なんでも道しるべ

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やっぱり気になる…金融資産アンケート結果から見える他人の家庭状況

f:id:anyguidepost:20180310075755j:plain「自分の家庭の資産は、全国の家庭平均のどのくらいの位置にいるのか?」という疑問は誰しも少なからずあるものです。

人は他人と比べたがる生き物であるというのは、染みついたものなので、なかなか拭えません。

「自分は自分、他人は他人」と思い込もうと考えてもストレスが溜まるだけですよね。

身近にいる、例えば、会社の同僚などと比較しても、母数が少ないので意味がありません。

それに想像と違った時には、なんだか複雑な気持ちになるものです。

本当のことを言っているか分かりませんしね。

真意に関しては、分からないことは確かではありますが、このような疑問を解消するためには、アンケート統計資料を見るのが一番楽でストレスフリーです。

今回は、なかなか興味深い資料を見つけましたので、紹介したいと思います。

■アンケートの概要

調査アンケートは「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査)

全国で8,000世帯を調査し、回収率は47.1%だったそうです。3,771名から回答があったらしいです。

標本統計は「層化二段無作為抽出法」です。全国の地域性、都市規模性に偏りが無く、無作為に調査対象を選ぶことができる特徴があるとのこと。

統計的には信頼度95%とした場合に、3,771名のP値は±1.8%だそうです。

したがって、95%の確率で、この調査アンケートの集計結果の±1.8%区間に入ってくるといえるとのことです。

統計学はそれなりに知っておいた方が雑学的には便利ですね。ちょっと複雑だけど。

■金融資産非保有世帯の割合

まずは「金融資産の有無」についての結果です。

ここで、このアンケートの「金融資産」は何を指すのか?が重要です。

説明によると、『定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。ただし、商・工業や農・林・漁業等の事業のために保有している金融資産や、土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分は除く』とされています。

簡単にいうと、お金の資産ですね。

「私は全部不動産を買って運用するのだ!」という人もいるかもしれませんが、この場合は、除かれています。

たしかに、不動産を入れると、不動産の資産に引きずられていきますので、そうするしかありません。

結果としては、金融資産非保有世帯の比率は、2017年で「31.2%」でした。

2013年から基本的には横ばいなのですが、2008年頃は20%代前半でしたので、金融資産が無い世帯が増えていることになります。

年齢別でも大きな差は見られません。±5%内に収まっているような感じですので、どの世代でも同程度の割合が存在しているということです。

収入別にみると、当たり前ですが、年収によって差が見られ、年収300万円未満の世帯が一番多いです。

ただし、年収1,200万円以上の世帯でも10%程度は金融資産が非保有という結果です。

私の考察としては、年収が多くても浪費が激しいのか、それこそ不動産に替えていてお金の資産ではないのか、借金が嫌いで貯蓄運用よりも先にローン返済に全力を注いでいるのか、なのかなと思っています。

まあ、いろいろな事情や個人の考え方もありますので、金融資産がゼロであっても不思議ではないと思いますが、これらのような理由のケースは少数だとおもいますので、基本的には世の中の30%程度の世帯は金融資産が非保有だということです。

■金融資産の平均値と中央値

金融資産保有世帯の保有額が集計されています。

ここでは、非保有の世帯はカウントされていませんので、少しでも持っている世帯だけです。

金融資産に興味が無く、収入は全て消費するという世帯もあると思いますので、これらの世帯を抜いていますので一般的に言われている平均値よりも高くなっています。

結果としては、2017年の平均値は「1,729万円」で、中央値は「1,000万円」ということです。

平均値も中央値も、波を打ちながらも毎年増加傾向にあるようです。

先ほどの金融資産非保有と総合しますと、非保有世帯が増えており、保有世帯の平均値・中央値が増えているということは、完全に2山が形成されてきて、差が広がっているということです。

どちらが心地よい生活なのかは人それぞれですが、どちらかの山に吸収されていく世の中になってきているということなので、自分でどちらが良いか決めて行動すべきです。

■金融商品別構成比

金融資産の商品別の構成比です。

やはり預貯金が最も多く、「54.1%」を占めています。そのうち、定期性があるものが「29.4%」です。

私の印象では、意外と定期預金にしていない人が多いのだなと思いました。普通預金なのでしょうか?

定期にしてもそれほど金利がアップしないので、面倒だから普通預金にしている人も多いのかな?と思います。

あとは、定期預金にすると解約や継続の手続きも面倒ですし、一番面倒なのは、窓口で変なセールスを受けることです。

そんな会話をしたくない人は、普通預金に預けておいて、そーっと生活している方が良いと思っているのかな。

有価証券の割合は「18.0%」でした。その内、株式が「8.9%」で、投資信託が「6.1%」、債券が「3.0%」です。

やはり有価証券の割合は低いですね。18%ですか。

やはり日本の世帯は、投資運用よりも預貯金が好みだということです。

これをできるだけ、預貯金から投資へ進めば、日本の社会も変貌すると思いますが、気質ですからね。難しいのかと思います。

過去3年の結果しか載っていませんが、預貯金は2014年54.1%、2015年は53.2%、2016年は55.3%です。そして2017年が54.1%です。

少額投資非課税制度が導入されても、それほど預貯金の割合が減っていません。

有価証券も微妙に1%程度増えているだけですので、統計誤差の可能性も高いです。

政府がいろいろと働きかけと仕組みを作ろうとしていますが、国民はあまり動いていません。

良い制度を作っても、疑いの目で見られている可能性はあるとかもしれません。うまい話には裏があるという疑いです。

■NISAとジュニアNISAでの保有額

このアンケートでは、NISAとジュニアNISAの保有額も載っています。

そもそも18%程度の有価証券割合なので、数字の信ぴょう性の方が私は疑っていますが、結果を見てみましょう。

NISAが「183万円」で、ジュニアNISAが「45万円」です。

ジュニアNISAは過去のデータが少ないので推移の比較ができませんが、NISAは2014年が125万円で、2015年が156万円、2016年が167万円でした。

したがって、徐々に増えているのは感じ取れます。

運用をしている世帯は、NISAをきちんと利用しているということでしょうか。

ちなみに、有価証券額が「311万円」なので、NISAが183万であるとなると、約60%はNISAを利用した投資であるということです。すばらしいです。

2018年から「つみたてNISA」が始まりましたので、来年には増えている可能性があります。どこまで「つみたてNISA」が浸透するかにかかっていますね。

ところで、「iDeCo」はこの金融資産に入らないのでしょうか?

定義からすると入りそうなので、NISAやジュニアNISAを分けてアンケートしているのであれば、iDeCoも入れてアンケートしてほしいです。

本日の記事では、まずは金額などの数字に関係するデータをピックアップしてみました。

次回の記事では、理由などのアンケート結果を挙げてみたいと思います。こちらの方が私は興味があります。

保有額はあくまで結果であり、市場の情勢によって変わりますので、結果を見つめるしかありません。

逆に、資産運用に対してどのように考えているのかのほうが重要であり、面白いと思っています。