今の時代、何でもインターネットで対応できるのですが、中学生が通塾せざるを得ない理由を挙げてみました。
というのも、高校生になると一気に通塾率が下がります。
そもそも高校進学率が99%以上あるのに対し、大学進学率が50%程度であるというのも影響していると思いますが、加えて、在宅で勉強する層も増えます。
高校生になるとそのようになるのに、なぜ中学生は通塾するのか?というのが疑問に感じていました。
また、オンライン化も進んでおり、実際、家庭教師もオンラインで受講できています。
もう、中学生も通塾の必要性がないのではないか?と思うのですが、それが、中学生だからゆえに、高校受験だからゆえに、今でも根強く通塾が流行っているのです。
■高校受験は今でも地元情報が強い
理由は全部で4つあると考えていますが、大きな理由としては、1つに高校受験が地元密着のテストであるこということです。
大学受験だと全国規模の問題になるので、ある意味、北から南まですべての高校生が同じ問題を解くことになります。
対して、高校受験はそれぞれの地域によって、問題も違いますし、配点も違うので、高校受験の方が特殊性は強いことになります。
なので、地元の塾が情報を持っていることになるので、通信教育や全国的な指導塾よりも、地元密着の塾の方が強くなります。
通塾する人が減らない理由はそこが大きな理由だと考えています。
特に高校受験は、同じ学校やクラスの友達が、同じ高校に受験するケースが多いです。
確率的に言っても、大学受験より高校受験の方が重複率は高いと思われます。
なので、高校受験において情報戦で後れを取りたくないという気持ちも働いて当然です。
地元の塾にわざわざ時間を使って通塾する意味があるのです。
■定期テスト対策や勉強のペース配分に慣れていない
大きな理由の2つ目に、勉強のペース配分があります。
小学校と違って、本格的に勉強する時期となる中学生です。
算数も数学に変わって、文字を使った式やマイナス領域までを勉強することになります。
小学校の時は単元毎にテストがありましたが、中学生になると定期テストも始まります。
一気に5教科や9教科の勉強をすることになるので、勉強方法なども試行錯誤していかなくてはいけません。
学校の勉強も高校受験がありますから、カリキュラムどおりに進行していきますから、理解できなかったら放置されるということもあります。
なので、通常の授業内容から定期テスト対策までの勉強のペース配分が必要となるのです。
その辺りのペース配分を塾のカリキュラムや日程によって、自然と身に付けていき、さらにしっかりと乗っかることができれば定期テストでもそこそこの点数は確保できます。
それらを親が言わなくても、代わりに塾の先生が言ってくれるので、思春期の子どもにはちょうど良いのだと思います。
■アウトプットの機会と勉強仲間作り
3つ目と4つ目は、補足的な部分ですが、アウトプットの機会が増えることと勉強仲間が作れることです。
勉強はあくまでもアウトプット中心でなければ成績は上がりません。
学校や塾の授業はインプットなので、聞いているだけでは成績は上がらないのです。
問題を解いて、間違えたところ、自分が理解できないところを認識して、それを解決していくから学力が向上します。
中学生からすると、最初はそれが分からないので、勉強することは授業を聞くことだと勘違いしてしまうのです。
けれども、通塾することで、小テストを数多く行い、模試テストを定期的に実施してくれるので、こちらも自然とアウトプット出来てきて、学力が上がってくるということです。
また、学校では勉強する子、しない子、頭の賢い子、学力の乏しい子が入り乱れています。
高校生になると、それらは同じ能力の生徒が集まりますが、中学生の場合は基本が地元なので様々な子がいます。
ありがちなのが、足の引っ張り合いです。
意識しているか、無意識なのか分かりませんが、友達が友達の足を引っ張るということです。
勉強しない子は、勉強しない友達を集めようとする風習がありますからね。
それらに巻き込まれないために、通塾をして、勉強する子達の中に入るいうことが重要なのです。
特に思春期の中学生には必要なのかもしれません。
中学生と高校生は全く状況が異なります。
高校生になると、自ら勉強する生徒は、自分で映像授業を見て、参考書を購入し、模試テストを受けに行く生徒もいます。
やらない子は、中学生でも高校生でも同じでやらないですが、周りへの影響力は小さくなるでしょう。
それはお互いに自我が発達するからです。
中学生はまだまだ幼いので、周りに流されやすいため、通塾でしっかりと管理しないと、勉強できなくなってしまうのです。
それは本人だけの問題ではなく、環境がそうさせてしまうので、厄介です。
中学生にとって通塾の重要性はそこにあると思われ、現代でも通塾が極端に減らない現象はこのような理由にあると考えます。