京大合格ランキングで公立高校の躍進を見ていると、非常に面白いです。
公立高校が躍進するということは、相対的に私立が下落するということですが、その理由が非常に明快で分かりやすい。
そして、学生であっても、世の中の人は群れやすく、実績に左右されて行動していることが良く変わります。
学習環境を得るという意味では、進学校に通うのは悪いことではないと思いますが、それが、通学に1.5時間以上かかる場合、それが本当に良い選択なのか?と言われると、微妙かなとも思えます。
往復3時間ですからね、1日24時間しかありませんから、1/8は通学時間になるわけです。
通学途中に勉強できるといっても、机に座ってやる勉強の集中力に比べれば、何分の1でしょうか。
そういう意味では、進学校に近い場所に住んでいる人は非常にお得ということです。
ただ、それであぐらをかいていたら、何をやっているか分かりませんけどね。
学校選びも人生の一つです。
進学実績だけで選ぶものではないと思いますが、とはいえ、思春期の学生ですから、周りの人に流されやすいのも事実。
周囲が勉強モードであれば、自分も自然と勉強態勢になるってものです。
その点においては、学校選びは重要なのかもしれません。
■近年は公立高校が躍進
関西に住んでいる私としては、京都大学への進学実績やランキングが気になって仕方ありません。
2017~2121年の5年間の平均値からした合格者数ランキングがあります。
まあ、合格者数が良いのか、合格率が良いのか、は様々な意見があります。
当たり前ですが、学生数が多いと合格者数が増えるのが当然ですし、人数が少なくて合格者が出れば率が上がるのは当然です。
どっちもどっち的な気がしますが、一般的には合格者数でランキングすることの方が多いような気がします。
ランキング(合格者数)は下記のようになっています。
- △北野(大阪)83.0
- 洛南(京都)66.0
- 東大寺学園(奈良)64.2
- △膳所(滋賀)56.8
- △天王寺(大阪)56.8
- 甲陽学院(兵庫)50.0
- 西大和学院(奈良)49.2
- △堀川(京都)46.2
- 洛星(京都)45.6
- 灘(兵庫)42.4
トップ10のランキングを取り上げてみました。
合格者数ランキングなので、学生数の多い学校が必然的に上位にきます。
洛南や膳所などは卒業生数が400人を超えるので、合格者数が増えて当然でしょう。
それに対し、東大寺学園や甲陽、堀川、洛星というのは200人台です。
2倍程度も学生数が違うのに、同じランキングにして良いのかな?と疑問に思いますが、こればかりは難しいですね。
合格者数ランキングと同時に、合格者数でピックアップした学校で合格率ランキングも一緒に掲載した方が平等かなと思いますね。
■公立高校の台頭は学区撤廃
先ほどのランキングで、学校名の前に△の印があるのが、公立高校です。
公立高校がトップ10の上位に入っており、トップ5中3校が公立高校です。
これが2000年以前ならトップ4は私立でしたし、2000年代であればトップ6が私立でした。
そこから、なぜ公立高校が躍進してきたのか、という話ですが、一つの理由としては、「学区撤廃」なようです。
確かに、私の地元も、自分が学生だった頃は3学区制でしたが、今は学区が撤廃されているようです。
理由は良く分からないですが、やはり少子高齢化とか、私立への進学などが影響しているのでしょうか。
高校にとっては、優秀な学生が分散するよりも、集まる方が良いと思いますので、進学実績を高めて、質の高い学生を集めようとしているでしょうね。
通う学生からすると、学習環境や仲間を求めて進学校に行こうと思うのでしょうが、学区撤廃によって通学距離が長くなるのはどうなのかなと思いますね。
■難関大学に行きたければ進学校に通うべきか
YouTubeで武田塾の高校受験チャンネルがあるのですが、通学時間をかけてでも進学校に行くべきか、近い学校に行って勉強時間を確保すべきか、というテーマで議論されていました。
二人の先生の意見としては、両方とも通学時間をかけてでも進学校に行くべきと言っています。
当然、勉強時間を確保するために、近い学校に行って優位に受験勉強を進めるという方法もあると言います。
けれども、武田塾の先生も、先生になるまでは受験勉強の確保の方が良いと思っていたそうですが、教える立場になると、学生には仲間を求めた方が良いと考えが変わったそうです。
受験の仲間は大切で、自分と同じ目標を持つ者や、自分よりも少しだけ賢い人間がいると、学校に行って勉強するやりがいが出てくると言います。
自分よりもレベルの低い仲間ばかりが集まっている学校だと、やはり高校生は多感な時期なので、流されてしまうのだと思います。
こればかりは自分の性格の問題もあるので、何とも言えないと思いますが、時間がたっぷり取れる通信制の高校もありますが、そこから東大などの合格者が多数出ていないことを考えると、進学校と予備校の組合せが最も好都合なのだと言えそうです。
少子化なので、学校の統合や学区の撤廃、私立への進学者数を考えると、公立高校は厳選されて、地区トップ校により一層集中していく構図になりそうです。