なんでも道しるべ

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【信託報酬の18年間】インデックスファンドは下落気味。アクティブファンドは横ばい。

株式投資による資産運用を始めようと考えた場合、株式の現物取引をしようか、最近話題の投資信託にしようかと迷う人が多いのではないでしょうか?

私自身も株投資を始めた頃は、現物株式を売買していました。

マルキール氏の「ウォール街のランダムウォーカー」を読んだことをきっかけに、素人の私が銘柄選別をしていた現物株式から撤退し、投資信託に任せようと思うようになりました。

マルキール氏のウォール街のランダム・ウォーカーを読んでインデックス投信に目覚める - なんでも道しるべ

ただ、投資信託というのは、自分で銘柄選別をするのではなく、運用会社やファンドマネージャーに運用を任せるので、信託報酬という手数料を払わなければなりません。

先日、日本経済新聞に信託報酬の過去18年間の推移が載っていましたので、本日は、信託報酬について書きたいと思います。

■ファンド選びのコスト意識

信託報酬の手数料は確実にリターンがマイナスとなるコストなので、できるだけ安いファンドにするべきだと言う意見が大半です。

また、アクティブファンドは目標指数をアウトパフォームすることを目的に運用していますので、アナリストも多くの人が関与することから、信託報酬が高くなりがちです。

逆にインデックスファンドは、ベンチマーク指数を設定しており、それから乖離しないことを目的に運用するだけですから、運用しやすく信託報酬が安いです。

米国では、アクティブファンドはインデックスに勝てないと言われており、データからみても、アクティブファンドは負けている現状です。

逆に、日本では、アクティブファンドもそれなりに実績をあげているようで、インデックスに勝つファンドも多いと聞きます。

ただ、この結果の私の解釈は、「米国は右肩上がりの株価トレンドを示しているのでインデックスが勝ちやすく、日本はいまだにバブル期の株価が天井でボックス相場なのでアクティブが勝ちやすい」と考えています。

勝つか負けるかはファンドの運用コストとリターン次第なので、予想しても当てようが無いところがありますが、信託報酬に関しては、最初に提示されているので、マイナスリターンになることは確実です。

■インデックスファンドの信託報酬は下落が続く?

日経新聞の2018/7/30の投信コラムで「保有コスト「信託報酬」に注目」というタイトルの記事がありました。

過去18年間のファンド全体の信託報酬の推移を集計した結果で、アクティブファンドとインデックスファンドの平均信託報酬の推移がグラフで出ていました。

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18年前は2000年ですが、そこからの推移を示しています。

残高加重平均の推移を見てみますと、過去18年間で、アクティブファンドは1.4~1.7%の間に入っています。

対して、インデックスファンドは、0.5~0.8%の間に入っています。

大きく違うのは、そのトレンド推移で、アクティブファンドは2000年に最も高い1.7%付近を付けて、2009年にかけて1.4%付近まで下がってきていましたが、最近は上昇気味で1.5%を超えています。

逆に、インデックスファンドのトレンド推移は、2000年に最も高い0.8%付近で、そこからは、徐々に下がってきて、現状(2018年)は0.5%付近まで下落しているということです。

インデックスファンドの大きな値下げ要素としては、やはり「つみたてNISA」があると思います。

認定要件は国内インデックスで0.5%以下、海外インデックスで0.75%以下となっていますが、インデックスファンドは指数と大きな乖離が無い限り、競争力はやはり信託報酬になるということです。

「つみたてNISA」という20年間継続を前提としている仕組みであることから、ユーザーを捕まえておきたいという考えからか、各社の値下げ合戦が2017年後半くらいから活発になってきました。

「つみたてNISA」や「iDeCo」の長期積立の仕組みが徐々に広がりつつありますので、残高加重平均のインデックス型の信託報酬はさらに下がっていくものと思います。

あとは、個人投資家(利用者)の伸びによるのでは?と感じます。

余りにも増加数が天井となってしまうと、低信託報酬では運用会社などの体力を奪うことになりますから、逆に値上げするところが出てもおかしくないと思います。

■大半アクティブファンドは「つみたてNISA」は考慮してない?

アクティブファンドの信託報酬が上昇傾向にあるのは、テーマ型のファンドの資金流入額が上位に来ているからのようです。

テーマ型は信託報酬の平均よりも高いものが多いようなので、これらが注目をされている現状では、信託報酬は徐々に上がっていくと思います。

ただ、「つみたてNISA」の認定要件からすると、国内対象が1%以下、海外対象が1.5%以下となるので、平均値の1.5%よりも高い信託報酬のファンドは「つみたてNISA」に認定されないことになります。

また、「つみたてNISA」のアクティブファンドに対する認定要件は厳しく、純資産が50億円以上、信託開始から5年以上、信託期間の2/3で資金流入超などの要件もありますので、テーマ型のファンドなどは最初からつみたてNISAは考慮していないのかもしれません。

昔も今も、手数料徴収によるファンド乗り換えでの営業が主流になっているのだと思いますので、くれぐれも販売手数料徴収&高信託報酬&解約手数料徴収がある高コストファンドに手を出さないようにしないと、何年経っても含み損状態になってしまいますからね。

ファンド選びも大変ですが、全ては自己責任となってしまうのが運用の怖いところなのかもしれません。