2人以上世帯の貯蓄額から「老後の心配度」に関する調査結果の記事がありました。
調査結果の元データは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」とのことです。
このデータの「知るぽると」は結構有名で、このデータは実態に近い、よく反映されていると言われています。
今回はこのデータより、「老後の心配度」に関して抜粋した記事が、All Aboutマネーに出ていましたので、私の個人的な意見を含めて、紹介します。
■「貯蓄額」と「老後の生活の心配度」
2人以上の世帯について、「貯蓄額」と「老後の生活の心配度」の関係の調査結果です。
この貯蓄額には、預貯金だけでなく、株や投資信託などの流動性の高い資産も含まれるとのことです。
・貯蓄100万円未満
- それほど心配していない 10.5%
- 多少心配 32.2%
- 非常に心配 57.2%
・貯蓄300万円~400万円未満
- それほど心配していない 8.9%
- 多少心配 45.5%
- 非常に心配 44.7%
・貯蓄1000万円~1500万円未満
- それほど心配していない 15.1%
- 多少心配 53.9%
- 非常に心配 30.9%
・貯蓄2000万円~3000万円未満
- それほど心配していない 26.8%
- 多少心配 50.7%
- 非常に心配 22.0%
・貯蓄3000万円以上
- それほど心配していない 41.6%
- 多少心配 43.6%
- 非常に心配 14.0%
(引用:「老後の心配」は貯蓄の多さで変わる?2人以上世帯編、AllAboutマネー、西山美紀、2017/9/30より抜粋)
記事内では「非常に心配」の数値に注目して書かれていました。
貯蓄が増えるに従い、徐々に減ってきており、貯蓄3000万円以上では14.0%まで低下しているということです。
私が注目しているのが、「それほど心配していない」という項目です。
同じ意味を成しながら、見方が少し違いますが、貯蓄が増えることでそれほど心配しなくなるというのは大切なことだと思うからです。
ここでは3000万円までの貯蓄しか書いていませんが、準富裕層といわれる貯蓄額5000万円までになると、もっと気分が変わってくるような気がします。
■「多少心配」の原因
もう1点注目します。
「多少心配」という項目が一貫して上がり・下がりがないことと、あまり変化の方向性が見られないことです。
これは私も分かる気がします。
回答の年齢にもよりますが、1000万円程度なら現金の貯蓄でも十分作れる金額です。退職金が入れば、もっと大きな金額をいきなり持つ人もいるかもしれません。
貯蓄がいくら多くても、多少心配な部分はあるでしょう。
また、労働世代で子どもがいる家庭の場合、3000万円以上の貯蓄を保有するとなると、貯蓄以外に、リスク資産を有している可能性も高いと思います。
そうすると、老後への心配は、生活の心配というよりも、資産の目減りの方への心配も含まれてくるのではないか?と思えるのです。
現金貯蓄の人は、消費しない限り、目減りの心配はありませんから、貯蓄を増やせば増やすほど心配な部分は減ってきます。
リスク資産により貯蓄を増やしている人は、リスク資産の点で「多少心配」な部分はあると思います。
■準富裕層の5000万円の資産を得るために
巷では3000万円を一つの目安とした老後資産に関する書籍が多くなってきました。
3000万円でも足りないと書く人も居れば、そんなに要らないと書く人もいるくらいです。
結局何を信じたら良いのか?と思いますが、3000万円なんて中途半端な目標を立てるのが良くないと私は思います。
仮に3000万円の投資で、インカムゲイン生活をする場合、年間300万円を必要となると、年率10%の運用をしなければなりません。
同じ300万円のインカムを受ける場合でも、1億円あれば、3%の運用で済みます。
ある記事では、富裕層の1億円の前に、準富裕層の5000万円の資産形成ができるかどうかに一つの壁があると書いていました。
私はまずはその5000万円に挑戦してみたいと思っています。
5000万円は現金貯蓄だけでは厳しいです。
30年間で5000万円を現金で貯めようと思うと、月13~14万円の貯蓄が必要です。
したがって、自分でポートフォリオを作りながら、元本割れしにくい「非リスク資産」と年率3~7%程度を狙える「リスク資産」をうまく使い分ける必要があると思っています。
■富裕層の1億円資産が私の夢
私の将来的な目標は、夫婦で老後生活が始まった時に、1億円の資産を貯めることです。
現金で貯める場合は、先ほどの倍なので、約28万円の貯蓄が毎月必要です。
これはどう考えても、子育てしながらでは無理です。(笑)
さらに、私一人の収入でも無理です。(笑)
したがって、夫婦で力を合わせて、ダブルインカム・無理のない節約・適度なリスク資産運用が必要でしょう。
でも、人それぞれ、収入の違い、個人の性格、家庭の環境、資産の度合いによって、リスク許容度が異なります。
他人の運用方法は参考にはなりますが、自分に当てはまるポートフォリオは、自分を見つめて答えを出していかなくてはなりません。
といっても、見つめている間に何もしないのは、時間の無駄です。
インカムを得ながらの投資生活は日々無くなっていき、老後までの時間は、毎日過ぎて行きます。
「まずは資産形成してみる」「運用してみる」という気持ちが必要でしょうね。