本日もセゾン投信「第11期 運用報告会」のウェブ公開動画について、感想を書きたいと思います。
昨日の記事では、セゾン投信の2ファンドのうち、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の運用結果について書きました。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの11期運用報告より個人的感想を述べてみる - なんでも道しるべ
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドにはベンチマークがありませんが、株式と債券を1:1で運用していることから、参考指数を合成算出したものと比較されていました。
運用のリスクに相当する標準偏差(バラツキ具合)は良好な数値で、債券に相当するようなリスク結果でしたが、リターンは合成指数よりも下回っていました。
信託報酬分はマイナスになることは仕方ないですが、さらにもう少しマイナスとなっていました。
自分で運用するよりも、「リバランス」および「下落資産クラスの買付」のメリットがありますので、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドで運用する利点がありますが、私にとっては、守備的な運用は年齢的に少し早いような気がしています。
現状、積立休止中ですが、この判断は間違っていないと感じました。引き続き、運用状況をチェックしていこうと思います。
本日は、現在もiDeCoで積立を継続している「セゾン資産形成の達人ファンド」の報告内容と考察を書きたいと思います。
■セゾン資産形成の達人ファンドの概要
まずは、私の事情ですが、セゾン投信は少し前までは直販だけの取扱いだったので、セゾン資産形成の達人ファンドを課税口座で積立を行っていました。
楽天証券のiDeCoで取扱いするようになって、やはり非課税口座で運用する方がメリットは大きいので、直販の積立からiDeCoの積立に変更しました。
運用報告会では、運用の目的をまとめられていました。
- 世界におけるグッドカンパニーの株式に割安に投資することにより、市場平均を上回るリターンの獲得を目指すファンドを見つけてそのファンドに投資する。
- 為替ヘッジは原則として行わない。
セゾン資産形成の達人ファンドは、運用は難しそうですが、目標は明解です。
「ファンド・オブ・ファンズ」、「世界分散投資」、「割安株投資」、「市場平均のアウトパフォームを目指す」ということです。
信託報酬が1.35±0.2%と高いですが、この信託報酬に見合う運用をしてもらえれば、何も言うことはないです。
逆に、市場平均から少ししかアウトパフォームしてなかったり、ましては下回る運用が継続されていたりしていれば、私はすぐに考え直すことになると思います。
それはおそらく、他の個人投資家の人達も同じ行動をされると思います。
■第11期の結果
まずは第11期の結果を確認しておきます。2016年12月~2017年12月までが第11期となります。
このファンドもベンチマークが当然ありませんので、参考指数になります。
参考指数としては、「MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(配当込)」としていました。
第11期の参考指数が+19.5%に対し、ファンドの基準価額は+25.0%の結果であり、その差+5.5%でした。
私にとっては驚きの+5.5%です。
これは、信託報酬最大1.55%とっても十分な結果でした。(実際には、すでに信託報酬を引いて、基準価額が+25.0%なので驚異的です)
報告時の分析結果では、MSCIの参考指数に対し、ファンドの寄与が4.0%で、地域別配分の寄与率が1.5%だったということです。
世界平均の参考指数に対し、ファンドも地域分散でもプラス寄与ということで、運用においても、地域分散効果においても、両方において良いパフォーマンスをたたき出したことになります。
ただ、昨年(2016年)は参考指数に対して-5.1%の結果で、一昨年(2015年)は参考指数に対して+7.3%の結果でした。
毎年、勝ったり負けたりしているので、何とも言えませんが、過去11年間で参考指数に勝った年が9回で、負けた年が3回です。
ずっと勝ち続けることは難しいことだと思いますが、できるだけこの勝ちペースで進めてほしいと願うばかりです。
■組入ファンドの解析
組入ファンドの勝ち負けを解析しています。
組入れているファンドでパフォーマンスが良好なのが、「バンガード・米国オポチュニティファンド」と「コムジェスト・ヨーロッパファンド」と「スパークス・集中投資・日本株ファンド」だということです。
逆にパフォーマンスが悪いのが、「スパークス・ワンアジア厳選投資ファンド」です。
房前氏が気になると言っていたのが、「AB・米国集中投資株式ファンド」と「BBHコア・セレクト・ファンド」の2ファンドです。
米国オポチュニティファンドが良すぎるので、この2ファンドがS&P500指数よりもアンダーパフォームしているのが気になるということでしょう。
房前氏は昨年も同じことを言っていましたが、「オポチュニティファンドだけでいい」と思っているそうです。
2017年は、オポチュニティファンドの資産総額を減らしたということで、「度胸があるなぁ…」と言って、会場が苦笑していました。
この判断の結果は、次回の第12回運用報告会で判明しますね。
ファンドマネージャーの瀬下氏は、この解析が一番辛いのではないでしょうか。
全体の運用として勝っていても、ファンド毎の勝ち負けを言われますからね。
■「セゾン資産形成の達人ファンド」で思うこと
このような解析データとセゾン投信の運用手法をみていると、やはりセゾン投信は、この「セゾン資産形成の達人ファンド」の運用にかなり力が入っているように思えます。
以前の記事でも書きましたが、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、予め決められた運用方法に添っていますので、運用において、あまり考える余地は残っていません。
中野社長はアクティブファンドだと書籍などで言っていますので、アクティブ的な運用要素があるのだと思いますが、私にはインデックスのようにしか見えないのです。
逆に、セゾン資産形成の達人ファンドは、かなりアクティブなファンド・オブ・ファンズだと思います。
ファンドの入替えもよく見られます。
投資先のファンドの運用方針がセゾン投信と合っていないようであれば、見極めて、ファンド入替えをしているようです。
信託報酬はインデックスファンドに比べると高いですが、アクティブファンドの中では安い類に入ると思っています。
最も重要なことは、信託報酬よりもリターン・パフォーマンスです。
このパフォーマンスが続くのであれば、これからもiDeCoで投資ができそうです。