受験は数学で勝負が決する。
これって受験業界では当たり前のことみたいなのですが、意外と知らない受験生も親も多いのが事実です。
私も数学よりも英語の方が文系・理系に関係なく、必ず必須の教科ですし、私立で受験科目が少なくても英語は必ずいるので、英語の方が重要だと思っていました。
共通受験科目という点では、英語ができないとダメージを受けることは確かですが、実際のところでは、英語で合否を分けるのではなく、数学で合否が分かれるようなのです。
というのも、同じような学力の人の場合、数学以外では同じような偏差値であっても、数学では大きな学力差が出てしまうのが事実みたいで、それで合否が決まってしまうようなのです。
一つは、いくらマークシートであっても偶然正解するというのが少ないのが数学の特徴。
なので、昨年度に起きた、数学の難化によって、たとえ東大受験生でも大きく点数を落としてしまいます。
さらに、数学の勉強量と範囲の問題です。
高校で学習する数学の範囲は量も難易度もかなり高いです。
逆に中学で学習する内容が余りにも薄いので、高校3年間は中学数学の10倍くらいあると言われています。
理系の場合は、数Ⅲまで必要になりますから、もう数学が受験勉強の中心科目になるのは仕方ないんですよね。
文系志望の人の場合、数学が苦手だから文系に行くって言う人も多いですから、それでも私文じゃなければ数学が必要になります。
最近は、経済学部でも数学を入試科目に入れるように通達が出ているくらいですから、もう数学は受験には切っても切れない関係になっていると思いますね。
■英語の先取りは誰でもできる
大学入試の重要科目って言われると、英語と数学です。
まあ、この2教科は大学入試だけではなく、高校入試でも大事なことは変わりないのですが、大学入試では高校入試よりもこの2教科にかかる時間は膨大です。
内容も難しいですし、量も多いので、仕方ないという感じです。
けれども、英語と数学で圧倒的な違いがあります。
それは先取り学習がしやすいかどうか。
英語って、結局は語学なので、先取り学習がやりやすいです。
究極論をいうと、文法をしらなくても、英単語と表現をコミュニケーションが取れるほど知っていたら、リーディングは闘えたりします。
さらに、リスニングは受験勉強で養わなくても、日常生活でも十分に勉強できます。
もちろん、専門用語になると難しくなるのは確かですが、それって英語の問題ではなく、背景知識を知っているか否か的な部分もあります。
なので、英語って非常に先取りがしやすいです。
対して、数学はもの凄く先取りが難しい教科だといわれています。
■数学の先取りが一番難しい
高校数学の学習内容をまともに高校生活でやろうとすると、受験に間に合わないと言われていますから、数学は先取りした方が良いとされています。
けれども、本当に先取りを自ら出来ている人ってほんの僅かみたいなのです。
実際先取り出来ている人って、中高一貫校で学校の進度が速い人が大半のようで、自ら先取り出来ている人なんてとても少ないと思います。
それこそ、スパルタ的な塾で指導を受けている場合じゃないでしょうか。
また、高校受験をする中学生の場合、とりあえずは先取りよりも目の前の受験を乗り越えるのが大切なので、先取りなんてしている暇はないですよね。
それでも先取りができているのなら、本当に優秀な人だと認定できるくらいです。
なので、ほとんどの人は、非常に難しいとされている高校数学の内容を高校時代に勉強することになります。
他の教科も勉強しないといけないという焦りもありながら、膨大な数学を勉強するのですから、数学で差がついてしまっても仕方ないですね。
■知っていれば対応は変わったと
数学で勝負が決まると言われても、それを現実に実体験するのは、実際に受験勉強を始めて、さらに模試テストなどで偏差値や順位が出るようになってからです。
受験は、何年も、何度も経験するわけにはいかないので、数学が最も大切だと知った時にはすでに遅いということが大半ではないでしょうか。
これを塾関係者はみんな情報として発信していますが、それを知っている人もごく一部ですし、実際に動き出すひともさらに一握り。
なので、数学の大変さと大切さを知らないで受験生に突入することになります。
私も数学の大切さを知らなかった一人なので、これを知っていたら、小さいころに算数だけは公文に入れていたと思います。
結局、算数からの積み重ねなので、年齢が低い時に何をやったかで決まるような気がしてなりません。
英語はさせていましたが、数学はあまりさせていませんでした。
いまとなっては一番の後悔かもしれませんね。