昨日、2月以来の2018年2度目の米国発大幅調整が発動ということで、ひふみ投信から発信されたメッセージを紹介しました。
2018年2度目の米国発大幅調整が発動しました!真の投資家に向けての試練ですね - なんでも道しるべ
ひふみ投信が1日で-5%になっていないのにも関わらずメッセージを発信するのは異例とのことですが、それには複雑な事情がありそうです。
ひふみ投信は9月下旬にかけて米国と日本が好調をキープしているときに、あまり基準価額が上がらなかったです。
ある面からは、ひふみバッシングが起きていましたが、私個人的には、ひふみ投信の資金流出が起きているのではないか?と思っていました。
QUICK Money Worldがひふみの資金流入が鈍化しているというネット記事が発信されました。
大規模である「ひふみプラス」は単月で流出まではいっていないようですが、直販の「ひふみ投信」は残念ながら流出超過のようです。
全体としてはまだ伸びていると思いますが、鈍化という表現は正しいと思います。
おそらく、この要素もあり、10月の米国発大幅調整は第2弾の試練なのかもしれません。
レオスとしては何とても純資産総額を守りたいのだと思います。
これがアクティブファンドの宿命なのだと思います。
手数料がインデックスファンドより高いので仕方ありません。
手数料に見合ったパフォーマンスが出ていないと、アクティブファンドからは資金流出が起きるのは仕方ないことだと思います。
それは、米10年国債の利回りと同じで、利回りが上がると株式から債券に資金移動する流れは起きます。
当たり前ですが、リスクとリターンの関係からはリスク(手数料)に見合ったリターンを欲しがるのは個人投資家として当然のことだと思いますから。
■アクティブファンドの宿命
アクティブファンドは多くのアナリストを抱えて運用するため、当然ながら固定費が多くかかります。
それにより高パフォーマンスを発揮しているのであれば、投資からは資金がどんどん入ってきて、ファンドの規模が大きくなり、運用しやすく、アナリストの給与も当然上がるでしょう。
レオスが運用する「ひふみ投信」「ひふみプラス」「ひふみ年金」はリーマンショック後から好調にリターンを上がており、一気に加速したのがアベノミクスです。
もともと運用責任者である藤野氏がカリスマファンドマネージャーであったことからも注目されており、実績も上げてきたので、資金が付いてきました。
ファンドを大きくするには、純資産総額を増やす必要がありますが、それは「基準価額」と「口数」で決まります。
基準価額はファンドマネージャーやアナリストの頑張り一つで、言い換えると自分自らの力によって上昇されることができ、その割合で純資産総額も増えます。
対して、口数に関しては、ファンドマネージャーやアナリストが直接関与できず、間接的に投資家から買付があれば増えることになりますので、投資家の認知と理解が必要です。
ひふみ投信は個人投資家への直販をターゲットに始めた部分もあり、個人投資家の考え方一つで純資産総額が大きく上下するので、上手くいくと大きく膨れますが、その逆も簡単に起きてしまいます。
過去の実績と、テレビで紹介されたことから、レオスの3ファンドは非常に堅調でした。
ただ、2018年に入ってからは市場全体としては横ばいでありながら、2017年の大きなリターンにより過度の期待もあり、ひふみ投信としてはそれなりに頑張っていても評価が若干落ち気味だったと思います。
リターンとリスクの数値だけで判断すると、十分なパフォーマンスをしていると私は思っていますが。
資金を預けている投資家の数が増えるほど、いろいろな考えや投資方針がありますから、それは仕方ないことではありますが、ファンドのインベスターリターンを上げるためには、投資家の投資スタイルも一因であることは知ってほしいと思います。
■ひふみ投信は流出、ひふみプラスは何とか流入超
さて、本題ですが、9月のレオスの状況は下記だったようです。
- 「ひふみ投信」は17億円の資金流出超過
- 「ひふみプラス」は33億円の資金流入超
ひふみ投信が資金流出となるのは、2014年8月以来の4年1ヶ月ぶりということで、2008年10月の設定後では最大のマイナスだということです。
最大のマイナスと聞くと、やばいんじゃない?と思うかも知れませんが、レオスの規模が2008年と全く違います。
ファンドが大きくなっているが故に、一度の増減も大きくなりますので、最大のマイナスになっても仕方ないです。
ひふみプラスは流入超ではあるが、テレビ紹介により知名度が上がった2017年2月以降では最も少ないとのことです。
9月は何とか流入超になりましたが、10月はどうでしょうね?少し心配ではあります。
■リターンがマイナスで確定してしまう人
記事にも書いていましたが、レオスのファンドの基準価額は2018年1月が最も高いです。
米国や日本の株価が好調であった9月末時点でも、この1月の基準価額を上回っていません。
したがって、1月に買付して、9月に売却した人は、リターンはマイナスになっているということです。
これに該当する人はもしかするといるのではないか?と私は感じています。
それがインベスターリターンを下げることになり、先日から紹介している共通KPIの運用損益別顧客比率でマイナスの投資家は増えることになります。
残念ながら、このような市場状況で狼狽売りをしてしまう我慢できない個人投資家が多いのが現実のようですが、ここは耐えて積立を継続することがとても大切であることは、リーマンショック後に学んだはずです。
それは、アクティブファンドとインデックスファンドを選択する以前の話で、ファンドを使って資産形成する人には必須の心構えだと思います。