昨日の記事では、債券レバレッジ型のグローバルバランスファンドの紹介をしました。
- グローバル3倍3分法ファンド【G3】(日興アセット)
- 楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【USA360】(楽天投信投資顧問)
これらの商品は最近できたものなので、ここ2年ほどで非常に注目されています。
なかなか良い商品だと思いますし、純資産総額もかなり集まっているので好調だと思うのですが、その要因は、債券が好調で金利がマイナスだったからというのもありそうです。
2020年後半からは債券価格の調子が悪く、それに沿って純資産総額も減ってきました。
いわゆる流出状態になっています。
それでも、私はこれらの商品が一押しだと思えるのです。
昨日の記事でそう考える要素の一部を書きましたが、本日はもう少し詳しく書きたいと思います。
■この商品にたどり着いても、受け入れられない人は大勢いるでしょう
この商品にたどり着く人は、主に2ルートからだと思っています。
一つ目は、レバレッジが大好きな人で、元金の何倍もの運用ができるので、それが良いと思っている人。
二つ目は、低手数料のインデックスファンドが大好きで、債券やリートを含めたバランスファンドに関心が強い人。
それでも、これらの人達は、この商品には強い関心は生まれないと思います。
一つに、レバレッジが好きな人は、この商品では物足りなく、結局は債券の運用では心もとないなので、株式中心でやりたくなるから。
二つに、低手数料の商品が好きな人は、この商品だと手数料が高いと思うから。
三つに、債券にレバレッジがかかることに非常に違和感を覚え、リスクが高くデメリットだと思うから。
これらの考えの人は、最初は基準価額が上昇していて面白いから乗っかってみたものの、2020年後半の株価の上昇に対して、この商品の上昇率が鈍っているので降りたくなっていると推測されます。
この商品は、このような人にはかなり受け入れ難い商品だと思えるのです。
■私がこの商品を一押ししている2つの理由
私は、この商品が非常に良いと思っていることについて、2つ理由があります。
- 近年は、市場が過熱しすぎて株式インデックスだけだと危ないと思っているが、債券を含めたバランスファンドであっても、理論的には株式の期待リターンおよびリスクと同様になっていること。
- 元金を手元に残しておきたいので、フルインベストメントにしたくないが、この商品であれば資金が1/3程度で、現物投資のフルインベストメント状態にもっていけること。
■1つ目:リスクとリターンのわがままが叶う
1つ目については、米国市場は過熱しすぎだと言われ続けながら、ずっと上昇をしています。
日本株もそれに追従して上昇しています。
この要素は、2年程前に米国は好景気になってきて金融緩和を絞り出してきましたが、企業の収益向上で株価も上昇していました。
そこに、新型コロナがやってきて、絞めつけたくてもできなくなったことが、ここ1年程の状況です。
日本株の場合は状況が違いますが、金融緩和と新型コロナがダブルパンチでやってきていますので、現状はかなりのバラマキ状態です。
将来のことは誰にも分からず、このまま株価が上昇を続けるのか、どこかでバブルがはじけるのか、といった感じでしょう。
ただ確実にいえることは、コロナ禍によって一瞬はかなり株価が下落したけれど、金融緩和の劇薬は一瞬で持ち直すということです。
株価が半年先を読んでいるというのも一因であると思いますが、リーマンショック後の回復に比べて、コロナ禍の回復はあまりにも早かったと思います。
■2つ目:手元に現金を残したいわがままが叶う
2つ目に関しては、子育て世代や若い世代の人には共通することだと思いますが、やはり現金は手元に欲しいです。
資産運用を真剣に考えている人ほど、フルインベストメントにしたいと思っているでしょう。
株式100%の運用は怖いので、債券やリートを混ぜるなどのバランスファンドも考慮していると思います。
けれども、債券などが入ると期待リターンが減るので、リスクとリターンの関係性に悩む人が多いと思います。
また、自分が守るべき者がいる場合、子どもの教育資金や住宅資金などを考えると、元金はできるだけ減らしたくない気持ちが強いでしょうし、資産運用したいという強い気持ちと、元金を守りたいという強い気持ちの狭間で葛藤している人もいると思います。
■これでストレスフリーになれる
この2つの悩みの中で、これらの商品群はかなりの解決策になると考えています。
第一に、株式運用と同等のリターンとリスクを享受できます。
商品説明では、計算上は株式以上の期待リターンと株式以下のリスクとなっていますが、そんなことはどうでも良い次元です。
債券を含めると、リスクが減る代わりに、期待リターンが急激に減ってしまうことがシミュレーションで分かっており、これはどうしようもできないカーブだったわけですが、この商品によって、次元の違う点が発生したことになります。
第二に、手元現金の約1/3程度を資産運用に回すことで、現物投資と同程度の運用ができることは大きいです。
これは債券にレバレッジがかかっていることからできることであり、投資額の3倍~3.6倍の運用額になるのは非常に画期的で、投資をしない2/3の現金は手元に残すことができます。
フルインベストメントだと毎日ソワソワしてしまう人もいると思いますが。2/3が手元に残っていると、投資のことを忘れる感覚になれるでしょう。
その気持ちが大切で、自分が守るべき者がいる場合、手元に2/3の現金が残ることは心の安定やストレスフリーにつながります。
投資は自分の資産を増やすために必要なことですが、これでストレスが貯まるとなると本末転倒であり、上手くストレスを避けることが大切です。
■ネットのデメリット評判を斬る
ネット上の評判では、債券のレバレッジに対するデメリットを書かれる人が多いこと、バランスファンドなのに値動きが激しいことを書く人がいますが、そんなことは当たり前の領域です。
運用元本が1/3で済むのですから、レバレッジがかかっているのは当然ですし、債券が入っていてもリスクは株式運用と同等なのですから、値動きが激しいのも当然です。
それよりも、2/3の資産が手元に残るのが非常に素晴らしいリスク回避なのです。
レバレッジを債券のみにかけているのも、この商品のミソであり、組成した人と会社が素晴らしいと感じます。
できるだけリスクを最小限にしようと考えてもらっていますし、この仕組みを個人でやろうと思うと、相当の労力が必要です。
この商品は、購入して、ほったらかして、長期運用で、ストレス減になること間違いないと思います。