資産運用をしていると、時に大きな下落がやってきます。
一般的に、S&P500では5%程度の調整は年に2~3回、10%程度の調整は年に1回ほど発生すると言われています。
こう聞くと、「じゃあ調整のときに買えばいいんだろう。簡単じゃないか」と思うかもしれません。
しかし、話はそう単純ではありません。
理由はひとつ。
底がどこか分からないからです。
相場が下落する前に、
「今回は5%の調整で終わる」
「今回は10%まで下がる」
そんなことを事前に正確に分かる人はいません。
むしろ、5%下落するとニュースは徐々に悲観的になり、10%下落すると手放す人が増え、SNSは阿鼻叫喚。
「これからベア相場が来るのではないか」という疑念が広がり、数年に一度起こる20%下落を覚悟し始める人も出てきます。
すると、「買う」よりも「守る」ことに意識が向きます。
利益確定をすべきか、底で買い直したい、損切りした方がいいのではないか――
そんな考えが頭をよぎるようになります。
だからこそ、資産運用と下落相場は常にセットで考える必要があります。
実際、多くの人は下落相場に耐えられません。
株式市場がどのような性質を持っているのか。
自分のリスク許容度はどの程度なのか。
金融政策で相場がどう動くのか。
投資家の期待と株価がどう結びついているのか。
こうしたことをある程度理解していないと、下落局面で冷静さを保つのは難しいのです。
また、明確なルールや理由があれば耐えられる人も多いですが、相場は常に変化します。
過去の常識が、今の常識とは限りません。
それも多くの人が戸惑う理由でしょう。
では、どうすればいいのか。
答えは明確です。
市場に参加して、慣れるしかありません。
たとえ少額でも構いません。
自分にとって大切なお金を、実際にリスクにさらし、値動きを「経験」するしかないと、私は思います。
お金を失って喜ぶ人はいません。
誰もが増やすために投資をしているのですから、
下落して楽しい人などいないのです。
それでも、相場に居続けるしかありません。
そのために必要なのは、投資の練習を重ねることなのです。
