親目線で、大学入試は浪人まで視野に入っていますか?
当然、現役で合格するに越したことはないですし、無駄に浪人する必要もないです。
浪人を許すと、現役合格に拘らなくなり甘えが出てくるという考えも一理あります。
とはいえ、「なにがなんでも現役」と言っている親がしばしばいるようで、また、それを真剣に真顔で話されるということ。
ちょっと冷静に考えれば、現役で合格できるのは本人が相当頑張った結果であり、もし現役で失敗したとしても、合理的な考えから、現役に拘るひつようはありません。
でも、それは当たり前ですが、大学のレベル(ランク)にもよります。
私の場合は、二流大学でしたが(うーん、一応、三流とかFランとかではないはず)、二浪までの同級生は友達にいました。
おそらく、通っていた大学以上のランクの大学を目指していたのだと思いますが、高レベルの大学を狙うのであれば、少なくとも一浪、ちょっと悩むけど頑張れそう&合格できそうであれば二浪までは許してあげるべきかなと思っています。
なぜ、親は現役合格に拘るのか、その謎を考えます。
■データで見る現役と浪人の割合
まず実態を知るために、現役と浪人のデータを確認します。
全国平均では、現役合格が79%、浪人が21%と言われています。
約8割が現役、約2割が浪人ということになります。
さらに、国公立では、現役は72%で、浪人は28%です。
二浪以上は5%なので、現役が72%、一浪が23%、二浪以上が5%というデータになります。
まあ、国公立だと基本的には5教科7科目の受験があるので、その程度かもしれませんね。
10人いたら3人は浪人するのですから、現役で合格できると良く頑張っているということが分かると思います。
さらに、難関大学になると現役割合は減ってきます。
ここでいう難関大学は、旧帝大(東京、京都、北海道、東北、名古屋、大阪、九州)、早慶、東工大、一橋、筑波、神戸とします。
これらの難関大学の場合は、現役が67%で、浪人が33%になります。
現役合格率が5ポイント程度下がることになります。
私の印象では、あまり変わらないな、という印象でした。
最も現役率が低いのが京大と慶応の60%ですが、それでも10人中6人は現役なのですから、まあまま高い印象です。
もっと低いものかと思っていましたから。
■予備校の先生と親とのギャップ
難関大学でも10人中6人は現役合格、大学生の平均では10人中7人は現役合格ですから、中堅以下の大学であれば、8割以上は現役合格である可能性が高いです。
私の推測では難関大学では半分くらいかと思っていましたから、意外と高いなという印象です。
ただ、医学部になると、現役合格率は半分を切るそうです。
基本的には浪人という感覚が強いようです。
予備校の先生からすると、このような生徒を何人も見ていますから、浪人することが別に悪いと思っていません。
また、就活に対しても、一浪までだと現役と全く同じ扱いですから、問題ないと思っている先生が多いです。
けれども、親の感覚はそうではありません。
現役に拘るというか、浪人させるお金はないと言い張る親も多いそうです。
また、自分の子どもは浪人には耐えられないという親もいるそうで、それはおそらく自分が耐えられないのでしょうね。
塾に通っているくらいですから、それほど費用面でひっ迫性があるとも思えないです。
良く考えてほしいのが、浪人して難関大学に入った方が、将来にわたっての就職先や生涯年収を考えると、1年の学費なんて微々たるものであり、合理的だと思えるのです。
費用面で浪人をしないと考えるのはちょっと変です。
■親のこだわりは世間体から?
なぜそこまで現役に拘る親が多いのか。
私は学費や予備校代ではなく、別のところが本音だと思っています。
それは、世間体です。
最初に示したデータのように、現役生は7割くらいです。
特に中堅以下の大学であれば、8割以上の学生が現役でしょう。
そうなると、世間的に見れば、浪人生の方が珍しくなります。
浪人であることは胸を張って主張する人は少数だと思いますから、身近に浪人生は少数派だという感覚になります。
いわば、前例がないのです。
先ほどの予備校の先生であれば、浪人生は数多く見ていますから、何とも思わないのでしょうが、親となると母数が圧倒的に少ないので、浪人生が非常に少ないという印象になるのでしょう。
それが現役に拘る理由と感じます。
私自身は現役だったので、できれば現役で合格してほしいと願っていますが、私の出身大学よりも高レベルであれば、浪人も仕方ないのではないかと最近は思っています。
それは、仕事と学歴の関係を肌で感じているからです。
学歴は高い方が良いに決まっています。
一浪くらいなら何の問題もないと私も感じますので、今の内から、浪人の可能性も頭の片隅に入れておく必要はあるような気がしています。
まあ、本人のモチベーションを下げないためにも、浪人なんてことは言う気はないですけどね。