ここ最近、大きな話題が2つありました。
違うようで、現代の日本を象徴している話題であり、私には関心が高いです。
日本の社会が悩んでいることが、そのまま出てきたような話であり、現役世代、子育て世代には大変重要な話題であると感じます。
この2つの問題をどのように考えるのかは、自分自身で対応していかなくてはなりません。
■95歳まで生きるには夫婦で2,000万円の蓄えが必要
まず1つ目は、金融庁が年金について取りまとめた報告書の内容です。
発表時は関心が低い話題でしたが、徐々にこの内容が注目を浴びています。
その理由は、選挙と消費税増税に関係してくるからです。
内容は、会社を定年退職した場合、95歳まで生きるには夫婦で2,000万円の金融資産が必要であるということです。
老後は年金があるわけですが、誰もが実感が無くとも予想にしているとおり、全く足りません。
よって、公的年金だけでは死ぬまで普通の生活をすることは難しく、平均寿命を考えると95歳まで生きるとして2,000万円足りないという試算です。
まあ、そんなこと分かっていますけどね。
貯蓄が出来ている、できていないは別にして、年金だけを頼りに生きていけると思っている人はほとんどいないでしょう。
対策は様々あると思いますが、何とかなるでしょうと思っている人もいれば、きちんと自助努力している人もいます。
私は自助努力している方だと自負していますが、この努力が正しいとは分かりません。
おそらく世のFPの人たちも分からないでしょう。
あくまで自分の人生、家族の人生ですから、それで良いわけです。
■リスク許容度と種銭稼ぎを考える
国から正直に2,000万円足りないと言われたら、どうしますか?
貯金する人もいれば、貯蓄する人もいます。
貯金と貯蓄が違うというのは、当ブログで何度も書いていますが、お金を普通預金で貯めるのが貯金であり、金融資産で運用するのが貯蓄です。
私はインフレリスクの対応と、1億円という目標を達成するために、貯蓄を行っています。
リスク許容度に対しては各人で異なりますから、自分のリスク許容度が他人のリスク許容度にマッチするかどうかは不明です。
ただ、自分のリスク許容度を探す取り組みは始めた方が身のためです。
私も自分自身のリスク許容度を知るのに10年以上かかっています。
実際、今でもこの許容度が正しいかどうかなんて分かりません。
それは、その時々によって、資産総額、年収、年齢、子どもの成長度、負債の残高、等によって変わってくるものだと思いますから、リスク許容度は明確に定めることはできないでしょう。
それが答えなのかもしれません。
ただ、貯蓄を遂行するために、必要なことはインカムを増やすことです。
種銭が無ければ何もできませんからね。
ただ、この種銭を稼ぐ手法である、夫婦共稼ぎやダブルインカムが、会社のスタイルによってプランが変わってしまいます。
こればかりは、働いてみないと分からないですからね。
■男性社員の育休明けの転勤がツイッターで炎上
2つ目に、ツイッターで炎上しているのが、上場一部企業に勤めている男性社員が育休明けの2日後に地方転勤を命じられたという事件です。
10年以上前とは違って、現代は、「共稼ぎ」や「子育て」に関する許容度が上がりつつありますが、それでもまだまだ世界の先進国に比べて日本は遅れています。
転勤に関しては法律違反ではないですし、社則にも反していないようですが、やはりモラルの問題だと思います。
子育て支援があれだけ言われている現代において、男性社員が育休明け2日後に転勤ということは、どう見ても「他の社員への見せしめ」にしか見えないからです。
業務の問題や人間関係などの背景が分からないので何とも言えませんが、このご時世にちょっとやりすぎ感があります。
本人はすでに退職しているようですが、この人事の流れを作った上司は大問題をかかえることになりました。
新入社員の募集には当然影響がありますし、株価にも影響があるでしょう。
さらにCSR(企業の社会的責任)の問題にも大きな影響を与えることは間違いありません。
一部署の一従業員の小さなことだったと思いますが、これが大きな社会問題になっているのですから、人事権を持っている上司はしっかりと対応しなければならない時代となりました。
■すべては自己責任・自助努力の時代に突入か
この育休・転勤問題の波及ポイントは、家族の資産形成や資産運用に大きな影響を与えるということです。
近年は男性中心の会社ではなくなっています。
女性が管理職になる時代ですし、女性もキャリアを考えて社会人生活を歩まないといけません。
そのために必要なことは、夫も家事・育児をやるべきだということです。
海外では当たり前のことが日本の家庭ではできてないのが問題であり、共稼ぎ・ダブルインカムの障害となっています。
今回の転勤問題とは関係ないかもしれませんが、男性も育児休暇を取得していたわけですし、家庭としては必要な策だったのかもしれません。
少なからず、上司との関係で、この育児休暇が悪い扱いをされたのは確かだと思います。
これからの社会、このようなモラルも考慮した業務分担が必要になってきました。
長時間労働が問題となっていますが、私はこのような育児と仕事の関係性の方が、今後の課題として大きいと思っています。
部署のマネージャーは非常に難しい運営が必要です。
少なくとも数十年前の感覚でマネジメントしていたら時代遅れになるでしょうね。
老後資金用の資産形成・資産運用も自己責任、子育てを考慮した会社員人生・会社選びも自己責任です。
悔いの残らない人生を送りたいものです。