12月のボーナス(賞与)時期となりました。
12月10日前後に支払われる会社が多いようなので、10日の週は嬉しい気持ちになる人もいれば、去年より下がって悲しい気持ちになる人もいるかもしれません。
ボーナスが無いという会社もあるので、ボーナスを貰えるだけありがたいのですが、一部上場企業の賞与平均額が昨年よりも上がっているというニュースがあると、羨ましいとも思えます。
賞与平均も90万やら100万円やらといった数字が記事になり、「俺はそんなに貰ってないぞ」と憤る人も多いと思います。
私自身、一部上場企業の総合職ではありませんから、そんな額はもらえません。
でも、大企業の総合職に勤めていないから故に、夫婦正社員共働きが成立できるのかなと考えると、今の賞与水準にそれほど大きな不満がないのも事実です。
ただ、それは1つの会社からの貰える額に不満がないのであって、自分自身の総所得や世帯所得は上げたいという向上心はあります。
その辺りの意識は区別しながら、自分自身と家族の成長を考えていかなくてはいけませんね。
さて、ボーナスという、まとまった金額を手にすると、その使い道に悩むものです。
住宅ローンを抱えている人は、元金を減らすために、「繰り上げ返済でもしてみるか?」と考える人も多いでしょう。
でも、ちょっと待ってください!
本当に、繰り上げ返済しても良いのでしょうか?
住宅ローンは負債であることは確かですが、その負債にあまり固執すべきではないと私は思っています。
本日は、ボーナスの使い道として、住宅ローンの繰り上げ返済について考えてみます。
■住宅ローンと各種借金を一緒にしない
人は負債を非常に嫌がります。
負債といえば借金を連想しますが、俗にいう借金と住宅ローンは別物だと考えるべきだと思います。
負債を気にするのは、人として平常なことです。
借金を気にしない人は、人にお金を借りても返さない人や、高金利の消費者金融をすぐに利用してしまう人や、クレジットをリボ払いにする人になってしまいます。
これらに当てはまる人は、お金の感覚を見直さなくては不幸になる可能性が高いです。
しかしながら、これらの借金と住宅ローンを一緒に次元で考えて良いでしょうか?
世の中には、同じように考える人もいますが、私は全くそう思っていません。
なぜなら、住宅ローンには担保と保険と信用がついているからです。
各要件をクリアしているから、金利総額は大きいですが、低金利かつ長期間で高額のローンを組ませてくれるのです。
■せっかく借りた住宅ローンを早く返す必要があるのか?
例えば35年ローンを組んでいる場合、銀行は「35年かけてゆっくり返してくれたら良いです」と言ってくれています。
40歳で35年ローンを組んでいる人は、返済年齢が75歳になるので、「75歳まで働いているわけないでしょ。これでローンが組めるのはおかしいだろ。だから早く返済しないと。」という思考になりますが、そうではありません。
住宅を購入しても、賃貸で生活していても、住居費はかかるので、75歳で働いていなくても住居費はかかるかわけです。
また、勤め先の情報も出すことになりますが、退職金もきちんと念頭に入れられています。
そして、極めつけは担保がしっかりと付けられ、外部機関の保証もついており、保証人まで確保されているのですから、住宅ローンを借りられることは容易ではないのです。
したがって、せっかく借りた、低金利の長期間ローンをそう簡単に元本返済する意味が無いと思っています。
■繰り上げ返済を実行する前に再確認したい2つのポイント
それでも、「負債は嫌」だと本能的に嫌気がさす人は、下記のことをしっかりと確認してから、ボーナスを繰り上げ返済に使った方が良いです。
■1.住宅ローン減税の金額の確認
住宅ローンを借りた年から10年間は、年末のローン残高の1%が所得税から減税されます。(消費税が10%になると、さらに3年延ばす検討をしているようですが・・・)
繰り上げ返済をすると減税される金額も減ることは当然なので、繰り上げ返済することがお得なのかは確認した方が良いです。
今の低金利の時代だと、金利1%以下で住宅ローンを組んでいる家庭も多いと思います。
であれば、まずは住宅ローン減税を使い切った方が賢明かと思いますが、それは働き方と扶養控除によっても変わりますので、自分自身でしっかりと確認が必要です。
我が家の場合は、夫婦で連帯債務にしていますから、現状の住宅ローン残高では、昨年の所得税が数千円でした。
今年はiDeCoにも加入したので、さらに控除が増えて、所得税は0円になるでしょう。
また、引ききれなかった減税分は住民税からも引いてくれる制度になっているので、節税効果は高いです。
特に共働きの人は、節税効果が高いので要注意だと思います。
■2.団体信用生命保険の強み
私が住宅ローンを繰り上げ返済したくないと思っている一番の理由が、団体信用生命保険(団信)があることです。
これにより、債務者に万が一のことがあると、住宅ローンが無くなるという優れものです。
住宅ローンが多額で残っている人こそ、この団信の強みが発揮されています。
繰り上げ返済の効果は元金が多い人こそ効果は高いと言われていますが、この低金利の時代では、高金利の時に比べて効果は薄まります。
したがって、繰り上げ返済することで安心するようですが、手元資金も減ってしまって、逆に万が一の時のことを考えると逆に不安になるものです。
■繰り上げ返済をする前に、やるべきことはあるはず
住宅ローンの本質を見極めずに、単に負債=借金だと思い込んでいる人は、もう一度ゆっくりと考えた方が身のためです。
同じような話で、無金利の奨学金を繰り上げ返済している同僚もいました。
負債をもっていることに不安や恐怖を感じることは悪い事ではないですが、もっとしっかりとお金のことと、家族の安らぎを考えなくてはいけません。
手元資金を持っておくということは、いざとなった時に、資金を投入できる強みがあります。
そのような資金を持っていないことの方が不安です。
収入と負債と資産を家庭バランスシートで確認できる心のゆとりが必要だと思います。