ひふみ投信の運用報告書が発行されました。
ひふみ投信には、同じ運用方針でありますが、ひふみプラスとひふみ年金があります。
この記事では、ひふみ投信の運用報告書のデータから紹介していきたいと思います。
今回で第9期となるそうです。決算日は2017年10月2日で、期間は2016年10月1日~2017年10月2日となります。
ひふみ投信の決算日は9月末なのですね。
決算日を年末にすると大変なのかもしれませんが、12月末とかにできないものなのでしょうか?
どこの投信も同じ事情なのかもしれませんが、ひふみ投信がベンチマークの対象がないとしても、株式市場は年で見られることが多いですから、比較するのには年で区切ってもらった方が分かりやすいのに、って思います。
■今年は株価が絶好調!ひふみ投信はもっと絶好調!
昨年末から今年は非常に株価が上昇した年だったので、参考指数もひふみ投信も絶好調だったことが数値で分かります。
- ひふみ投信 +37.4%
- TOPIX +29.2%
代表の藤野氏がいつも言っていますが、ひふみは東証が上昇しているときはパフォーマンスが追いつかないことがある。
逆に調整時期などは、ひふみの投資銘柄が相対的に買われるので、高パフォーマンスが出ると言っていました。
けれど、この結果を見ると、そんな懸念が一掃されています。
日本株が絶好調であっても、ひふみ投信はしっかりと付いていき、さらに、+8ポイント以上の差をつけているのですから。
■過去5年間は綺麗な右肩上がり
2012年10月1日からの基準価額と純資産総額のグラフが掲載されています。
(引用:2017運用報告書より抜粋)
あまりにも右肩上がりのグラフに見慣れてしまってはダメなのですが、非常にすばらしいグラフです。
2016年はチャイナショックでTOPIXがマイナスでしたが、ひふみはきっちりプラスで終えていますし。
2012年10月1日では、基準価額は13,415円です。純資産総額は約25億円です。
それが、今回の決算日の2017年10月2日では、基準価額は45,440円です。純資産総額は約868億円に膨れ上がっています。
基準価額の上がり具合も問題点が無いほどですが、それよりも純資産総額が5年で34倍以上に増えているのは驚きです。
基準価額に関してですが、ひふみ投信の場合は、ドルコスト平均法のデメリットが発生しています。
2017年6月までのデータですが、
- 設定来の運用成績 +327.7%
- 設定来からつみたて運用成績 +151%
実際には2017年10月2日時点で45,440円ですので+354.4%ですが、ここは比較しやすいように、つみたて運用成績のデータがでている時期に合わせます。
リーマンショック級の調整時期を経験しているファンドなので、本来であれば、つみたて運用の方がドルコスト平均法の口数積み上げが有効に働くはずです。
しかし、ひふみ投信はその後も右肩上がりの基準価額のカーブを描いているので、ドルコスト平均法が負けるといわれる状況になっています。
一括投資ができる資産を持っている人は、資産を眠らせることによる機会損失よりも、一括でひふみ投信に預けた方がリターンが良かったということになります。
とはいえ、若い世代の人は、コツコツ積み上げるしかありません。毎月数万でゆっくり投資することで、リスクを減らした方が賢明であることは間違いないです。
この実績はあくまで過去です。ひふみ投信がここから低パフォーマンスになる可能性がないとも言えません。
■年代別顧客数データに注目
上記のような実績に注目して、一括投資したのでは?と思えるデータが載っていました。
それは、「ひふみ投信の販売状況」の「年代別顧客数」です。
(引用:2017運用報告書より抜粋)
文章によると、2016年までは、40代以下の資産形成層が65%以上占めていたそうです。
あることがきっかけで、50代以上の層が増加して、40代以下の割合が57%まで下がったそうです。
それが、テレビ放映「カンブリア宮殿」に藤野氏が出演したことがきっかけのようです。
40代以下が65%から57%まで下がるということは、50代以上のまとまった資金をもっている層が一括投資したのだと想像できます。
そして、今年は、この上昇率です。年初にテレビ放映を見て、一括投資した年配の方々は、「ひふみ投信は凄い」となったことでしょうね。
噂が噂を呼んで、ひふみ投信に集まる投資総額が急激に上昇したのでは?と思います。
実際に、昨年の決算日との純資産総額の対比は下記です。
- 2016年9月30日 純資産総額 約331億円
- 2017年10月2日 純資産総額 約868億円
単純に今年だけで2.5倍以上に増えています。
テレビ効果が凄いというけれど、これは、ひふみ投信のパフォーマンスが良かったことも相乗していると思います。
藤野氏が非常に良い時期に出演されたこともありますが、TOPIXよりもリターン結果が良かったことで、ひふみ投信に資金が集まったのでしょうね。
私もこの1年のひふみ投信の基準価額の値動きを日々確認していました。
印象では、「東証が上がっていると同じように上がって、東証が下がっているときはマイナスが小さく、東証が横ばいの時は上がっている」という感覚があります。
銘柄選択が上手だというのは言うまでもありませんが、この高パフォーマンスを維持していただければと思います。
■これからのひふみ投信
これからのひふみ投信は、膨れ上がった純資産総額をどのように運用するかで運命が決まってきます。
すでに、米国銘柄や上場ベンチャーへの投資を始めていますが、毎月の運用報告会を聞いていると米国以外の地域も回っているようです。
今回の運用報告書(2017年10月2日)では、米国株の割合は3.0%%になっていますが、その後も買い付けて3%は超えているはずです。
マイクロソフトとアマゾンを買っているようですが、その他の銘柄にも注目していきたいです。先月はボーイングって名前も出ていましたね。
私の方は、2018年からは「つみたてNISA」開始に伴って、ひふみプラスに鞍替えすることにしています。
ひふみ投信の残高が残っているのですが、ここまで右肩上がりだと、課税されるのももったいないので、貯金のように置いておこうかな…