昨日の記事で、新しい投資信託の指標「QUICKファンドスコア」について書きました。
シャープレシオでない新たな投資信託判断指標の登場!『見合った』をスコア化する - なんでも道しるべ
判断視点は、長期投資に向く投信かどうか。
下記の5つの判断視点で評価し、QUICKファンドスコアを出してくれています。
- リスク:運用方針に見合ったリスクを取っているか
- リターン:リスクに見合ったリターンを上げているか
- 下値抵抗力:下げ相場での価格の落ち込みが小さいか
- コスト:コストに見合ったリターンを上げているか
- 分配金健全度:元本を取り崩して分配していないか
総合スコアは、5つの評価指標を総合し、最も評価の高いファンドを10、最も評価の低いファンドを1で表されます。
昨日は、このスコアリングの紹介でしたが、やはり自分の保有している投信や積立している投信のスコアは気になるので調べてみました。
■「ひふみ投信」の総合スコアはまずまずの結果
まずは今年絶好調であった「ひふみ投信」からです。
QUICKファンドスコア(2017年11月末時点)
総合 8
- リスク 3.30
- リターン 9.00
- 下値抵抗力 4.50
- コスト 8.70
- 分配金健全度 9.00
ひふみ投信のQUICK投信分類は「国内株式」です。
■リスク3.30評価に関して
総合評価は比較的高いと感じますが、気になるのはリスクの3.30でしょうか。
これはリスクが高いのではなく、判断視点は「運用方針に見合ったリスクを取っているか」を見ています。
ひふみの戦略である市場過熱と判断したときには、50%まで現金比率を上げることができます。
この現金比率を上げることができる戦略がリスクの点数を下げているのか、実際には10%未満の現金比率なので運用方針に見合ってないと判断されているのか、分かりませんが。
現金比率を上げれることは、リスクを下げるように思えますが、逆の判断となった場合には、市場に取り残されていきます。
この戦略は、ファンドマネージャーにとってはかなりの難しい戦略だと思えます。
日本の個人投資家は逆張りを好んでいる人は多いです。
実際、秋以降の連騰上昇時には、順張りが基本の海外投資家に対し、個人投資家はカラ売りで対抗しました。
しかし、海外投資家の連続的な買いに対抗できなく、踏み上げ相場になっていったのが現状です。
この年末に来て、ようやく連騰は抑えられましたが、この1か月間はかなりボラティリティの高い相場になっています。
海外投資家の利益確定や短期筋のファンドに、日本の個人投資家が翻弄されているように私には見えます。
それだけ現金化による対応は非常に難しいものであるのは間違いないと思います。
もう一点、現状の運用では10%未満の現金比率です。2017年11月末時点で6.25%でした。
50%まで現金を上げれるとのことですが、本当にここまで現金比率を上げることがあるのか?と思えます。
これが運用方針に合っていないと判断されている可能性はあると思います。
■他の項目の評価は?
下値抵抗力4.50と低めです。
ひふみ投信は、国内の小型グロース株を中心に投資していますので、下げ相場での落ち込みも大きいはずです。
そこを底力のある会社の選別と現金比率を上げることによって対応しているわけですが、4.50ということは少し懐疑的にみられているのかもしれませんね。
高パフォーマンスであることから、リターンは9.00と高スコアです。
これが効いて総合スコア8が出ていると思います。
分配金健全度は9.00です。
現時点では分配金は出していませんので当然だと思いますが、9.00なのですね。どういう分配金の出し方とすると10.00になるのかな?と少し疑問に思います。
「国内株式」分類内での相対評価ですので、総合スコア8はなかなか高いスコアだと思います。
高パフォーマンスにより出ているスコアであるような気がしますので、このまま維持できれば良いのですが、どうでしょうね…
■「ひふみプラス」は評価が少し落ちる。その訳は…
ちなみに同じマザーファンドで運用されている「ひふみプラス」は下記の評価でした。
総合 7
- リスク 3.30
- リターン 9.00
- 下値抵抗力 4.50
- コスト 7.20
- 分配金健全度 9.00
総合スコアが7に落ちているのは、コストが7.20だからです。
ひふみ投信の場合は8.70です。
このコスト評価の差は、資産形成応援団の有無だと考えられます。
ひふみ投信の資産形成応援団は、直販で買付している「ひふみ投信」の保有者のみが享受できる仕組みです。
他の証券会社経由で買付できる「ひふみプラス」ではこの仕組みはありません。
5年保有で年率0.2%分、10年保有で年率0.4%分を応援金として還元してくれます。
年に2回(4月、10月)、応援金を入金し、新たに「ひふみ投信」の買付をするということです。
したがって、現金を渡すわけでなく、応援金分の口数が増えるということです。
実質的には信託報酬が下がることを意味します。
信託報酬は、基準価額の計算時に徴収されていますから、一度は決まった信託報酬が取られますが、資産形成応援団に該当する口数分は還元するという仕組みですね。
この仕組みの有無で、コストの評価が変わって、総合スコアも1つ異なることからも、コストは重要だということが再認識されます。
私自身もこの仕組みの有無で、「ひふみ投信」にするか、「ひふみプラス」にするか迷いました。
最後は、「つみたてNISA」で複数の投信を買付したいという考えから、「楽天証券」に「つみたてNISA」口座を開設し、「ひふみプラス」で運用することにしました。
ただ、これまでに「ひふみ投信」に積立している残高があります。
資産形成応援団の還元金はとても興味がありますので、そのまま保有してみようと考えています。
保有資産の証券会社をできるだけ少ない数にまとめたいなと思っていて、利益確定をしようかと頭をよぎりましたが、せっかくなので還元金が欲しくなってきました。
この記事で、私の保有している他の投信を含めて、全ての「QUICKファンドスコア」を示そうと思いましたが、なんだかんだと書いていると長くなってしまいました。
他の投信は次の記事にしたいと思います。