことなかった人でも、損失にあまり動揺しないでしょう。

それが、投資総額が増えきて、100万円になると5%下落で5万円の損失、1,000万円になると5%下落で50万円の損失になります。

日々の値動きで1%程度は良く動きますから、100万円の投資であれば1万円程度、1,000万円の投資であれば10万円程度は日々変動しています。

これらを許容できてこそ、株式などのリスク商品への投資ができるのだと私は思っています。

この程度の値動きが許容できずに、動揺するのであれば、自分自身のリスク挙動度が低いと認識するべきだと思うのです。

■リスク許容度アップのトレーニング

かといって、誰もが最初から、数万円の値動きや、小さな市場ショックでの数十万円の損失に許容できる意志があったのかというと、それも違うと思います。

私自身も最初の投資総額は20万円から始めましたし、今はそれに比べると何十倍もの投資資産を眺めていますが、徐々にリスク許容度が上がってきたと思います。

それは、投資を続けることで、値動きに慣れてきたということもありますし、何年や何十年に一度の○○ショックも何度が経験すると、その後の市場がどうなっていくのかが少し考えられるようになって、落ち着けるようになってきました。

まだ、様々な書籍から、過去の歴史や経済の知識を頭に入れていくようにしているのも、リスク許容度アップのためには必要なことなのだと感じます。

投資を始めた20代最初の頃では。考えられなかったリスク許容度だと思います。

したがって、「投資していることを忘れる」というのはあまりお勧めできません。

投資総額がある程度増えた時に、リスクに対して自分のなかで整理ができていないと、結局は、大きな市場下落によって狼狽売りをするはめになり、損失確定してしまうからです。

それよりも、自分の積立額が投資総額をきちんと認識し、たまに資産推移をチェックして、リスク許容度を上げるトレーニングをした方が、資産が増えた時の備えになり、将来のためだと思います。