確定拠出年金(iDeCo)の運用商品に関するルールが変わるようです。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者が700万人を超えてきました。
といっても、まだ700万人です。
どこまで伸びるかといったところも気になるのですが、どこかで頭打ちになるような気がします。
でも、節税効果は抜群に高く一番なので、そのメリットを知った人から、どんどん加入していくでしょうね。
しかし、反面、節税効果だけがクローズアップされて、本来の運用による年金確保という目的を満足しなければ、国が進める目的が全うできないです。
今回のルール変更は下記の2点で、そのようなものに焦点があたっているようです。
- 商品は「リスク・リターンの異なる3本以上35本以下の金融商品」とする
- 何も選択デフォルト商品に投資信託が採用されるように働きかけた。
■運用商品の品ぞろえのルール変更
確定拠出年金の商品は、どこの銀行や証券会社などで口座を開くかによって、選択できる商品が異なります。
我々からすると、どこが良いのか分からないというハードルがあるでしょうね。
どこの口座でも同じ商品を扱ってもらえると、悩まなくても良いのかもしれませんが、それは銀行の金利サービスや保険など一緒で、どの商品を扱うかで各会社の持ち味が出てくるということです。
商品群で選択していたらいつまで経っても口座開設できないので、他のサービス面(口座開設や運用手数料のコスト)などを見比べて、ある程度、腹をくくって決めるしかありません。
待っていたら、次からドンドン出てきて悩むことになりますし、最悪なのは、何も運用できずに年月ばかり経ってしまうということ。
定年退職まで運用できる期間が決まっているので、あまりのんびりしている暇はないと思います。
それに、最近のインデックスファンド商品群はどれもたいして差がないのも事実かと思います。
この商品が好き!というものがあれば、その会社で口座開設すればよいですが、それがなければ、口座管理コストで決めても問題ないと思います。
本題ですが、運用商品の品ぞろえは、従来は「3本以上、うち1本は元本確保型」と決まっていたそうです。
それが、ルール改正により、「リスク・リターンの異なる3本以上35本以下の金融商品」となったということです。
上限が決まった背景としては、「選択肢が多すぎて逆に選ぶのが難しい」という指摘が根強かったということですが、私はこれに関しては疑問があります。
各銀行や証券会社によって、商品本数が大きく異なります。
選択肢が多すぎて困るのであれば、少ない本数の会社で口座開設すれば良い事です。
結局、本数を減らしても、各社で取扱う商品がことなり、重複しない商品も多いので、会社間をまたいで悩むことに関しては違わないでしょう。
私は現状、本数の多いSBI証券でiDeCo口座を開設していますが、本数が減ると何が減らされるのだろうか?と思います。
せっかく、その商品が好きでやっているのに、他の商品に乗り換えを言われたら、抗議したくなります。
商品を減らすと、アクティブファンドが標的になりそうで嫌なんですよね・・・。
■デフォルト商品のルール変更
もう一つのルール変更が、「初期設定(デフォルト)商品」に関してです。
これまで、何も商品を選択していない人は、定期預金になっているところが多かったと思いますが、ルール変更により、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、「運営管理機関が選び、国民年金基金連合会のサイトで公表」ということになりました。
「我々はしっかりと運用することを目指しています」というのを公表することになるので、投資信託の商品に変更するようになった会社が出てきたということです。
実際、我が家では、妻が楽天証券でiDeCo口座を開いていますが、楽天証券ではデフォルト商品の案内がありました。
・商品
名称:楽天・インデックス・バランス(DC年金)
・特徴
- 日本を含む全世界の株式投資適格債券市場の代表的な指数に連動する外国投資信託を主な投資対象とし、幅広く分散投資を行う。
- 各資産の基本配分は、株式15%、債券85%とする。
- ファンドの管理費用(含む信託報酬)は年0.2078%程度(2018年3月時点)と低コスト。
債券が85%ということで、かなりリスクを抑えた運用になると思いますが、債券が元本割れしないわけではないので、少なからずリスクは存在します。
元本割れを嫌がる人は、銀行定期商品にしないといけませんが、何も手続きをしなければ、自動的にこの商品で運用されることになります。
私の感覚では非常に中途半端だと感じますので、何かしら商品を選択しなければ、無駄な運用のような気がします。
元本割れが嫌な場合は定期商品にすべきですし、少しでもリスクを享受できる人は株式中心のインデックスファンドにするべきだと思いますので。
■自動選択されるまでの流れ(期間)
楽天証券のホームページでは、デフォルト商品を自動選択される流れが書かれています。
簡単に言うと、初回の拠出から約4ヶ月以内に何かしら商品を選択しない場合に、この「楽天・インデックス・バランス(DC年金)のデフォルト商品が選択されるようです。
この約4ヶ月の期間は現金管理されます。
それまでに、約3ヶ月経った時点で、管理会社のJIS&T社から書面通知が来るようなので、残りの約1ヶ月以内に何か選択した方が良いということです。
ちなみに、2018年5月1日以前の加入者は、選択しないと、何の猶予期間も無く、自動的に「みずほDC定期預金」になるようです。
■まとめ
何とも面白いルール改正のような気がしますが、やはり、iDeCo(確定拠出年金)をやるからには、何らかの運用してほしいという国からのメッセージだと思います。
言ったら、「単に税金対策にしてほしくない」ということでしょうね。
逆に私が思うには、そこまで年金の運営が厳しいのかと勘繰りたくなります。
実際にそうなのだと思いますが、我々のような現役労働者世代は、しっかり運用しないと、将来困りそうですね。