なんでも道しるべ

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【これは錯覚です】塾が不要という学校の説明と進学実績のギャップ

先日、中高一貫校の中学受験の説明会に参加しました。

今年はコロナ禍で学校説明会が縮小されていますが、少しでも情報提供ということで、対策を取りながら説明会を開催している学校が多いようです。

今回、説明会に参加した学校は、6年間の通学後、大学進学実績も素晴らしいです。

また、関西の大学トップの京大への進学率もそれなりにあります。

しかしながら、説明の中で、非常に引っかかる点があるので、その点について本日は書きたいと思います。

■学校説明会での錯覚

私立や公立に問わず、小中学校や中高一貫校の説明会で、学校の先生がいつも話される内容があります。

それは「塾の必要性」です。

進学校や私立の説明会では、たいてい、「塾に通わなくても、自主的な学習スタイル定着を図る」「文科省の学習指導要領の授業時間を超えた授業時間数を提供する」という説明をされます。

そして、「卒業生の進学実績」を紹介されます。

この2つの流れを単純に解釈すると、これらの学校に進学すれば、塾が必要なく、輝かしい進学先に進学できるということになります。

でもこれは、はっきり言って「錯覚」です。

卒業生が全員、東大や京大に行っている訳でなく、中堅私立大への進学率が最も高いのが現状です。

東大や京大に進学している人が、本当に塾に通わず、学校の勉強と家庭学習だけで進学しているでしょうか?

答えは「NO」でしょう。

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実際、塾に通わない生徒もいると思いますが、塾に通わずにトップ大学に進学できるのはかなり難しいと思いますし、いたといても数人でしょう。(おそらく極少数と思っている)

結局は、進学校に行っても、塾での学習を併用して、成績の上位にいる生徒がほとんどだと思えます。

■学習に必要なことは絶対的な「時間」

学校の授業の質が悪い訳ではないと思います。

実際には、受験で足切りをされて、その学校のレベルにあった高い生徒が集っているわけですから、学校での授業の質は、様々な生徒が集っている地域の学校に比べると高いと思います。

それに、一部の勉強しない生徒による授業の質の低下は少なくなると思いますので、学校の授業はそれなりの質で行うことができると思います。

また、授業時間も多いですし、各学校の特徴的な取り組みなどで、生徒全体の能力・成績が上昇するのは間違いないと思います。

けれども、学校が公表している進学実績が、学校の取り組みだけで得られた成果でないのは確かだと言えます。

勉強というのは質や効率なども重要ですが、絶対的に必要なことは「時間」です。

どれだけ勉強時間を確保したかによって、成績が決まるといっても過言ではないと思います。

もちろん、同じ1時間の勉強でも、質の高い学習、効率の良い学習があると思いますから、質も重要です。

でも、それよりも大切なことが勉強時間を作ることだということです。

■学校+塾の必要性

子どもは、できたらサボりたいものですし、勉強しなくて良いのなら、しないです。

それが学校に行っている時間はしっかりと勉強しますし、テスト対策もします。

加えて、塾に行くことで、追加で時間を確保し、塾のテスト対策もしていきます。

それで、知らず知らずのうちに勉強時間に伴った能力が付いていっていると考えられるわけです。

学校の先生というのは、基本的に塾が嫌いな先生が多いです。

児童や生徒に公然と塾は必要ないと言う先生もいます。

なので、私も娘には、学校では塾の話をしないように、塾の宿題は絶対に学校でしないように、と伝えています。

中には、塾容認をしている先生もいますが、その理由は、きちんと利害関係が一致していて、クラス内で成績の良い生徒が増えると、クラス全体の活性化、平均点アップ、最後には自分の評価につながるからです。

■大学・大学院までの進学を見据えて

結局のところ、学習レベルを上げるためには、いかに学習時間を確保するかにつき、加えて、質の良い学習をするのかにつきます。

時間確保をして、しっかりと集中する時間を得るためには、学校の時間に加えて、塾での学習も必要だと思えます。

当然、高校生くらいになると、自立・自制ができますから、通信教材、オンライン授業などを上手に使う手もあると思いますが、小中学生などでは、通学などでしっかりと時間を確保した方が賢明です。

そうなると、塾費用とお金がかかりますから、学校はできるだけ安く通学できるようが賢いということになります。

授業料や設備関連費が高い学校に行くと、他の教育費にお金がかけられなくなってきますから、学校はできるだけ安いところに進学できるようにしていくべきです。

現代は、大学・大学院進学までを考えて教育プランを作らなくてはいけません。

そして、それまでの過程は様々なルートがありますから、正解というものもないです。

その中で、学校説明会の話と進学実績にはちょっとした齟齬があることを理解して、子どもの教育プランを考える必要がありそうです。