コロナ禍の影響で最も被害を受けているのは、学生なのかもしれないです。
高校生や大学生の授業や入試に加えて就職活動の問題がクローズアップされています。
小学生や中学生には授業が遅れているという課題が出ていますし、今後、コロナの第2波・第3派が起きた場合は、今年で授業が完結しないということが起きかねません。
この春の休校は緊急事態宣言を受けてのものでしたが、今後は経済停滞の問題がありますから、緊急事態宣言も出にくいと思われますし、そうなると一斉休校も起きにくいでしょう。
そうなった場合、生徒内でコロナ感染者が出た場合は、学校単位で休校処置を取るなどして対応するでしょう。
すでに遅れが生じているのに、さらに遅れますし、インフルエンザ等の学級閉鎖と同じような対応をすることになりますから、大型連休や休日に学校に登校して、詰込み授業を行うのでしょうね。
それだけに留まることはないです。
最も深刻なのは、親の家計が悪化している状況で、進学先への影響が大きくなってくることです。
■私立への進学を躊躇する動き?
近年の大不況は2008年頃のリーマンショックです。
この時は、中学受験者が約2割ほど減ったそうです。
子どもへの教育費用はできるだけ抑えたくないのが親の心情ですが、衣食住が十分に賄えないのに、教育資金だけ手を付けないのは無理です。
趣味娯楽費、通信費、保険代などの固定費を削減しても、さらに削減が必要になった場合は、教育費を抑えるしか方法がありません。
特に中学の場合は、公立に行けば授業料は無料ですが、私立に行けば年間100万円近い学費がかかりますから、当然だと思います。
また、今回の場合は、コロナウイルスですから、電車通学などはハイリスクとなります。
お金はかかるし、通学でハイリスクだし、となると、私立に進学するのを躊躇するのも分かります。
公立と私立では教育思想が異なりますから、最先端授業や特化授業を受けさせたい場合は、私立にいかないといけません。
あとは、学費とリスクとの兼ね合いということです。
■国公立重視になるのか?
今年が5・6年生という家庭は、既に中学受験に向けた準備を整えていますから、ここで辞めるという選択はしづらいかもしれません。
それでも、資金的には厳しい家庭の場合は、断念しないと仕方ないです。
そして、今、3・4年生という家庭が、費用とリスクから躊躇することが増えると思われますので、ここから2~3年後にかけて、中学受験者数が減少傾向になっていくと予想できます。
そしてこれは、現中学生の高校受験にも影響があると予想できます。
私立高校の授業料実質無料化が始まっていますから、影響が少ないと思いきや、学費は授業料だけでは無いですし、通学のコロナ感染の影響もあります。
したがって、高校も公立重視になる可能性が高い訳です。
これが先にどのような影響が出てくるかですが、高校受験や大学受験に影響が出てくると思われます。
パターンとして、経済が回復している場合と、回復していない場合です。
回復していない場合は簡単で、数年先の高校受験や大学受験でも国公立主体の受験模様が出るということです。
経済が順調だったこれまでであっても、例えば大学受験の費用は大きく取り上げられ、子ども一人にかかる費用が1,000万円や2,000万円と言われていました。
これがコロナ禍によって、さらに問題視されることになり、最悪は子どもの進学にも影響を与えかねません。
■子どもへの投資はできれば惜しみたくない
子どもへの投資は惜しまないと考えている親は多いと思います。
学資ローンや奨学金を使ってでも、大学までの進学を考えてあげたいと思っている親はたくさんいます。
でも、このコロナの影響は過去最大級です。
経済の低迷と感染者の抑え込みが天秤にかけられていますが、その影響は大人のみならず、子どもの学力や進学先、そして就職活動や人生までにも影響を与えることになりそうです。
リーマンショック後、10年間は経済が右肩上がりで、後半の2015年以降はお金がジャブジャブだったような雰囲気でした。
それが、親が子どもへかける教育費にも効果を与え、小学生~大学生の広い範囲にわたって、学習の選択肢の幅が増えていったと思います。
コロナウイルスによって逆戻りしそうな感じがあり、様々なところで影響がありそうです。
親の資本力の差が子どもの学力差になっているのは、今も昔も変わりませんが、コロナ禍によって、さらに差が広がるかもしれません。
■子どもを不安にさせない
何にでもお金さえかければ良いというわけではありませんから、必要な時に、必要な投資をしてあげれば良いのですから、前代未聞のコロナ禍の終息が見えないので、躊躇する気持ちが芽生えてきて怖いです。
いつかは元に戻ると信じて生きている人が多いと思います。
子どもも一緒だと思いますが、あまり子どもへ不安が広がらない体制を大人が取るべきではないかなとつくづく考えさせられます。