2021年度の英検受験の仕組みや検定料が大きく変わる発表がありました。
発表が少し遅いような気もしますが、検定料に関する事なので、かなり議論されていたのかもしれません。
学生が受けることの多い英検なので検定料をアップするのは難しかったと思いますが、コロナ禍で会場が使えなくなって急遽中止ということも多くあり、他の会場も使えるようにして分散することの必要性もあったようです。
様々な可能性を考えての発表だったと思います。
ただ、我が家の都合からいうと、準1級の検定料が大幅にアップされたのは、もう少し別の方法は無かったのかな?と思ってしまいますね。
■2021年度の変更点まとめ
いくつか変更している点がありますが、列挙すると下記のようになります。
- 従来型の試験(紙)の場合、これまで団体申込は一次試験が準会場と本会場があり、二次試験は本会場と決まっていたけれど、2021年度は準会場で二次試験もできようになるうえ、一次試験は本会場で二次試験は準会場という選択肢も増えた。
- 一次試験に本会場を選択する場合は検定料が約2千~3千円程アップする。
- 個人申込の場合、これまで一次試験は本会場だったが、団体受験の準会場に入れてもらえるようになる可能性が高く、その分、準会場検定料と安くなる。
- 英検CBT試験とS-CBT試験が統合し、S-CBT試験の一つとなった。ただし、申込時にライティングの回答方法を筆記型かタイピング型かを選択できるようになる。
- 英検S-CBT試験の検定料がアップされる。
まとめるとこのような感じです。
狙いとしては、本会場受験の検定料をアップすることで、できるかぎり準会場受験を選択してもらい、受験者を分散させることを考えているように思えます。
一番の問題点は、受験の質ではないでしょうか。
これまでは学校や英会話教室の生徒の受験だったので、先生と生徒の関係性があったので、不正は少なかったと思いますが、これをやることで、一般人も受験できるようになり、受験の姿勢の質が問われそうな気がします。
準会場の先生やスタッフがどこまできちんと対応できるかにかかってくるような気がします。
これでカンニングや不正などが起きてしまい、SNSなどで拡散騒ぎなどが発生すると、英検の質や合格証の有用性まで揺らぎかねないと思います。
コロナ禍で受験できなかった人が多かったので、このような処置をとるのは仕方ないことかと思いますが、受験の質を守る努力は必要かと思います。
■S-CBT試験は検定料を上げざるを得なかった?
S-CBT試験は、従来型の本会場の検定料から少し安い設定にしているのだと思いますが、今年の料金と比べるとかなりのアップになりました。
この決定には疑問があります。
S-CBT試験は日程の分散も可能なので、英検協会としてはS-CBTを受けてもらいたいと考えているはずです。
けれども、今年よりも料金が上がるとなると、S-CBT試験を受けようとする人が減ってくるのではないかと思うのです。
これに関してはあくまで推測ですが、便乗値上げになっているような気がします。
その意味は、今年の料金設定だとS-CBT試験を実施するうえで割に合わないことが分かったのだと思います。
本来、S-CBT試験は大学受験共通テストの4技能試験の外部試験という位置づけでスタートしていましたから、料金設定も従来型の試験より少し安く設定されていました。
これは受験生が受けやすくしてあげる料金設定だったと思います。
けれども、S-CBT試験はコストがかかるのでしょう。
1日の受験者数も少ないですし、手続きや準備等に人手もかかっているようなので、S-CBT試験を今後も継続するためには検定料アップは免れなかったのだと思います。
我が家の場合、娘は準1級を受験しますから、これが1万円を超えているのはかなり痛いです。
■個人申込で準会場選択可能なのは大変良い
今回の変更方針で、もっとも良い試みだと感じたのは、個人申込でも準会場を選択できるという点です。
上記では検定の質について書きましたし、それはリスクとしてあると思いますが、受験する側としては、本会場がけっこう遠い場合にはかなり助かります。
英検を受けるだけで1日がかりだったものが、近い会場で受験できるのであれば、移動時間などを考えると、拘束時間は少なくて済みます。
また、コロナ禍のなかで移動での感染リスクを考えると、近くで受けられるのは大きなリスク回避です。
この点においては良い決断をされたと思います。
あとは先ほどでも書いたように、検定の質をどこまで維持できるかにかかっていると思います。
準会場の先生やスタッフがちょっと大変なのかもしれないなと感じています。
でも、近くの会場で受けられるなら、S-CBT試験と合わせて、従来型も受験して、年間計6回のチャンスがありますから、これは受験生にとって大きなメリットですね。