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【続】やっぱり気になる…金融資産アンケート結果から見える他人の家庭状況

f:id:anyguidepost:20180310075755j:plain昨日の記事で、「家計の金融資産」について書きました。

特に昨日は、金融資産の額に関するデータについて挙げました。

やっぱり気になる…金融資産アンケート結果から見える他人の家庭状況 - なんでも道しるべ

自分の家庭が、どのくらいの位置にいるのかを把握することは必要なことだと思います。

人間の知りたいという気持ちは抑えられないものなので。

ただ、金額は市場の情勢などで変化するもので、金額だけで一喜一憂せずに、資産形成をする意欲が大切だと私は思います。

本日は、気持ちの面に関するデータを見ていきます。

■長期運用やリスク資産への振り分け(前年比)

前年比較で、金融資産を「預貯金から運用型やリスク資産に振り分けた」かどうかをアンケート取っています。

ここでは、金融資産を保有している世帯の数値を確認します。

現金や流動性の高い預貯金から、長期運用型やリスク資産に振り分けた割合は、2017年は13.7%との結果でした。

数値自体は低いですが、この割合は年々増えており、2013年では11.2%でしたが、13.7%までに上がっています。

しかしながら、長期運用型やリスク資産から、現金や流動性の高い預貯金に振り分けるといった、逆のことをしている世帯も年々増えています。

2013年は4.9%でしたが、2017年は6.0%と増えています。

両方とも低い数値であることは間違いないので、割合が増えているという解釈よりも、何も考えていない人が分類されるようになってきたと解釈する方が正しいのかもしれません。

いずれにもあてはまらないという、両方の運用をしている世帯と、考えずに行動している世帯の合計は、2017年でも78.7%もいます。

2013年では82.7%もいたので、少しは金融資産に興味を持ち始めた世帯が増えていることなのだと感じます。

私は、考えずに行動している世帯は、その個人が悪いのではなく、我々大人が子どものときに受けてきた教育に問題があるのだと思っています。

ファイナンシャルプランナーという職業がありますが、このプロの人達に相談をしなくても解決できる悩みなんてたくさんあります。

約8割のなかで、どのくらいの世帯の人が、考えずに行動しているのかわかりませんが、考えるための教育やツールを受けることが必要なんだと思います。

■収益性の高いと見込まれる金融資産の保有

私がこのアンケートで最初に目に留まったアンケートが、『元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融資産の保有』についてのアンケートです。

積極的に保有しようと思っている世帯は、2017年で2.0%です。この世帯は2008年からほとんど横ばいで2%前後であります。

一部は保有しようと思っている世帯は、2017年で15.4%です。この世帯も2008年からほとんど横ばいで15%前後の数値になっています。

逆に、保有しようとは全く思わない世帯は、80.8%となります。この世帯もずっと横ばいであることは変わりません。

ここ10年間は全く数値変動が無いので、推移に関しては考察できませんが、変わってないことが問題です。

『貯蓄から運用へ』とスローガンを掲げながらもこの値なので、非常に危険な感じがします。国民に響いていないということです。

やはり、この約8割の世帯の考えを変えない限り、運用家庭は一向に増えません。

iDeCoやNISAはやり始めるきっかけにはなりますが、継続して取り組むには、成功事例がないと難しいです。

金融庁から各金融機関が叱咤されましたが、運用をしようと奮起した人から手数料を分捕る営業だけではなく、みんなを巻き込んで少しずつ手数料を徴収するというスタイルに変えてほしいです。

つみたてNISAが始まって、このような傾向になりつつあります。

来年以降のアンケート結果にとても興味がありますが、意識が変わっていなければ、非常に問題だと思います。

■金融商品を選択する際に重視すること

ではなぜ、収益性の高い金融資産を保有しようと思わないのか?ということですが、これについてもアンケート結果から見ていきます。

『金融商品を選択する際に重視すること』というアンケートがありました。

選択肢の結果は以下のとおりです。

  • 利回りが良い 12.9%
  • 将来の値上がりが期待できる 5.9%
  • 元本が保証されている 30.1%
  • 取引金融機関が信用できて安心 16.5%
  • 現金に換えやすい 5.5%
  • 少額でも預け入れや引き出しが自由にできる 15.5%
  • 商品内容が理解しやすい 3.2%
  • その他 9.1%
  • 無回答 1.5%

やはり一番は元本が保証されているといことでした。これが約3割です。

これだと、預貯金が増えていくのは仕方ないことだと思います。利回りの良い運用は必ずリスクがあるものです。

「リスクを取らないものにリターンは無い」というのが世の中の常識であり、うまい話だけの商品なんてないのですから。

気をつけないといけないのは、やはり、「元本が保証されていてリターンが高いですよ!」というセールストークに騙されないということです。

政府や行政が、貯蓄から運用へとシフトさせるきっかけ作りをしているということは、国が全力で取り組んでいるという言葉が使えます。

したがって、運用のことを全く知らない人は、セールストークに負けてしまう可能性があるということです。

さて、資産運用の行動を考えると、「利回りが良い」とはインカムゲインが良くバリュー株投資であり、「将来の値上がりが期待できる」とはキャピタルゲインを求めるグロース株投資であります。

利回りが良い方を選ぶ人が上回っているというのは、バリュー株投資を中心に考えている人が多いということです。

すでに収益性の高い金融商品で金融資産を構成している人は、資産運用のことを良く分かっている人だと感じます。

あとは、日本国内の株価推移からもグロースよりもバリューの方がリスクが小さく安全だという認識なのかもしれません。

見逃せない項目が、自由に出し入れができることを望んでいるひとが15.5%もいることです。

私が思うに、このアンケートは、運用の為、将来に備えての金融資産のアンケートなのに、この項目が高いというのが謎です。

それだけ、すぐに現金化して、手元に持っておかないと安心できない人が多いということでしょうか? なかなか面白い結果だと思いました。

今回は、金融資産への気持ち面のアンケート結果をまとめて紹介しました。

あとは、借入金と家計に関するアンケートもありましたので、次回に紹介したいと思います。