昨日、セゾン投信のNEWS LETTERのことを書きました。
そのなかで、バンガード社の仕組み・ビジネスモデルについて書かれていました。
その内容は、私だけかもしれませんが、何とも分かり難い内容だったのですが、何故、バンガード社が低コストの商品を提供できるのか?が書かれていました。
■個人向けインデックスファンドの歴史は浅い
バンガード社は運用資産残高が約4.9兆ドルで、日本円換算で550兆円を超えるということです。
インデックスファンドのシェアが世界でNo.1ということで、世界中のインデックス運用商品の約4割だそうです。
逆算すると、世界のインデックスファンドの残高は1,375兆円ということで、これが多いのか、そんなものなのか、私には見当がつかない感じです。
ただ、1976年に世界で初めて個人向けのインデックスファンドを作ったということで、歴史はかなり浅いと思います。
まだ半世紀も経っていないのに550兆円ですから、私の感覚では猛烈にインデックスファンドが拡大しているように感じています。
日本の投資信託の残高は、たったの100兆円レベルです。
ただ、これにはアクティブファンドや、株式以外のファンドも当然含まれています。
世界中での日本の時価総額は10%弱程度かと思いますが、それなら、インデックスファンドだけで100兆円程度の運用残高は欲しいところだと思います。
そこまで日本中でインデックスファンドが拡大してくれば、日本も貯蓄から投資への流れが来ているのが実現できるような気がします。
■バンガード社の低コスト化を生み出す企業構造
低コスト商品が提供できる秘訣ですが、バンガード社の企業構造は、一般的な運用会社の企業構造と異なるということです。
一般的な運用会社は、我々の立場のファンドの投資家が、投資信託であるファンドに資金を出して所有するわけですが、運用会社を所有しているのは、運用会社の株主であるということです。
運用会社は、ファンドの投資家の利益も上げる必要がありますが、運用会社の株主への利益も必要です。
それにより、信託報酬のコストというのは、上げるとファンド投資家にとってはマイナスですが、運用会社の株主にとってはプラスに働く可能性があります。逆もしかりです。
したがって、ファンド投資家と運用会社株主の利益が必ずしも一致するとは限らないということらしいです。
確かに、そうなのでしょう。
日本で低コストの投資信託の商品が販売されないのは、手数料商売を販売会社や運用会社
がやっているわけなので理解できます。
逆にバンガード社の場合は、ファンドへ投資する投資家がバンガード社を間接的に所有することになるということです。
頭が混乱しそうなビジネスモデルですが、バンガード社には株主がいなく、投資家が株主にもなり得るということのようです。
そのためには「スケールのメリット」と「事業展開」がキーのようです。
バンガード社自体が大きくならないと低コスト(低い信託報酬)で運用できなくなりますから、投資家もバンガードを信用して長期保有しないとダメですし、バンガードも投資家の所有を信用して低コスト運用を続けること、が秘訣なのではと私は考えました。
セゾン投信の中野社長もおっしゃっていることだと思いますが、良い運用会社は、良い投資家で構成されているということです。
■成功する投資家になるために
成功する投資家になるための4つの基本原則が書かれていました。
- 目標 明確で適切な投資目標の設定
- バランス 幅広く分散しているファンドに投資し、適切な資産配分を行う
- コスト コントロールできるコストの最小化
- 規律 規律ある長期的な視点で資産配分を管理
簡単そうに書かれていて、実際に実行することが難しい基本原則だと思います。
個人で自分の掲げる目標はバラバラだと思いますが、どんな目標であったとしても、それ以外の原則が重要であることは間違いないです。
「分散」「コスト最小化」「長期的視点」です。
これらのどの項目でも、自分にとって最良というアセットアロケーションは個々で異なると私は思っています。
簡単には「リスク許容度」です。
これが決まれば、あとは自動的に決まるといわれますが、これが一番難しい。
置かれている立場、年齢、家族構成、仕事、将来目標などを考慮しないといけないですし、何といっても相場下落時にどこまで自分が耐えられるかは自分にしか分からないからです。
頭では下落は付きものと分かっていても、行動が伴わない投資家が多いといわれます。
私も過去を振り返るとそうでした。狼狽買い・売りの連続でした。
しかし、投資信託に出会ってから、ファンドのメリットを知ってから、自分にはとても合っている投資ツールだと感じています。
バンガード社や、バンガード社の商品で組成しているセゾン投信などの、分散やコストに関する考え方は、我々投資家の受益者にとってはとても心強いものだと思います。