今年に入って早くも1ヶ月を過ぎようとしています。
個人の資産形成・資産運用では、2018年から「つみたてNISA」の制度が始まり、投資の世界が急に身近になったような気がするのは私だけでしょうか。
「つみたてNISA」って分かっているようで分かり難い制度ではあるのですが、すでに昨年(2017年)の9月に金融庁が資料を作ってくれています。
『導入直前!「つみたてNISA」の制度説明』という資料ですが、その中にQ&Aがあります。
「つみたてNISA」が始まったものの、ちょっとした疑問がある人は多いと思います。
今日は、そのちょっとした疑問を解消しておきたいと思います。
■つみたてNISAの「積立」の基準とは?
「つみたてNISA」はその名のとおり、積立をする必要があります。
『積立って毎月やらないといけないの?』そんな疑問が出てくると思いますが、金融庁は下記のように答えています。
つみたてNISAでは、「定期的に継続して」買付けを行う必要があり、ここでいう「定期的に継続して」とは、例えば、以下のような場合が想定されています。
- 毎月の頻度での買付け
- 毎営業日や週に1回(特定の曜日)、2ヶ月に1回の頻度での買付け
- 年2回のボーナス月のみの頻度での買付け
(引用:導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、金融庁、平成29年9月21日の資料より抜粋)
「つみたてNISA」の設定を実際にやったことある人は、この金融庁の回答どおりの設定ができるようになっていると思います。
極端な話、毎月はゼロで、ボーナス2回だけ買付するといった、ある意味スポット買いみたいなものも「つみたてNISA」の対象になるようです。
ボーナス1回だけというのは、定期的に継続ではないので無理なのだと思います。
ただ、ボーナス月というのが、本当にボーナスの月なのかは誰も知らないので、ある意味、「増額月設定」という考え方で良いと思います。
当ブログでも紹介しましたが、究極のドルコスト平均法の毎営業日の買付も「つみたてNISA」で可能です。
SBI証券や楽天証券などで毎営業日積立の設定ができます。
それを口座引落サービスと組み合わせると、振込みといった面倒なことをせず、また手数料無料でもあるので、ほったらかしで資産形成ができるわけです。
SBI証券の場合、口座引落サービスの金額を自由に決めれるようになったので、営業日が月毎で違っても問題ありません。残金は余力資金に反映されています。
我が家の場合は、楽天証券で楽天カードで積立をしますので、残念ながら、楽天カードは毎月12日(休日の場合は翌営業日)がファンドの買付日と決まっています。
私は自身は毎営業日積立というのをやってみたかったのですが残念です。
「つみたてNISA」の対象商品ではないですが、SBI証券の一般NISAで「ラッセル・外国株式インデックスファンド」でやってみようかと考えています。
■1回あたりの買付の上限は?
続いて、素朴な疑問ですが、「つみたてNISA」は年間40万円と決まっていますが、『1回あたりの買付金額に上限はあるのか?』ということです。
そして、『月毎に積立額を変更することができるのか?』という疑問も出てきます。
つみたてNISAでは、年間の非課税投資枠(40万円)の範囲内で「一定額ずつ」買付を行っていただくこととなります。
そのため、一回当たりの買付金額は、原則として「40万円を1年当たりの買付回数で除した金額」となります。
例えば、毎月買付を行う場合には、その上限は33,333円となるほか、年2回のボーナス時のみ買付けを行う場合には、その上限は20万円となります。
(引用:導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、金融庁、平成29年9月21日の資料より抜粋)
この回答からは、上限は20万となりそうです。また、月毎に積立額を変更するのは難しそうです。
1つ目の質問のボーナス月を上手く利用することで、ボーナス月だけを増額するといったことはできます。
基本は積立がベースであり、ドルコスト平均法によって、相場の状況に投資判断を左右されることなく資産形成することが狙いだと思いますので、毎月一定額が良いのだと考えます。
ただ、金融庁に言いたいのは、40万円は誰が決めたのでしょうか?余りにも中途半端すぎますよね。
33,333円では年間40万円にならないですし、年間40万円きっちり積立するには、ボーナス増額月の設定が不可欠です。
40万円ありきで、そのあと運用制度が決まってきたように見えますが、iDeCo制度では綺麗な年間額ではないので、同じようにしてほしかったです。
■分配金再投資に関して
次は、私が投資信託を選ぶ基準で重要視している点に関する質問です。
『分配金再投資はできるのか?』という疑問ですが、これは運用面で考えておく必要があります。
年間の非課税投資枠(40万円)の範囲内であれば、つみたてNISAで買い付けた公募投信やETFから生じる分配金により再投資が可能です。
なお、年間の非課税投資枠(40万円)を超過する分は、課税口座での買付けとすることも可能となっています。
(引用:導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、金融庁、平成29年9月21日の資料より抜粋)
分配金は複利の効果を下げるので、私は分配金を出しているファンドは基本的には買付しないようにしているのですが。(実際にはありますが)
ETFは分配金が基本的にには出すものが多いです。
この回答からは、40万円を超過する場合は課税口座で買付しなくてはいけませんから、40万円ピッタリの積立を組んでいる人は分配金は課税口座に移ります。
非常に無駄ですよね。
私のポートフォリオでは、コモンズ30ファンドは分配金を出している年が多いです。今後はそれが問題になるかもしれませんね。
他にも、楽天・バンガード・ファンドやiFree S&P500インデックスファンドなども分配金が出るのか、出ないのかは分かりません。
つみたてNISA枠で買付しているものは、できれば分配金を出して欲しくないです。
分配金はちょっとしたお小遣い気分で嬉しい人が多いようですが、このように複利効果と非課税枠の両方でマイナスです。
ファンドの運用会社も手立てを考えておいてほしいですね。
■昨年までに一般NISAで買い付けたものはそのままでOK
最後の質問ですが、すでに「一般NISA」を使っている方も多いと思います。
※当ブログでは「従来NISA」という表現をしていましたが、金融庁の資料からは「一般NISA」みたいですね。今度から「一般NISA」を書きます。
『「一般NISA」から「つみたてNISA」に変更する場合、すでに一般NISAで保有している商品はどうなるのか?』という疑問です。
「一般NISA」から「つみたてNISA」に変更する場合であっても、既に「一般NISA」で保有している商品については、最長5年間はそのまま非課税で保有可能で、売却益も非課税です。
「一般NISA」と「つみたてNISA」の選択制は、これから新規で買い付ける商品をどちらのNISAで受け入れるか選択するという趣旨です。
既に保有しているNISA商品が課税扱いになったり、売却しなければならないといったことはありません。
なお、「一般NISA」と「つみたてNISA」は年ごとに変更することも可能です。
(引用:導入直前!「つみたてNISA」の制度説明、金融庁、平成29年9月21日の資料より抜粋)
すでに「一般NISA」を使っている人は非常に悩むと思います。私も悩みました。
一番悩むのは、ロールオーバー制度があるからです。運用益で120万円を超えていてもそのままロールオーバーできるのは得な運用制度です。
私が考えたのは、できるだけ、一般NISAで引き延ばせるだけ引き延ばそうと思ったのです。
我が家は、家計全体としてそれほど大きな積立額を捻出できませんので、一般NISA+つみたてNISA+iDeCoを全てを合わせた積立金額は難しいのが実際です。
「つみたてNISA」と「iDeCo」は毎月決まった額を積立していきますが、「一般NISA」はスポット用にしていこうと考えています。
昨年は110万円超の買付ができましたが、今年は少なくなると思っています。
しかし、今年は(制度が変わらなければ)ロールオーバーを使った10年間投資の最後の年になるので、できるだけ多めにスポット買いを入れたいと思っています。
特に、特定口座で保有している分を「一般NISA」に移していきたいと思っていますが、売却益が課税されるので悩んでいます。
ただ、今後10年間のことを考えると、今の内に「一般NISA」に移した方が得だと思いますが、高値つかみにならないようにタイミングを図りたいです。
「一般NISA」と「つみたてNISA」を年ごとに変更できますが、毎年変更するのは管理上、難しいのではないかと個人的には思います。