昨年末(2017年)の話ですが、インデックスファンドの信託報酬値下げのプレスリリースがでていました。
出元は三菱UFJ国際投信です。
ということは、eMAXIS Slim(イーマクシススリム)ということです。
なかなかビックリするような信託報酬値下げ幅でした。
■値下げ合戦が活発な意味
当ブログでも、インデックスファンドの信託報酬をまとめた記事も書いていますが、つみたてNISAが始まるまでの間に、これほどまで値下げ合戦が活発になるものとは思ってもみませんでした。
でも、各社が値下げ合戦をする意味合い分かる気がします。
なぜなら、積立というのは、一度決めたら、なかなか変更をしません。
少しくらい信託報酬が安いからといって、変更の手間を考えると、面倒なのでやらずにそのまま継続するでしょう。
特に、信託報酬の安値合戦を追いかけているのは、一部のコアな投資家くらいです。
したがって、最初にどれだけの顧客を集めれるかが勝負となります。
始めて積立投資を開始する顧客は、始めるまでは一生懸命安いルートを探します。
最近はネット情報が活発なので、出来るだけ安く運用できる方法は探す手間さえ惜しまなければ、かなりの情報が集まります。
しかしながら、古い情報は多いで注意は必要です。
私の書いている記事でも2ヶ月前の記事だと情報は古いです。
それほど値下げ合戦が活発なのです。
私自身も一つひとつの記事を更新するほど余裕がないです。
言い訳になってしまいますが、リンクの問題があり、記事の削除は簡単にできないです。
記事内を修正すると良いかもしれませんが、記事の書き方も変わっているので、修正も難しいです。
したがって、新しい日時の記事にアップデートしていくしかありません。
ここまで値下げされると、ブログを見て頂いている方に申し訳ありませんが、ブログ内に設置している検索ツールやカテゴリーで見てもらって、最新情報の確認をお願いします。
■急激な信託報酬の下げに驚き
前置きが長くなりました。本題に入ります。
2017年12月29日に三菱UFJ国際投信が発表した信託報酬値下げのプレスリリースの対象は、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」です。
変更前 0.1890% ⇒ 変更後 0.1095% (税抜)
引き下げは2018年1月30日からということです。
海外株式である先進国株式インデックスで信託報酬が0.1095%となるなんて、非常に驚きました。
国内株式でもこれだけ安いものは少ないと思います。
バンガードのETFに近付いてきた気がしますが、注意なのは、投資信託だということです。
投資信託は、信託報酬以外に、株式の売買手数料などのコストが追加されます。
これは、実質コストという形式で、決算時に発行される運用報告書を確認しないと分からないです。
しかし、信託報酬が安くなるのは、確実に実質コストも安くなるので、我々個人投資家にとっては非常に良いニュースです。
■業界内の構図が変わってきた
プレスリリースの文面を見ていると、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、業界最低水準の運用コストをめざす」と書かれています。
当然、注意書きのところには、「実現することを保証するものではありません」と書かれていますが、他社に追従して、少しでも安い商品を出していく姿勢は継続していきそうです。
ここの他社とは、これまでは「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド>が業界最安値で引っ張ってきましたが、最近はこの構図に変化がみられているようです。
同じインデックス指標を使った投資信託だけでなく、海外ETFを組み合わせた投資信託が出てきたことで変わってきました。
一つは、「SBIアセットマネジメント」が出している、「EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド」です。
ETFを組み合わせて運用するので、インデックス指標とのかい離の心配が少なくなるのはメリットです。
さらにETF自体のコストが安いので、SBIアセットマネジメントの信託報酬を足しても、全体の実質コストが安くなる想定です。
以前、記事にしています。(下記リンク)
最強の後出しジャンケン!超低コストのグローバル(全世界)株式ファンドが出た! - なんでも道しるべ
この「EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド」と「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は信託報酬でかなり勝負をしているように見えます。
ここに割って入るのが、バンガード社と連携している、楽天・バンガード・ファンドです。
バンガードというブランドがあるので、信託報酬を安くするという勝負はしていませんが、バンガードの「VT」をそのまま投資信託としたのは人気です。
その商品名は、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。
日本人には「世界まるごと」という感覚が受けが良いので、人気がでています。
ただし、全世界株式と先進国株式では、組入れている国や銘柄が異なっているので、全く一緒でないことは注意です。
この商品も以前に記事にしました。(下記リンク)
歓喜!バンガード社の「VT」と「VTI」をつみたてNISAで! - なんでも道しるべ
■信託報酬に悩むより、まずスタートすることが重要
以前に記事にしていますが、やはり情報が古いような気がします。
信託報酬に関しては、ファンドのホームページでしっかり確認した方が良いです。
しかしながら、プレスリリースや最新ニュースは、開始日になるまではアップロードされてないことが多いです。
特に、証券会社内の情報は現時点のコストが書かれているので注意です。
後から、「こんなに安くなるのなら、こっちの商品にしておいたら良かった」とならないように、ネット記事などで情報収集することをお勧めします。
でも、悩んでいたら、いつまでたってもスタートを切れません。
0.01%差なんて、1年遅れてしまうデメリットに比べれば小さいものです。
特に2017年のように、急激な上昇を見せた相場ではもったいないです。
ただし、ドルコスト平均法で、上げ相場でも下げ相場でも気にせず積立を継続することが重要なのは言うまでもありません。
1年でも1カ月でも早く運用を始めることが、何十年後の資産形成の第一歩になりますよね。