資産運用は米国株投資を中心にされているでしょうか?
私自身が米国株を軸にポートフォリオを組んでいるので、世の中みんな同じだと勘違いしてしまうのですが、まだ国内株式中心の人が多いようです。
日本企業だと自分の身近なものなので、投資しやすく安心なのかもしれません。
逆に、海外企業には不安を覚える人も多いのかなと思います。
そうはいっても、世界経済の中心は何といっても米国企業ですから、世界分散でポートフォリを組むとなると、米国企業は避けらせません。
そして、米国企業を厳選しようにも難しいと思いますし、個別株を買うのは証券会社の手続きも含めてハードルが高いです。
そこで、最近注目されているのが、『インデックスファンド』ということです。
インデックスファンドは円ベースで連動しているものも多いですし、米国企業を厳選する必要もなく、米国まるごと投資というのが実現できます。
さらに、信託報酬などの手数料もドンドン下がっていますので、かなり使いやすくなりました。
特にインデックス指数で注目されているのが、S&P500で、S&P社が選んだ大型株500銘柄の指数です。
投資界で有名なバフェット氏が、「ポートフォリオはS&P500で90%を」と言っているのでさらに注目を浴びています。
S&P500指数連動型のインデックスファンドは、2016年までは信託報酬も高いファンドしかなかったのですが、「つみたてNISA」開始に伴って、非常に安い手数料のファンドが設定されています。
特に使いやすいのが、iFree(大和投資信託)と、eMAXIS Slim(三菱UFJ国際投信)の商品です。
先にiFreeが設定されて、後からeMAXIS Slimが低手数料で設定されました。
私も、最初はiFreeで「つみたてNISA」の積立設定をしていましたが、eMAXIS Slimから出てからはそちらに変えています。
本日は、最初に設定されたiFreeのS&P500インデックスが運用報告書を発行しましたので、その中身について書きたいと思います。
特に「実質コスト」は大変重要なので、その点を最初に紹介したいと思います。
■実質コストが0.380%でかなり優秀
今回のiFree S&P500インデックスの運用報告書は、2018年9月7日決算です。
設定が2017年8月31日ですから、ちょうど1年経過したところで決算でした。
まず、最も気になる「実質コスト」についてですが、費用明細から見ると、0.380%という結果でした。
信託報酬は0.248%ですから、その差である0.132%が運用コストとなります。
直感的には、かなり安い運用コストだったと思います。
S&P500だけのインデックス指数なので運用しやすかったのかもしれませんが、運用コストが大幅に乗って信託報酬の倍程度まで実質コストが行ってしまうファンドもありますから、設定初年にしては、コストは優秀なファンドだと感じます。
■ベンチマーク乖離は+1.2%
ファンドの基準価額の騰落率は18.4%だったということです。
ベンチマークであるS&P500指数(円ベース)の騰落率は17.2%だったので、+1.2%の乖離でした。
プラスなので嬉しい乖離ですが、インデックスファンドは乖離をすることは駄目なので、乖離をできるだけ抑える運用が必要です。
プラスに乖離するということは、それだけマイナス乖離のリスクもあるということですから。
運用報告書では、設定翌営業日の乖離が大きかったと書いています。
その後は、先物を利用して、基本的に組入比率を100%前後で推移させたことから、乖離はほぼ発生しなかったそうです。
それにしても、1年で+18.4%、ベンチマーク自体も+17.2%という上昇率には驚きです。
2018年は、年初から調整が多く、比較的大変な年ではありますが、昨年後半の上昇がかなり効いているのだと思います。
■ファンドがこれらも安定しますように
運用報告書に「今後の運用方針」が記載されています。
このファンドはマザーファンドである「S&P500インデックス・マザーファンド」で運用しています。
基本的には米国株式に投資をして、S&P500指数のベンチマークの動きに連動させるようですが、効率性の観点からETFや先物にも投資をするということです。
ただし、ETFや先物の組入比率の合計は、純資産総額の50%程度以下に維持することを基本とすると書かれていました。
また、為替ヘッジは行わないことで継続です。
ETFや先物を使うと運用コストがかかりますので、実質コスト上昇リスクとなります。
本来なら現物で運用してもらうのが良いと思いますが、これも受益者の投資意識によっても影響を受けることになります。
急に大きな買付や解約が入ると、ファンドが荒れるようなことになるので、運用コストがかかってきます。
逆に、積立買付などで、一定的に流入されているとファンドが安定します。
その安定度合も結局は運用コストと実質コストに返ってきますので、受益者の投資意識を安定させるのが良いと思います。
個人投資家だけでないと思いますので、なかなか難しいことかと思いますが。
■eMAXIS Slimの実質コストが楽しみ
まだまだ、もう少し先になりますが、eMAXIS SlimのS&P500ファンドの実質コストも非常に気になります。
0.1~0.2%程度の実質コスト差であれば気にすることなく、乗り換えも必要ないとの見解を示す投資記事も多いですが、気持ち的には少しでも安いに越したことはないですからね。
S&P500指数は、指数の動きをみても穏やかで精神的にも良いので、指数連動インデックスファンドを個人的にはかなりお勧めしています。