「つみたてNISA」に向けて、金融業界ではファンドの手数料を下げる動きが活発化しています。
インデックスファンドは手数料の見直しを一生懸命やって、つみたてNISAの要件に合致するように努力をしているようです。
アクティブファンドはなかなか難しいのか、要件に合致するファンドが少ないようです。
難しい要件の一つには、やはり手数料があるようです。
そのアクティブファンド要件に関して、金融業界から恨み節が出ているようで、それをインデックスファンドを一押ししている山崎氏が一刀両断している記事がありました。
なかなか面白い記事でしたので、できれば、全文読んでいただきたいと思います。
山崎氏も、日本経済新聞の投資情報面にある「一目均衡」というコラムに掲載された、「つみたてNISAの違和感」(2017年10月17日朝刊19面、執筆者は証券部次長の山下茂行氏)を引用しています。
私が引用すると引用×引用になって、読みにくいと思いますので、面白い段落だけ引用します。
面白い部分は下記のところです。私は2回読み返しました。
■無知でないとしたら、嘘つきだ
はっきり言う。アドバイザーの立場で(『日本経済新聞』にも投資家への適切なアドバイスが期待されていると言えよう)、アクティブ投信を顧客や一般投資家に勧めることは正しくない。
理由は、運用成績が相対的に優れたアクティブ投信を、事前に選ぶ方法が無いからだ。
そうであるにもかかわらず、相対的な手数料が高いアクティブ投信を勧めるのは、無知或いは無責任であるか、確信犯的な嘘つきだ。
誰が、どのようにして、優秀なアクティブ投信を事前に選ぶことが出来るのか、という議論を回避して、「優秀なアクティブ投信があるかも知れないのだから、排除するな」と論じるのは不適切だ。
他方、手数料が高いことを知りつつ、同時に、将来優秀な成績を得る投信を選ぶことが難しいと知りつつ、アクティブ投信を「自分で」選ぶ投資家がいても、それは、その人の好き好きだろう。
「つみたてNISA」のような投資入門者に普及させようとする制度で、手数料が高いアクティブ投信の大半を対象から除外したことは、適切だと筆者は考えている。
(引用:日経コラム「つみたてNISAの違和感」に対する私の違和感「アクティブ投信も必要」ってホント?、講談社 オフィシャルウェブサイト、2017/10/21)
■怒ってますね!分かる気もする
山崎氏は楽天証券のコラムでもアクティブファンドが嫌いとは言ってないです。逆に個人的にはアクティブファンドを選ぶのは好きだと言っています。
ただ、他人に勧めるのには、アクティブファンドは絶対に勧めないと言い切っています。
それは、「手数料」が高いからだそうです。
手数料は確実にリターンをマイナスにします。
その確実にマイナスになることを承知の上でアクティブファンドを選択するのは、ある一部の個人投資家で良いと言っています。
それは、私のようなブロガーの方々であると明言されています。(私が弱小であるかどうかは置いておいて)
今回の記事は、かなり厳しい言い回しをしました。「無知」または「無責任」または「嘘つき」だと。
購入手数料を得るために他ファンドを勧める営業や、このように手数料の高いアクティブファンドを勧める営業にかなりイラついているようです。
まあ、このイラつきは山崎氏だけでなく、金融庁長官も怒っていますね。
これまで、預金と保険しか運用したことない大半の日本人に、「つみたてNISA」を使った投資を進めるには、確かにアクティブファンドを選択させてはいけないと思います。
でも、私が当ブログで書いているように、「ひふみ投信」や「セゾン投信」は過去のリターン結果が良いんですよね。
私も悩んでるので、それを金融業界のプロの方々から推薦されたら、そっちに行ってしまうかもしれません。
アクティブファンドの過去データなんて、将来において何の役にも立たないと、研究報告されているのに。
■「つみたてNISA」は失敗できない
これからは、私の個人的な意見が含まれてきますが、「手数料」に関しては、運用会社で働いている人達も生活があるので、若干仕方ないところがあると思っています。
ただ、儲ける方法がちょっと間違っているかな?と思います。
- 手数料が高い ⇒ リターンが低い ⇒ 元本割れすることがある ⇒ 狼狽売り ⇒ 株は怖い
基本的にはこのような流れが一般的で、日本人の中では、投資は浸透してないと思っています。
もっと、根本的には、投資信託をやったことがある人ってどのくらいいるのだろう?
ほとんどいないのでは無いでしょうか?
退職金や遺産などで、多くの資金を手にしたひとが、これまで株投資をしたことないから、プロに任せようと思い投資信託の窓口を訪れる人が多いのかな?
個別株は趣味でやるけど、投資信託をそれも積立でやっている人は少ないかな?って思います。
- 投資する人口が増える ⇒ 手数料が安くなる ⇒ 元本割れすることが少なくなる ⇒ リターンが少ない時期でも我慢できる ⇒ 資産増える ⇒ 皆もやる
私はこのようになることが良いと考えており、最初はやはり投資する人口が増えることが必要なのでは?と思っています。
今回の「つみたてNISA」では、まだ投資人口が少ない段階なのにも関わらず、手数料を安くするようにと、金融庁が無理やり進めました。
この無理やり感は、なかなか面白いものがありますが、これまで手数料で儲けてきた金融業界は別の手を考えるのでは?と思ってしまいます。
それが、顧客本位のサービス向上に繋がればよいのですが、結局、「つみたてNISA」が広がらなかったらどうするのかな?
当ブログでは、私の悩みでアクティブファンドも紹介していますが、私も誰かに勧めるのなら、楽天・バンガードのVTI(全米)かVT(全世界)を勧めるような気がします。
それでも、手数料は0.16%(税抜)取られますし、さらに実質コストは蓋を開けてみないと分かりません。
日本人が一番嫌がるのが「元本割れ」です。
日本円の「インフレリスク」を肌で感じていない日本人に(私もそうですが)、「元本割れリスク」の投資信託を浸透させるには、かなり大変だと思いますよ。