ネットニュースで大きな見出しが出ていました。
『年収300万円だと教育費は月6520円がギリギリ』
見出しに引かれて読んでしまったのですが。
まあ、見出しのとおりですね。なんて書いてしまったら話が終わるので、私の思いを入れて、少し掘り下げてみます。
■2,000人の調査結果から出た健全な家計簿とは…
記事内では、「約2000人分の健全な家計簿から割り出した数値。ここから逸脱すると、破綻リスクは高まります」と書かれています。
教育資金は上限が無いので、煽り記事的な部分はありますが、ちょっとモデル家計簿を見てみましょう。
このモデル家計簿を引用するかどうか非常に悩みました。
なぜなら、生活地域によってかなり異なるからです。
都心部とそれ以外の地域では特に住居費が全く違います。その分、年収も地域調整が入っていると思いますが。
それに今の地域、雪の多いところなどでは、季節的な出費が出てくると思います。
2,000人の健全な家計簿と書かれる時に、地域も一緒に書いてほしかったです。おそらく関東中心のアンケートだと思いますが。
勝手な想像ですが、それを基準に私もこの記事を書きます。
前提は、夫婦2人の未就学児1人。ボーナス年2回の各1.5か月分で算出されたそうです。
また、ボーナスは当てにしない収入であり、ライフイベント用に置いておく必要があるとのことで、月々の家計簿には入れてないようです。
●年収300万円男の家計簿
月収(手取り)16万3000円
児童手当 1万5000円
――――――――――――
住居費 4万8900円
食費 3万3820円
水道光熱・通信費 1万8690円
生命保険料 8150円
生活日用品など 1万680円
教育費 6520円
雑費その他 1万5130円
小遣い 1万7800円
預貯金 1万8310円
(引用:年収300万円だと教育費は月6520円がギリギリ…年収別に計算した家計の限界値、日刊SPA、横山光昭、2018/2/11より抜粋)
見た瞬間の感想は、年収300万円の場合は、教育費よりも生活第一だろうなと思います。
住居費4万円代で、家族生活の間取りを確保するのは厳しいだろうと感じます。
教育費の前に、子どもが成長するにしたがってプライバシーなどの確保も重要ですし、この前提は未就学児とのことですが、数年後には出てくる課題ですよね。
小遣い1.7万円って何ですか?
●年収500万円男の家計簿
月収(手取り)27万4000円
児童手当 1万5000円
――――――――――――
住居費 7万6720円
食費 4万3350円
水道光熱・通信費 3万1790円
生命保険料 1万3700円
生活日用品など 1万4450円
教育費 1万4450円
雑費その他 2万6010円
小遣い 2万8900円
預貯金 3万9630円
(引用:年収300万円だと教育費は月6520円がギリギリ…年収別に計算した家計の限界値、日刊SPA、横山光昭、2018/2/11より抜粋)
未就学児1人という年齢で、年収500万円というのは、夫婦の年齢層がわかりませんが、年収が高めの水準だと感じました。
関東地方の都心部なら地域的に年収500万円というのは、そんなものなのでしょうか?
同じく、小遣いが2.8万円って何でしょうか?
また、預貯金が4万円程度出来ているのなら、本当に健全モデルだと思いました。
●年収700万円男の家計簿
月収(手取り)35万9000円
児童手当 1万5000円
――――――――――――
住居費 9万3340円
食費 5万2360円
水道光熱・通信費 3万3660円
生命保険料 1万7950円
生活日用品など 1万8700円
教育費 2万2440円
雑費その他 2万8050円
小遣い 3万7400円
預貯金 7万100円
(引用:年収300万円だと教育費は月6520円がギリギリ…年収別に計算した家計の限界値、日刊SPA、横山光昭、2018/2/11より抜粋)
この家計簿の前提条件で、年収700万円というのは一流の人ですよね?
ここはスルーです。家計簿レベルではなく、自己責任でしっかりやっていると思います。
■年間預貯金率は、まあまあ多い水準ですよね?
上記に3つの健全家計簿モデルを引用しましたが、年収700万円を置いておいて、年収300万円や年収500万円は一般家庭なのかなと感じます。
モデルを見た瞬間感じた感想を書きましたが、やはり気になるのは、教育費と小遣いと預貯金の関係性です。
さらに、ボーナスをライフイベント用に置いておくという前提である場合は、年間の預貯金を考える必要性もありそうです。
- 年収300万円の場合、預貯金が1.8万円×12ヶ月の21.6万円で、ボーナスが年間3カ月前提なので48.9万円で、計70.5万円(23.5%)
- 年収500万円の場合、預貯金が3.9万円×12ヶ月の46.8万円で、ボーナスが年間3カ月前提なので82.2万円で、計129万円(25.8%)
どうでしょうか? 直感的に、預貯金がまあまあ多いなという印象でした。
ボーナスはライフイベント用なので、年間で少しずつ切り崩して使っていると思います。
したがって、この年間預貯金額はあくまで全てが残っている場合となります。
ライフイベントが年間でどれくらい拠出されるかは難しいですが、入学シーズンや合宿や秋のイベントの時などは臨時費用が多いイメージがあります。
あとは、大型連休ですね。私のイメージでは大型連休は出費が多いです。たとえ旅行に行かなくても。
記事では、病気や怪我による入院と書かれていました。確かにそれを考えると、不安で不安で仕方なくなると思います。
それは、いつ起きるか分からないし、いくらかかるか分からないからです。
学校行事などのイベントの費用は、予想がつきますから、預貯金額の検討がしやすいですが、入院まで考えると難しすぎます。
だから、保険があるんでしょうけどね。
私の勝手な考えとしては、どうしようもない大きな病気で入院など、今の生活からガラッと変わる場合は、教育費なんて言っている場合じゃないと思います。
健康第一!これに尽きますよね。
■小遣いと教育費の関係はどう考えますか?
もう一つは気になったのが、小遣いです。
このような家計簿記事では絶対に小遣いという項目があるのですが、小遣いは誰のためにあるのですか?
私自身が良く分からないので、いつも疑問に思うことです。
年収300万円で月1.8万円、年収500万円なんて月2.8万円も小遣いが基準で入っています。
これは私の感覚ですが、教育費と小遣いは天秤で考えないといけないと思っています。
教育費は、例えば小学校に行くまでは、親が習い事を子どもにさせます。
子どものやりたい/やりたくないの意見は基本的には無視となります。
体験に行って、子どもにやるかどうか聞いていると言われるかもしれませんが、すでに体験に行く時点で、親のフィルターがかかっているのです。
教育費にお金をかけようと思っているのなら、その分、小遣いを減らせばよいのだと思います。
『教育もお金をいっぱいかけたいけど、自分も休日は息抜きに精一杯遊びたいし、仕事帰りに飲みに行きたい!』
それは無茶だと思うのです。
教育にお金をかける限り、かけた親にも責任があると思うのです。
これは夫婦でしっかりと考えないと、結局は、妻と子供が勝手に習い事やってるから、俺は知らないから小遣い使うぞってなるのだと思うのです。
このような家計簿を見ていると、やはり最後はダブルインカムですよね。
教育費が例に挙がっていますが、インカムが少ないから、机上の計算上でも気になるわけです。
インカムが2箇所からあれば、かなり計算が楽になるのでは?と感じます。
以前にダブルインカムの記事は書きましたので、ここでは書きませんが、教育費用を考えてもダブルインカムが良いのでは?と思います。
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30歳代はダブルインカムで世帯収入600万円以上目指す!そのために必要な2つの条件とは… - なんでも道しるべ
■教育費の利回りは14%
そういえば、先日、本屋で立ち読みしていたら、『教育費の利回りは14%』との計算結果だと書かれていました。
14%なんて、高利回り投資であることは間違いないです。
教育費用にお金をかけ過ぎて、老後破綻したら元も子もないですが、しっかりと家計管理をしていたら良いわけです。
子どもと話をしていたら、14%の利回りも分かる気がします。
子どもの時にお金をかけて教育すると効果は大きいですが、大人になってから取り返すために教育を受けると費用対効果は相当悪いです。
一番の例は、「英会話教室」だと私は常々思っています。
私が、当ブログでも紹介しているディズニーの英語システムで、卒業した子供の感想で印象に残っている言葉があります。
『子どものときは、なぜ家で英語をやっているのかな?と疑問に思っていた。けれど、大人になって、この英語教材を与えてくれた親にとても感謝している』
自分の娘に同じことを思ってほしいので、私も英語教育に力をいれています。
それによって、今の自分の小遣いが減ったとしても、将来にとっても嬉しいプレゼントがもらえるかもしれないと思っているからです。