なんでも道しるべ

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【中高一貫校に高校から通う】高校受験組は中学受験組に圧倒される現実を認識すべき

先日、YouTubeの教育系を観ていたら(教育系と言っていいかどうか微妙な番組だけど)、開成高校に進学した新高校生に、「私立トップに行くなら、地域の公立トップ校に行った方が良かったのに」と言っていました。

まあ、新高校生にそれをいうのは酷ですが、この意見、私も実は賛成なのです。

開成高校は誰もが知っている日本トップの私立高校であり、東大合格者数毎年トップでランキングされています。

もちろん、生徒数が多いマンモス校なので、それによって合格者数が多いということもあり、合格率で並べるとトップにならないという意見もありますが、それでも毎年100名以上の東大合格者を出しているのは素晴らしい実績です。

開成高校は、中学受験組を旧高、高校受験組を新高という呼び方で区別しています。

これだけの実績がありますから、中学受験組も高校受験組も他県や他地域からたくさんの学生が挑戦していきています。

まあ、我が家からは通えない地域ですから、まったく領域外の学校ではあるのですが、開成高校の卒業生が開成の方針をいろいろ暴露してくれていると、なるほどと参考になることも多いです。

これだけ有名で実績のある開成高校ですから、高校受験組も入りたいと思えるのですが、ユーチューバーも、私も、なぜ高校受験組で入るのは反対なのかという点です。

実績云々ではなく、これって精神的な部分なんですよね。

■高校受験組は圧倒的に不利

そもそも、中学受験組と高校受験組、どちらが大学受験に有利かと考えると、確実に中学受験組なんですよね。

その理由は、小学生の時に受験勉強しているという点と、6年間で大学受験の備えをしていけば良いという点、これらの2点が最も大きなことです。

高校受験組は、自分自身はすでに不利な状況に立たされているということを頭に入れて行動しなければなりません。

すでに、時間もお金も使って勉強をしてきた中学受験組に、たったの3年間で追いつこう、追い抜かそうと考えているのですから、そんなに簡単な話ではないということです。

中学受験組は、みんなが小学生で遊んでいる時に、難問ぞろいの問題を大量に解かされて、大量の時間を勉強する習慣がついて、さらに、算数(数学)では方程式や関数を使わずに難しい問題を解いています。

そのような地頭の良い生徒ぞろいの中高一貫校に高校から入るわけですから、かなり無謀な挑戦をしているというのは間違いないです。

■中学受験組の優秀な層には負ける覚悟を

私が一番気になるのが、優秀な中学受験組の中に入った時に、自分自身が自信を失わないかという問題です。

高校受験で難関校に入る生徒は、地元の中学校ではトップ中のトップの成績を取っているはずです。

塾の模試テストでも上位数%に入るくらいの成績を出していると思います。

けれども、中学受験組は質が異なるので、頭のキレが違います。

自分と同じものさしで測ることができないのが中学受験組というわけです。

その層に入っていくという事は、かなりのギャップを感じることになりますから、それを頭に入れて、高校生活を送らなければなりません。

それを理解せずに、自分は優秀だと思って行ってしまうと、優秀な人たちの壁に圧倒させて自分を見失う可能性があるということです。

高校受験組のトップ層は公立のトップ校に行った方が良いと思うのはそれが理由です。

中高一貫校はすでに学習スピードも速いですから、優秀な上に先取り学習もできているという状況です。

高校受験組は、入った瞬間からアドバンテージを背負って追いかけなければならないということを意識しなければならないのです。

本当にそのような状況についていけるかは、自分で考えた方が良いでしょうね。

■中だるみ解消に利用されている認識を

もう一つは、なぜ中高一貫校が高校受験組を取ろうと思っているか?という点です。

大学受験を想定した場合、高校3年間で勉強するよりも、中高一貫の6年間で勉強した方が、スケジュール上では余裕があります。

また高校受験という期間がありますが、中高一貫だとその受験勉強というのがないので、大学受験に全振りすることも可能になります。

どう考えても中高一貫校は中学受験組で占めた方が合格実績が上がるはずですが、なぜ学校は高校受験組を取ろうと思っているのかという点です。

これは、明らかに中学受験組に喝を入れるためです。

やはり中高一貫の6年間というのは長いです。

3年間であっても中だるみがあるくらいですから、6年になると中だるみ期間が2年や3年になります。

それが唯一の中学受験組の弱点となるわけです。

ですから、学校としては、地頭の良い中学受験組に喝を入れるために、高校受験組を取って、学年に緊張感を持たせるということをするわけです。

悪い言い方をすると当て馬にされるということになります。

中高一貫校に高校から入学する人は、自分はそのポジションであるということを認識しなければなりません。

それでも、中高一貫校に高校から入りたいならそれで良いと思いますが、そのような環境は嫌だと思うのであれば、公立のトップ校で自ら気合いを入れて大学受験勉強をした方が良いと思えるのです。

どちらが良いのかは、本人の性格次第ですね。