株式市場での投資を続けていると、必ず直面するのが暴落です。長期投資をしている方にとって、暴落時には一時的に資産が減少し、不安に駆られることも少なくありません。しかし、こうした時期にこそ、冷静に対処することが長期的な資産形成にとって重要です。今回は、暴落時における追加投資のタイミングや方法について、自分の体験や考えをもとに、どのように資産を守りつつ、資産を増やしていくかを考えてみます。
暴落時に感じる恐怖と長期投資の基本
暴落時、誰しもが「次はどうなるのだろうか?」と不安を抱えます。市場が急落する中で、これからさらに株価が下がるのではないかという恐怖が広がり、追加投資をためらってしまうことが多いです。この心理は非常に自然なもので、誰もが一度は感じたことがあるでしょう。
しかし、長期投資においては、暴落時にどう行動するかが大きな分岐点になります。一般的に、株式市場は長期的には成長傾向にありますが、その過程では必ず上下の波があるものです。暴落時の資産減少は一時的なものであり、ここで市場から逃げ出すと、その後の回復局面に参加できず、結果として資産形成に大きな影響を与えることになります。自分自身も、長期目線で見ているため、こうした局面での「放置」が基本だと考えています。
ただし、追加投資をすべきかどうかについては、もう少し慎重に考えなければならない点があります。暴落後の反発を狙って買い増しをするのは良い判断ですが、「さらに下がるのでは?」という恐怖が頭をよぎることは避けられません。この状況で行動を起こすかどうかが悩ましいところです。
二番底のリスクと段階的な投資戦略
特に「二番底」のリスクは、投資家にとって常に大きな不安材料です。一次底から反発した後、再度の下落があり、それが一次底を下回るケースが見られることがあるからです。これがいわゆる「二番底」で、ここが市場の最安値になることも少なくありません。しかし、逆に言えば、ここで二番底を恐れて投資をためらうと、最終的に反発した後に後悔することもあるのです。
二番底が発生するかどうかを予測するのは極めて難しいため、ここではリスク管理と投資の戦略が重要になります。一度に大きな額を投資すると、もし二番底が来た場合には資産がさらに減少してしまいます。そのため、段階的に投資を行うことでリスクを分散させることが推奨されます。
自分の場合は、一度に全額を投資せず、少しずつ買い進める方針を取っています。これにより、万が一市場がさらに下落した場合でも、追加投資を続けることで平均購入価格を下げることができます。また、逆に市場がすぐに反発した場合も、一定の利益を享受できるため、機会損失を最小限に抑えることが可能です。
ここで重要なのは、自分のリスク許容度に合った投資額を設定することです。たとえば、毎月一定額を投資するドルコスト平均法を利用することで、マーケットの動きに一喜一憂せず、淡々と投資を続けることができます。また、価格が大きく下がったタイミングでのみ投資する「買い増しタイミング」を決めることで、感情に左右されずに行動できるのも大切です。
感情に左右されないためのルール作り
暴落時の最大の敵は、自分の感情です。市場が下落すると、資産が減少している現実を目の当たりにしてパニックに陥ることもあります。しかし、長期的な視点を持っているのであれば、こうした一時的な動きに惑わされないことが重要です。
そのためには、自分なりのルールを作っておくことが有効です。たとえば、株価が一定の水準まで下がった時に買い増しを行うといった具体的な基準を設けることで、感情に流されずに行動することができます。また、市場が回復した後に一定の利益が出た時点で部分的に利益確定することも考えられます。
重要なのは、暴落は資産を減らすリスクだけではなく、逆に資産を増やすチャンスでもあるということです。恐怖を感じることは当然ですが、その恐怖に打ち勝ち、適切な戦略で行動できるかどうかが投資の成否を左右します。
今回の市場の下落に際しても、自分は「ここでビビって追加投資できないなら、そもそも投資なんてすべきではない」という考えを持って行動を決めています。もちろん、慎重さは必要ですが、長期的な資産形成を目指すのであれば、こうしたタイミングで適切にリスクを取ることが求められます。
最終的には、株式市場は長期的に成長していく可能性が高く、今後のリターンを狙うためには、暴落時こそ冷静に対処し、追加投資を検討するべき時期なのかもしれません。資産形成は時間をかけて行うものですので、短期的な感情に流されず、計画的に投資を続けることが大切です。