なんでも道しるべ

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遂に壁を超えたeMAXIS Slimの本気度!信託報酬0.088%(税抜)は破格である

米国株式指数の一つである「S&P500」ですが、インデックスファンドや米国ETFを使って投資をしている人にとっては基本中の基本の指数です。

国内でも以前はS&P500連動型の商品は数が少なく、あったとしても信託報酬が高いか、取引数が極端に少ないなどの問題がありました。

以前といっても、ここ2~3年前の話なので、最近です。

「つみたてNISA」や「米国投資」が流行ってきた近頃では、このS&P500の人気が急上昇となっています。

そうなると顧客を抱え込みたい企業にとっては、何とか投資者の数を増やしたいという思いが出てきて、競争が生まれます。

特に積立投資の対象になると、特別な営業をしなくても、費用が毎日・毎月・毎年入ってくるわけですから、いかに積立設定させるかがポイントとなるでしょう。

そうなると、インデックスファンドの場合の競争指標は「信託報酬」になるわけです。

比べるポイントは他にも当然あり、純資産総額や指数との乖離度や実質コストなども確認が必要ですが、大手がやっているインデックスファンドであれば、それほど驚くほどの欠点はないです。

結局は、信託報酬の手数料額が決め手になるのは間違いないです。

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今回、あの有名なeMAXIS SlimシリーズのS&P500が、やはり信託報酬を下げたということで大きな話題になっています。

■eMAXIS Slimが追従したのはSBIのあの商品

以前の記事で、「SBI・バンガード・S&P500・インデックス」を紹介しました。

このインデックスファンドの信託報酬が破格で、いわゆる0.1%の壁を切ってきました。

信託報酬が0.088%(税抜き)という驚異的な安さです。

このインデックスファンドは、米国ETFであるバンガードの商品を買い付けることを基本にしています。

よって、税金のことを考えると、話がややこしくなるので、税抜きで示します。

先日、業界最安値を目指すと言っているeMAXIS Slimがこの信託報酬を追従する安さを発表しました。

同じく、信託報酬が0.088%(税抜き)と示されました。

■eMAXIS Slimの追従判断が遅くなった理由

インデックス投資家は、この発表を待っていたので、かなり騒ぎ経っています。

安さの驚きもありますが、インデックスファンドとしての位置関係での追従に驚きがあるので、騒いでいるのだと思います。

これまでなら、eMAXIS Slimも安値の追従も早く発表されていましたが、今回は発表までに時間を費やしました。

その決定に時間がかかったことが、0.088%という安さを際立たしています。

おそらくインデックスファンドをやっていくのに、ギリギリの報酬なのでしょう。

その理由として、SBIの方はバンガード社のETFを売買することで、インデックスファンドを運営していきますが、eMAXIS Slimの場合は自身でS&P500指数を組成していくことの差があるからだと思います。

ETFを買う・売るだけと、自ら指数を組成して乖離を減らす運営では、全く違うと思いますから。

特に、日本人は投資に馴染みが薄く、低信託報酬で運営が難しい面があります。

純資産総額×信託報酬が売上に直結するわけですから、どちらかを頑張ることが必要になってきます。

信託報酬が安値合戦になっている現状、純資産総額を引き上げざるを得ないのですが、日本人の感覚で投資が根付くどうかが問題です。

結局は、企業体力にかかってくる消耗戦になる可能性も残っています。

■いろいろと見極めて判断しなければ

投資する我々にとっては、信託報酬の安さは魅力的であり、商品を選択する上での考える指標の一つであることは変わりありません。

また、信託報酬の安値合戦になってきていることを踏まえると、体力が続きそうな企業の商品を買うことも必要だと思います。

米国の投資信託会社が大手3社に絞られているように、日本も同じように会社が絞られてくる可能性は否定できないでしょう。

インデックスファンドなので償還による損失はあまり気にならないかもしれませんが、償還されてしまうと面倒ですし、さらに指数との乖離も無視できなくなってくる可能性もあります。

信託報酬が安くても、指数乖離がそれ以上になってくると、何をしているか分からなくなってきますからね。

■今回は動かなかったのが良かったのか

結局のところ、我々にとっては、eMAXIS Slimの値下げ発表は喜ぶべきですよね。

発表が遅れたので、すでにSBIの方で買い直した人や、積立設定をした人も多くいると思いますが、ちょっと急ぎすぎであると思います。

逆に、純資産総額の目減りが目立ったので、eMAXIS Slimが信託報酬見直しを検討した可能性もあり、そうであるなら、そのきっかけを作ってくれた受益者に感謝です。

まあ、需要と供給のバランスは難しいと思いますね。

ただ、私自身が今回早く動かなかったのは、米国ETFを買い付けるインデックスファンドは、純資産総額が少ない時の実質コストが大きくなってしまうという過去の実績があったので、様子見していたのもありました。

あくまで楽天・バンガードの話なので、SBIはそうなるとは限らないですが、蓋を開けるまで分からないですからね。

ここまでの安さになると、少々の信託報酬の差よりも、実質コストでいくらかかっているかが重要になってきます。

意外と実質コストが高いファンドは数多くありますから。