なんでも道しるべ

広義の投資(子育て教育、英語教育、資産形成、NISA、iDeCo)に関する道しるべ!だいたい毎日19時に記事更新‼(たまに不定期に更新!?)

金融庁が掲げる共通KPIで「本当に投資が広がるのだろうか」と疑問に思う…

f:id:anyguidepost:20181116185224j:plain

先日から、金融庁が公表した共通KPIの結果について紹介しています。

金融庁が共通KPIを公表!投資信託のコスト・リターンのプロットで明確な差が出た・・・ - なんでも道しるべ

金融庁が公表!運用損益別顧客比率トップ3は直販投信の3社が独占! - なんでも道しるべ

私もここ数年で投資信託・ファンドを利用させてもらって資産形成しており、様々な指標や比較はとても参考になります。

本日は金融庁から公表されたKPI好事例について挙げてみたいと思いますが、これで投資が広がるのかな?と少し疑問です。

■なぜ共通KPIが必要なのか

株式投資というと「個別銘柄を選別して投資する」という感覚が今も根強く残っていると思います。

私自身も時間と分析能力があれば、また個別銘柄に挑戦みたい気持ちもありますが、サラリーマンであるので時間が限られていることや、リスクをできるだけ抑えたいという気持ちと、運用期間を長く取れるという年齢的な利点から、投資信託を利用するのがベターだと判断しています。

ただ、投資信託といっても、国内だけでも6,000本あるらしく、設定しては償還する、を繰り返しているようです。

また、投資信託といっても、インデックス・アクティブの運用方針の違いや、株・債券・REIT・金などの投資対象に差があるように、縦と横にプロットすると非常に広範囲に渡ります。

「結局何が良いのか分からないから手を出さない」という人が多いのではないでしょうか。

「でも、貯金金利が低いから投資した方が良いと思って」と銀行の投信信託窓口を訪問する人が多いようです。

このような状況をビジネスチャンスと捉えて、話題のテーマ関連ファンドや、手数料ジャブジャブの商品を開発し、手数料商売をする販売会社が多かったようです。

私自身、手数料を取るという行為は別に悪いとは思っておらず、手数料に見合った仕事をしていただければ十分かと思っているのですが、手数料徴収を目的に回転させるのは良くないですね。

そんな業界事情もあり、投資から距離を置く国民に、少しでも投資をしてほしいという考えから、金融庁は共通KPIという指標を掲げているのだと思います。

金融庁は当然ながら国民を手数料徴収で騙すつもりではなく、適切なファンド運営を促す名目だと思いますが、業界特有なのか、複雑で分かり難い雰囲気がします。

ファンドマネージャーやアナリストは高学歴の人が多く、国家公務員も高学歴ですが、一国民からすると、業界全体で何か騙してない?と勘繰られそうなほど複雑に感じます。

特に、投資は元本割れリスクがありますから、リスク×複雑の図式がなかなか近寄りがたい感じですね。

前置きが長くなりましたが、金融庁が公表した資料の中に、「当庁が好事例として挙げた自主的KPI(平成30年10月時点)」というものがありました。

紹介してみようと思いますが、初めて見た人は「言葉が難しい」と思うかもしれません。

私も、分かるような、分からないような、言葉は知っているけどそれが示す本当の意味までは分からないな、と思えるようなものが多かったです。

スマホ料金体系も複雑で、利用者は理解できず、従業員も理解してない人もいると指摘されるくらいですから、投資信託やファンドの商品比較に関しても、もう少し分かりやすい指標は無いのかな?と個人的には思います。

■金融庁が公表した好事例など

早速、金融庁が公表した好事例のKPIについて下記に挙げます。

「そもそもKPIって何だ?」と思うかもしれません。私も最初そのように思いました。

KPIとは、「Key Performance Index(キー・パフォーマンス・インデックス)」の略だそうで、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の定着度合いを客観的に評価できるように示されたものらしいです。

ここから駄目だなと感じます。英語というとか、カタカナが多いです。

苦言はそのくらいにして、公表事例を挙げます。

・主に販売会社において好事例と考えられるもの

  • 投資信託の運用損益別顧客比率
  • 投信信託の販売額上位商品、その販売額/構成比
  • 投資信託における長期・積立・分散投資の状況(例えば、平均保有年数、販売に占める積立投資信託の割合、コア商品比率、資産形成に資する投資信託の残高)
  • 投資信託販売に占める毎月分配型販売額/構成比
  • 投資信託残高に対する分配金の割合
  • 投資信託の販売額に占める自社グループ商品の比率

・主に運用会社において好事例と考えられるもの

  • 投信評価会社のレーティングを活用した自社ファンドのレーティング状況
  • 自社ファンドの運用資産別平均シャープレシオ
  • 自社ファンドのシャープレシオ等に関する他社ファンド平均との比較

・特に投資信託の直販を行う運用会社

  • インベスターリターンと基準価額の騰落率の差

■本当にこれで投資が広がるのかな?と疑問

好事例のリストを挙げてみましたが、私の場合は、言葉で見ても、結局何を示そうとしているのかが直感では分かり難いです。

一つひとつの項目をじっくりと考えれば、「うん、なるほど」と思えますし、さらに数値を見れば何を言いたいのかは分かってきます。

ただ、この『じっくり見れば』という行為は、投資に興味がある人でないとなかなか難しいのではないか?と思えるわけです。

「とりあえず何でも言いから損したくない」と考える人が大半で、投資している以上はあり得ない意見なのですが、そんな方々に数値や指標や比較をしても、おそらく理解はされないでしょう。

説明する土俵が違うわけですから、話がかみ合わないというか、平行線ということになるのだと思います。

比較しやすく、分かりやすい指標として共通KPI等は良いと試みだと思いますが、ちょっと視点を変えたコマーシャルが必要なような気がしてなりません。