なんでも道しるべ

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【2018年3月号】シニア層がほとんど占めている預貯金約1,000兆円の市場へ還流が課題

f:id:anyguidepost:20170718200100j:plainセゾン投信から2018年3月のNEWS LETTERが届きましたので、毎月の好例ではありますが、紹介しつつ、私の意見を書きたいと思います。

2月は米国発大幅調整があったので、この調整に関することが書かれているかと思いましたが、全く触れられていませんでした。

上がって下がっても動揺することなく、積立を継続することがセゾン投信のポリシーなので、中野社長は何も発信しないのかもしれませんね。

私の気持ちとしては、少しはプロから目線の大幅調整の見方を発信してほしいなという気持ちは少々ありますけど。

■今月のメッセージはシニア層への働きかけ

今月の中野社長のメッセージは、シニア層への「つみたてNISA」のススメでした。

セゾン投信は、40代以下の積立が全体の7割を占めているといわれています。

iDeCoも始まりましたが、60歳以下が条件なので、必然的に若い現役世代が顧客になるのだと思います。

しかしながら、まもなく1千兆円になろうとしている現預金のほとんどを保有しているのが、シニア層であるという事実です。

中野社長は、このシニア層が保有している現預金から、つみたてNISAに約3万円の毎月積立をしてほしいという訴えが今回のメッセージのメインとなります。

メッセージの中で、「眠れる巨額のお金が「長期・積立・分散」投資マネーとして世の中の経済活動の中に働きに出る資金へとシフトすれば、巨万の富が生活者の中に創出され得る」と書かれています。

まさにそのとおりであることは間違いないですが、このメッセージの意味するところが、シニア層に届くのかと思うと、難しいのでは?と私は思います。

なぜなら、昔には、利子が年間で数%の時代があり、稼いだお金は一生懸命貯金することを教えられ、さらには、株式投資はお金持ちがするもので一般人がすると破産するとの間違いを教育されてきた世代です。

そんな常識といえる教えが頭だけでなく、身体に染みついている人達が、なかなかお金を運用の世界に回してくれるとは私は思わないのです。

さらに、「リスクを冒してまで、預貯金利子以上のリターンを得る必要が無い」という話を聞きます。

もし、「使えるお金が減るのなら、節約すればいいんだ」というのが根本的な考えです。

40代以下の現役層が、なぜ、「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用して投資を一生懸命するのかというと、国の年金制度を信用していないからです。

年金が減るかもしれない、すでに現実に支給年齢がどんどん後ろ倒しになっています。

60歳まで働けば年金がもらえると思って働き出したのに、すでに65歳に延びてしまいました。さらに70歳になるかもしれないと言われている始末です。

そうなると、自分がいつまで働けるか想像ができない状況であると、労働所得から少しでも不労所得に資金を移しておく必要があると考えるのが自然です。

40歳以下の現役層の投資に対する考え方や目的と、60歳以上のシニア層の投資に対する関心の無さは全く次元が違うものだと思います。

ただ、ファンドにとっては、信託報酬などの手数料は同じ「お金」なわけです。

現役世代が「汗水流して稼いだお金」と「投資信託の運用によるお金」に差がないと考えているのと同じで、ファンドにとっては同じお金なので、どちらからとっても同じです。

しかし、私が考えるのは、本気でマネーを市場に還元したいのであれば、シニア層の手数料を下げるなどの方法を取ることだと思います。

例えば、『信託報酬をシニア層の方は下げて、その代り、残高は何百万円以上などの縛りを入れる』ことや、『遺産相続を株や投信などによる相続とすれば相続税を安くしてもらえる』などです。

「NISA」や「つみたてNISA」や「iDeCo」によって、国は税制優遇で市場にマナーを移すような方策を取ってきましたが、シニア層にはあまり響かない制度だったのでしょう。

次は、シニア層のマネーを市場に移す方策を考える時だと思います。

■「ZUU online」からお金について学ぶ

ゲストからの応援メッセージは、「ZUU online」の代表取締役の富田氏でした。

「ZUU online」は、私はたまに記事を読んでお金に関する勉強をさせてもらっているサイトです。なかなか良いサイトだと思います。

コンテンツなども提供されているということですが、そのようなものを使ったことがありませんでした。

『お金に振り回わされず』に『お金と上手に付き合う』というアドバイス記事が確かに、この「ZUU online」サイトには多いような気がします。

メッセージの中には、投資の勝率をアップさせるには、『重力に逆らわない』ことと書かれています。この重力とは、『税金と手数料』ということです。

確かに、現在の投資環境は税金をできるだけ安くできるような仕組みが構築されており、私のような弱小個人投資家にとっては非常にありがたいです。

手数料は、インデックスファンドを選べばかなり安くできるような競争が生まれていますし、アクティブファンドでも一昔前のような手数料販売の商品が減ってきました。

セゾン投信の中野社長は、この手数料に関して11年前に革命を起こしていただいた一人であることは間違いないと思います。

会社規模が大きくないので、手数料競争になると、アクティブファンドであってもしんどい状況であると思いますが、是非とも世界分散投資は続けてほしいと願っています。

■年に1度の運用報告会の動画がもうすぐ公開

第11期運用報告会の動画が、3月中旬にホームページにアップするようです。非常に楽しみにしています。

運用報告会は長いので、一度で見切れないのですが、あまり動画で運用状況が見れないセゾン投信の大きなイベントなので、私は絶対に見たいと思っています。

特に、セゾン投信アドバイザーの房前氏の解析はとても興味があります。

昨年も2ファンドをしっかりと分析されており、セゾン投信サイドの報告ではなく、我々受益者の立場に立ってファンドを分析されているので必見です。

2017年は絶好調の年だったので、どのような分析をされるのかな?と期待しております。

■月次騰落率

最後になってしまいましたが、2018年2月の騰落率です。

  • セゾン資産形成の達人ファンド -3.23%
  • セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド -3.34%

やはり、2月は非常に厳しい月でした。

マイナス3%の前半であれば、アクティブファンドとしては合格範囲内のような気がします。それだけ厳しい月でした。