週明けの米国株市場は何だか変な日でした。
変というか、今年初旬の相場に戻った感じもしました。
というのは、NYダウが軟調、加えて、S&P500も軟調、ラッセル2000の小型株も軟調、けれども、NASDAQ100は微妙にプラス、その訳は大型テック株が良かったからです。
特にエヌビディアの上昇が良く、半導体指数のSOXはあまり良くなかったのですが、エヌビディアだけが堅調というか大幅上昇だったので、エヌビディアの上昇分を他の半導体銘柄が食ってしまったという結果になりました。
このようなビッグテック銘柄だけが好調で、あとは全て軟調という相場は昨年や春先には良く見られた光景です。
なぜこのような状況になるのか?
答えは、米国債利回りの上昇にあります。
国債利回りが昨日はすこぶる上昇していました。
おそらく、米国の経済が好調で、雇用も悪くなさそう、だからFRBの利下げは思ったよりもゆっくりと行うのではないか?という思惑が出てきたということでしょうね。
8月の雇用統計の失業率では思いのほか悪い結果が出てきて、サームルールも点灯し、これは遂にリセッション突入か?という話が出てきて、さらに、利下げのスピードも上げなければならないということになっていましたし、前回のFOMCでは一気に2回分の利下げも現実に行いました。
そして、今年はあと2回FOMCがありますから、それぞれで0.25%下げて、合計0.5%下げるだろうという話で相場は進んでいたのです。
けれども、出てくる出てくる経済指標が結構堅調で、それほど悪い結果ではなく、失業率も急激な上昇にならないということから、利下げスピードが遅くなる、ゆえに、国債利回りが上昇するということになっていると推測できます。
金利と株価はシーソーの関係ですから、国債利回りが上がってしまうと、株価が軟調になるのは仕方ないですよね。
だったら、なぜ、ビッグテック企業は上昇しているのか?
■ビッグテックは金利なんて関係ない
昨年までの高金利状態でもビッグテック銘柄は絶好調に上昇していましたが、それは何故なのか?という話がちょくちょく聞こえます。
私の理解を簡単に説明すると、利下げがあると株式市場には好影響があり、特に、融資で調達しているような中小型銘柄は金利が下がるので利益が上がるということで恩恵が特に大きい。
対して、ビッグテック企業というのは、それほど資金繰りに困っておらず、金利が上がろうが下がろうがそれほど影響はない。
だから、昨年までのように高金利であっても、企業業績が好調であれば、ビッグテック企業は買われていくという構図になる。
今回、金利がハイスピードで下がるかもしれないということで、ラッセル2000銘柄が買われていましたが、その利下げスピードが落ちつくということになれば、昨年と同じように業績見合いでビッグテック企業に資金が集まるのは当然ということになります。
FRBと喧嘩しないように、利下げ局面でのポートフォリオにしていた人が、一転、やっぱり業績が良さそうな銘柄を買っていこうという話なのだと思いますね。
■為替が再び150円台へ
私自身の場合、S&P500や全米株式などのインデックスにも投資していますし、NASDAQ100やFANG+などのインデックスにも投資しています。
このような状況の場合、FANG+は絶好調に上がっていくのですが、S&P500やNASDAQ100はあまり堅調に上がらなくなってきます。
レバナスよりもFANG+の方が上昇しているというのは昨年までの結果であり、それがまた起きるかもしれません。
あとは、為替も結構動き出しましたね。
米国利下げが遅くなるかもってことになると、ドル高円安になってもおかしくありません。
さらに、日本も利上げを慎重にしようという話になっていますし、150円を再び超えても、一回は口先介入がありましたが、もう一回超えた時にはスルーでしたからね。
ドル円と株価って結構シビヤに動きますから、下手なことをすると、株価が大暴落というのが日本市場で良く起きることです。
それだけ業績よりも、金融政策で相場が成り立っているってことでしょう。
米国のビッグテック企業のような金利にも左右されない企業があれば、それは強いのだと思いますが、日本の企業は、結局は為替差益で成り立っている状況ですから、仕方ありません。
日本人はお金を使わないですからね。
内需が弱ければ、外需に頼らざるを得ない状況になります。
そうなると、おのずと為替の影響を受けるってことになりますから、当たり前の相場なんだと思います。
あとは、外国人投資家が多いですからね、ドル建ての日経平均で見ないといけないと思っています。