iDeCoが100万人突破の勢いというニュースと共に、少し気になるニュースも出てきています。
それが、「iDeCoが60歳から65歳に引き上げ検討開始」というニュースです。
この年齢引き上げを好意的に捉える人と、悲観的に捉える人がいますが、どうでしょう?
60歳~65歳における自分の立ち位置によって変わってくると思います。
私はこのニュースはどちらとも取れないような感じがしました。
今日はiDeCoについて考えてみたいです。
■iDeCoの最も良い点は所得控除
iDeCoは確定拠出年金の個人型で、自分で掛け金を拠出して、運用し、老後に備えるといったものです。
iDeCoが徐々に広まってきていますが、ここまで注目されている理由は、拠出時の税金優遇が素晴らしい制度になっているからでしょう。
最も注目されるのが、拠出額全額が所得控除に当てられるということです。
通常、保険などの場合も所得控除に入りますが、全額ではありません。
iDeCoの掛け金は全額控除されるというこで、その人の所得税・住民税の税率にもよりますが、税金対策が素晴らしいということです。
したがって、税金をあまり払っていない人には恩恵が少ないわけですので、専業主婦などはあまり効果がないとされています。
さらに、所得の多い人ほど控除の効果が上がってきますので、高所得者優遇との意見もあります。
我が家のように、ダブルインカムで、税金を結構たくさん払っている家庭は、iDeCoをやればかなり効果は絶大です。
ただし、注意点としては、住宅ローン減税を受けている家庭は、余りにも控除されてしまうと、税金還付が減ってしまうという逆効果もあります。
我が家の場合も住宅ローン減税を受けており、夫婦共に、所得税は全額還付されていますが、住民税は結構払っていますので、まだ所得控除するメリットがあると判断し、iDeCoを10,000円だけやっています。
iDeCoの概要説明はその辺にしておきます。
さて、今回の60歳から65歳までの引上げ検討ですが、その時の立ち位置によって変わってくると書きました。
それについて考えてみたいと思います。
■好意的に受け止める人、悲観的に受け止める人
先ほど説明したように、iDeCoは拠出時の税金対策は抜群に良いので、65歳までに引き上げられることにより、65歳まで働いている人にとっては、この恩恵を受けられるのが5年延びるということになります。
この5年延長検討を好意的に受けている人は、65歳まで働くことを前提に言っているのだと思います。
逆に、60歳までで退職しようと考えていた人は、60歳から65歳に引き上げられることによって、引き出し開始年齢が5年延びたことになります。
60歳からiDeCoで運用した資産を少しずつ引き出しながら悠々自適生活を描いていた人は、梯子を外された気分になるので、悲観的に捉えられているのだと思います。
皆さんはどちらの気分でしょうか?
■60歳時点の自分が想像できないから・・・
私の感覚としては、65歳までの延長検討は、何とも言い難い気分です。
なぜなら、60歳の時点で自分がどうなっているのか想像できないからです。
現状、厚生年金も65歳基準と5年延びましたが、会社の雇用に関しては過渡期であり、私が勤めている会社は、定年65歳に変更とはなっていないです。
60歳の時点で希望者制度の雇用延長となり、健康などの特別な問題がない限り、雇用延長となります。
雇用延長というのか、再雇用というのか、良く分かりませんが、給与体系が変更になり、60歳時点の給与から25%程度は引かれるという噂を聞いています。
噂というのが微妙で、おそらく人によって違うのです。
会社からすると将来性のない老人を雇うことになりますから、できるだけ安く雇いたいと思うでしょうし、無駄に固定費を上げたくないはずです。
逆に、優秀な人には残ってほしいので、会社はそれなりの報酬を提示しているはずです。
したがって、現状は、60歳の時点でちょっとした就職活動しているようなものだと思います。
しかしこれも、時代の流れと、世の中の流れによって変わってくるはずで、現時点では過渡期なので、そんな良く分からないことになっているのだと思っています。
なので、私自身、60歳以降にどうなるのか、さっぱり想像できない感覚です。
想像しようにも、世の中の制度、特に年金制度がどんどん改悪されていきますので、それに合わせるように働いていなくてはいけないようになっているのだと思います。
■iDeCoの加入は有利である基本軸は変わらない
iDeCoの制度改定検討開始のニュースは、どうなるのかな?と心がざわつくニュースであることは間違いないですが、最終的にどのように落ち着くのかは想像できないですし、自分自身も60歳の時点でどうなっているのか想像できないです。
私が思うに、大切なことは、制度改定に踊らされたり、懐疑的にとらえて何もしなかったりするのではなく、自分の将来のために地道に資産形成・資産運用する人が、老後生活を安心して送れると考えます。
iDeCoの大きな軸が変わるわけではないので、指をくわえて様子見している人より、一歩でも先に進んでいる人の方が有利であることは間違いないでしょうね。