いま、とある受験関係の文庫本を読んでいます。
大学入試を中心として、中学受験や高校受験、有名校や医学部などに関しても書かれている本で、受験に関しては非常に参考になることが多いです。
実際は、YouTubeなどで聞いたことある話ではあるのですが、それでも、このような書籍でまとまっていると、頭が整理されて良いですし、一気に復習できるので、改めて考える機会になります。
ただ、一つ非常に気になる部分があり、それに関して、間違っていると言いたいですね。
それが、英語に関してです。
筆者の人は英語に苦労していなかったみたいなので、英語ができない人、英語が苦手な人の感覚が分からないのだと思いますし、英語ができるようになるのに、そんなに頑張らなくてもいけるんじゃないかという節が感じられました。
中学から英語を習い始めて、大学卒業まで10年間あるのに日本人は英語が苦手な人が多いのは事実であり、それについては今の学校教育の間違いは指摘されています。
今では小学校に5、6年生で英語が評価されるようになったのだけど、この方も、これくらいでは英語はできるようにならないと言っています。
また、受験英語とコミュニケーション英語は全く違うということと、受験英語ができても、海外で話すことはできないというエピソードも紹介されています。
この事実までは全く異論はないのですが、私が気になったのは、それを克服するための打開策に関してです。
まあ、これだと大多数の家庭では無理でしょうね。
■英語の得意な人のアドバイスはちょっと
私の持論ですが、元々英語が得意な人というのは、英語が苦手な人の気持ちが分からないという印象があります。
私は英語が苦手でしたし、苦手だけでなく大嫌いな教科でした。
もう中学生の初期段階で大嫌いでした。
なので、本当に英語が苦手な人、嫌いな人の気持ちが良く分かります。
英語が苦手というのは、どうしようもないほどに置いて行かれます。
他の教科というのは、基本的には日本語なので、もちろん、得意・不得意というのはありますが、頑張って理解しようとすれば、何とか付いていけることもありますし、理解不十分でもテストなどで撃沈することもないのです。
けれども、英語というのは、本当に分からなければ歯が立ちません。
本当にどうしようもないですし、さらに、克服しようと思っても余りにも不足している範囲や量が多すぎて出来ないということがあります。
それが、他の主要4教科にない特徴だと思います。
積み重ねの重要な教科だからこそ、そのような事態が起きるのだと思うのです。
なので、私は、英語で苦労していない人のアドバイスは話半分で読むようにしています。
今回も、そのように読んだら、やっぱり分かってないなぁって感じでした。
■スピーキングではなくリスニング中心で
今回の書籍に書かれている内容、何が問題かというと、留学や英会話を中心に書かれていることです。
いやいや、スピーキングで英語が上達する人は、そこそこ基礎・基本ができていますからね。
そのレベルに到達できるかどうかが問題なわけです。
中高の英語で困らないようにするためには、幼児や小学校の段階からの英語教育が重要です。
その方法が英会話を中心としたスピーキングとは、やはり分かっていないなという印象です。
日本語でも同じですが、スピーキングから日本語を習得した人なんていません。
赤ちゃんは何で日本語を学ぶのかというと、当たり前ですがリスニングなのです。
親の日本語のシャワーを浴び続けて、それを半年~1年くらい継続して、ようやく言葉にならない日本語を発し出すのです。
意味が通じるものを話すには、当然、年単位の日本語シャワーが必要です。
なので、スピーキングから入るのではなく、リスニングから入るべきなんです。
■英会話なんて早すぎる
英語が苦手な人は、圧倒的に英語を聴く機会が少ないです。
当然、英語教育に興味も無いような家であれば、英語のシャワーを浴びさせようなんてしません。
毎日の小さい差ではありますが、それが積み重なって、中学生になった時の英語力の差になっています。
なので、親がすべきことは、子どもに英語を聴かせ続けることなのです。
それが出来ないのに、英会話なんて早すぎます。
聞いたことない、意味が分からない、そのような状態で会話なんて成り立ちませんからね。
なので、スピーキングのアドバイスをするというのは、すでに英単語や文法をある程度知っていることが前提になるのです。
ゆえに、受験英語の延長線上のスピーキングになるということです。
これではコミュニケーションは取れませんよね。
英語子育てのやり方を間違っている書籍がいまだにあることに驚きました。
英語が得意な人の英語子育ては、斜め上からのアドバイスなので、まず参考にならないです。
その辺り、しっかりと意味を考えることも親としては重要なのでしょうね。