老後2000万円問題から数年が経ちますが、数字独り歩きから、ようやく落ち着いてきたような気がします。
最近はコロナ禍なので、老後のことを考えている余裕のない人もいるでしょう。
今を生きる金が必要だということ。
またコロナが落ち着きをしてきたら、以前のように、老後だの、健康だの、インフレだの、医療だの、そのようなフレーズが飛び交うのでしょうね。
その時になって、またバタバタと2000万円を意識しても遅いです。
老後までの日数・時間は待ってくれません。
みんな平等に与えられた条件です。
この条件下で、いかに2000万円を貯めることができるかを考えるべきかと思います。
■資産の区切りは100万円?1000万円?
さて、現役の世代からすると、2000万円なんてほど遠い数値分からないわというのが正直なところでしょう。
おそらく、目の前のキリの良い数字を目標にされている人が多いと思います。
例えば100万円、1000万円などです。
貯金がゼロの人は3割くらいいるという推測ですが、その方々はまずは100万円の貯蓄を目指すべきです。
収入は各人異なりますから、月収が高い人は100万円なんてすぐに貯まるけど、散財しているから貯蓄ができないという人はいると思います。
対して、月収が低い人は、毎月の貯蓄額も低くなるので、散財はしていなくても、なかなか貯まらないという人もいると思います。
それぞれにおいて、やるべきことは違ってくると思いますが、目標を持つことは大切です。
■お金に働いてもらう
100万円の次の区切りといえば1000万円です。
私の感覚では、現役若手の場合、1000万円を貯めようと思うと、貯金だけではしんどいのではないかと思うのです。
やはりお金に働いてもらうという資産運用を利用することが大切だと思います。
ただし、働いてもらう限りリスクはあります。
それは自分自身が時間と体と頭をつかって働いているのと同じです。
お金に働いてもらう限り、無傷ではすまず、損する時も当然あります。
それを乗り越えて、自分自身以外の収入のアテを得るのです。
では、周りの人で、1000万円を持っている人は、どのような資産配分をしているのか?という疑問に対し、アンケート結果がありましたので、紹介します。
■1000万円以上の資産の人は株式や投資信託を持っている
このアンケート結果は貯蓄1000万円以上を持っている人の結果です。
所有している金融商品は次のうちどれか?という質問で、複数回答可ということです。
- 株式 62.4%
- 投資信託 50.0%
- 不動産 29.4%
- 現金しか持っていない 19.1%
- 債券 15.5%
- FX 15.5%
- その他 6.2%
やはり、株式や投資信託を所有している人が半分以上いました。
複数回答可なので、andとどちらか片方の人がいると思いますので、100%は無いとしても、8割くらいは株式か投資信託の片方もしくは両方を持っていると推測できます。
逆に、現金しかもっていないというのは2割未満という結果です。
当たり前ですが、全部を投資に回すというのは高リスクであり、あり得ないアセットアロケーションです。
たとえ、株式や投資信託を持っている人でも、必ず現金によるバッファーはあります。
また、生活防衛金でもありますから、現金を持つ意味というのは重要です。
ただし、現金100%というのは、逆の意味でインフレリスクですし、資産がほとんど増えないので、それも考えものです。
今回の結果により、現金だけで1000万円を作っている人はかなり少ないということが分かったと思います。
■資産が少ないから投資できない?
他の調査によると、日本人の投資資産の割合というのは、10%台という結果が多いです。
先ほど紹介した数値と大きな差が見られます。
これに関しては、やはり1000万円未満の資産の人は、貯金中心の資産管理をしている人が圧倒的に多いことが分かると思います。
資産が少ないから投資ができないのか、投資ができないから資産が少ないのか、解釈は異なってくると思いますが、事実としては資産が少ない人は投資も少ない傾向にあるということです。
資産を増やすには貯金だけでは難しく、運用しなければならないということが良く分かります。
それは単にリスク商品を買っているからリターンがあるだけと思っている方が多いと思いますが、その考えは間違っており、たとえ株価の上下にともなうキャピタルゲインがなくても、配当などのインカムゲインのために株式や投資信託を持つ意味というのがあります。
資産運用は金利の複利が基本です。
銀行金利が低金利である以上、インフレリスクのある現金で保有しておくのは、かなりリスクが高いです。
もちろん現金は株価のように時価で上がり下がりしませんが、それを受け入れることが出来る人が高い金利を手にして、複利による資産運用ができます。
その点はもっと意識して勉強すべきことかと思います。
できれば当たり前のように資産運用が日本人に根付けば、もっと会社の体制や社会の仕組みが良くなると思うのですが。