東工大に女子枠が設置されるというニュースが話題になっています。
まあ、もともと男子校だと言われるくらい女子の人数が少なかった大学ではありましたが、普通に考えて、これは問題になりそうですね。
性別で女子が有利になるという点は大きな問題です。
いくら女子が少なかったとはいえ、女子枠を作るということは、男子の合格者が問答無用で減るということです。
実施されるようになるとすぐにデータが出てくると思いますが、女子枠で合格した人の入試の点数がおそらく低くなると思います。
当たり前ですが、競争が減る訳ですから、低い点数でも合格できることになるわけです。
これは不公平だというデータが必ず出てくると思います。
その時に大学はどのようにするのでしょうか?
■女子枠は推薦型に属す
今回の女子枠は、総合型および学校推薦型の中で作るということです。
また、推薦型の人数を増やしていくようですから、一般入試の人数も減ります。
具体的には、これまで一般入試が930人、総合型および学校推薦型が98人だったのに対し、2024年入学では、一般入試886人、推薦型84人、女子枠58人となります。
さらに、2025年には、さらに女子枠を拡張し、一般入試801人、推薦型は84人で変わらず、女子枠が143人となります。
段階的に一般入試の人数を減らすと同時に、従来の推薦型も減らしていっています。
これにより、点数の高い男子学生が不合格となり、点数の低い女子学生が合格するという矛盾が生じることがほぼ確実に起きそうです。
■結局はワンチャン合格になりそうな
てっきり、推薦型の枠から女子枠を作るので、女子枠の生徒は学力試験をしないのかなと思っていたのですが、詳細を確認すると、共通テストは受けるみたいですね。
二次試験は、面接や数学の問題をやることになるみたいですが、基本的には共通テスト勝負という感じに見えます。
まあ、共通テストの得点率は高くないと勝負ができないと思いますが、二次試験対策をあまりしなくても良いということになりますと、共通テストに専念できるので、これは有利ですね。
とはいえ、女子枠で落ちることも想定しなければなりませんから、二次試験の勉強をしなくても良いというわけにはいかないと思いますが、一発勝負をかける場合には良いかもしれません。
■女子枠作るなら男子枠も欲しいよね
女子枠を作って、女子の人数を増やし、多様化させたいという想いは分かりますが、性別で枠を設けるというのは反発をかなり受けそうです。
このニュースを見て、率直に感じたのが、女子枠を作るなら、なぜ男子枠を作らないのかな?という疑問です。
そして、なぜ、推薦型の方に作ったのでしょうか?一般枠の方に作れば良かったのにという疑問です。
男女で枠が違うというのは当然反発が起きてくると思います。
男子にしたら合格できる枠が減る訳ですから、たまったものではありません。
女子にとっては合格できる枠ができるわけですが、東工大だけをターゲットに勉強していたら他の大学への進学が微妙になります。
東工大を受ける人は、もともと偏差値が高いわけですから、しっかりと勉強して、東工大以外の大学も視野にいれますから、この女子枠は使い勝手が悪いです。
したがって、どんなことが起きるかというと、一般受験で東工大の偏差値レベルの大学への進学は難しそうだけど、ワンチャン東工大を受けとくかという流れで、受かっちゃったラッキーという流れです。
結局は東工大の偏差値レベルではない人が合格できてしまって、東工大の質が落ちるという流れです。
入学できたから良いものの、授業に付いていけない、研究に付いていけない、そんなレベルの学生が増えるということです。
■入試改革ではなくキャンパス改革をすべきでは?
東工大は女子学生が少ないから、大学としては何とか女子を増やしたかったのだと思いますが、それなら、他の方法で増やすべきでしたね。
もっと魅力的なキャンパスにするとか、共通テストや二次試験のウェートを変えて、数学1教科型みたいな感じで、多様な人を集められるようにすれば、女子にもチャンスが出てくることで、受験機会が増えると思います。
結局、性別で枠を作るというのは不公平を生むことになりますから、今の時代ではかなり厳しいと思います。
有名な話では、都立高校が男女数を決めているから、男子の方が合格平均点は低いという傾向がずっと続いています。
中学生の時では、男子よりも女子の方が勉強する子が多いのが理由だということです。
また、医学部でも女子が不利で、面接で落とされたというニュースも記憶に新しいと思います。
何よりも、男女という性別で合格者を決めるのは、あまり良い結果にならないと思います。
社会的にはジェンダー平等を言われているくらいですからね。
東工大という超難関国立大学で実施することで、今回かなりの大きなニュースになりました。
学生が減っている時代なので、より男女差が大きくなる大学や学部が増える傾向にあると思いますが、入試内容ではなく、学校全体やキャンパスの取り組みをもっとしっかりとして欲しいものですね。